⑤オレ、百合漫画の主人公の妹とあの世界に来ちゃったよ。

「どうしよう!琴梨ちゃんまで一緒に!」


「何これー!きゃあああー!」


「そんなこと言ってる場合じゃねぇ

 琴梨ちゃんー!オレの手を掴んでー!」


「オレ…?おねえちゃん、まるで…」


「いいからー!」


「はっはい…?」


空間の中、手を繋いだ瞬間、眩しい光に包まれた。


「きゃっ!」


「多分、もうすぐだから!」


「えっ…?もうすぐ…?」


そして、二人は出口に着いた。


「一体、何が起きたの…?」


「もう目を開けて平気だよ。」


「えっ…?わかった…?」


するとそこはどこかの都会の交差点だった!


「えっ!?ここはどこ!?

 私達は確か、家の近所の路地裏にいたはずだよね!?」


「着いた…着いたんだ…」


「えっ?」


「オレの憧れていた聖地とも呼べる!

 あの世界にオレは来たんだぁぁー!」


「なっ何、変なテンションで叫んだりして!?

 おねぇちゃん、頭でも打った!?」


「あっそうだったね!

 君をこの世界に連れてきちゃってたんだった!」


「この世界に連れてきちゃった…?何を言ってるの…?」


「周りを見て、感じることはない?」


「周りを見て…?さっきから女の人しか居ないように見えるけど…

 ってあれっ?あれっ?というかあっちもこっちも本当に女の人しか居ない…?」


「その通り、ここは女の人しかいない世界なんだ!」


「あはは、わかった、これ夢だよね…

 きっと、頬をつねれば、痛ててぇ、えっ…?夢じゃない…?」


「混乱させてるよな、ゴメンな、琴梨ちゃん。」


「そのちゃん呼びやめてくれるかな?

 それにその喋り方、なんかおねぇちゃんらしくないよ?」


「ああ、それには理由があるんだ。」


「理由…?」


「実は愛田雛じゃないんだ、オレの名前は青依晴都。

 君達の世界とは違う世界に生きてた

 なんでそうなったのか今の所わからないけど

 朝、起きたらこの子になってたんだ。」


「えっ…?それって…つまり…?」


「オレは君のおねえさんに転生しちゃったみたい。」


「えっーー!?」


「まぁ、そういわけだから、琴梨ちゃん、これからよろしくな。」


「なっなっ、よろしく出来るかーい!!」


漫画の主人公の妹の琴梨ちゃんを巻き込んで

オレの愛田雛としての物語が幕を開けた!


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