②オレ、百合漫画の主人公の妹が可愛いと感動したよ。

これは夢なのか…?それを確かめるべく

オレは恐る恐る、自分の体を調べてみることした。


「あっ…胸…柔らか…確かに雛はでかいはずだけど…すげぇ…

 ってじゃねぇよ!?何、女体化したら絶対にしちゃうよな〜

 みたいな行動して、鼻血出そうになってんだよ!?そんな場合じゃねぇだろ!?」


オレは状況を整理するために一度、深呼吸した、そしてある答えに辿り着いた。


「つまりこれはあれだな…漫画の世界の主人公に転生しちゃいましたって感じのやつだな…間違いない…」


しかも多分だけど、今は第一話のシーンだぞ、学校に遅刻しそうになって、慌てて準備して家を出て、間に合わないからって、普段通らない近道をしたら、あの世界に迷い込んだって所だ。


「まさかこんなことが現実で、しかもオレの身に起こるとは…」

 

「おねぇちゃん、何もしないなら、邪魔、どいてくれる?」


「えっ!君は確か!」


「なっ何?」


うわぁぁ!感動だぁぁ!

お母さんと同じくあの第一話にしか出てきてなかった

主人公の可愛い妹の琴梨ちゃんじゃないか!たしか中学生だったはず!


「すげぇ…実物だとさらに可愛いええ…」


「今日のおねぇちゃん…涎たらしてるし…なんかキモいんだけど…」


「はっ!ごめんごめん!

 妹を色目で見ちゃ駄目だよね!あっでもこの場合って、姉妹百合になるのか…」


「さっきから何言ってるの…?いいからどいてよ?」


「あっうん!」


「雛〜!学校に遅刻しちゃうって言ってるでしょ〜!」


「あっはいー!わかってますー!」


「ぷはぁ、何で敬語?」


「あはは、それより琴梨ちゃ…いいや琴梨は慌てなくていいの?学校遅刻しちゃうんじゃないか?」


「何言ってんの?今日は参観日の振替休日で休みだって、昨日、話したじゃん?」


「あっえっとそうだったか!」


「意味わかんない…」 


彼女は洗った顔を拭き終わると、居間に向かった。


「あんなに性格がきつい子だったとは…

第一話しか出てないから、想像も出来なかったな…」


「雛〜!」


「やべっ!とにかく今は考えるのは後だ!急がなくちゃ!」

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