第47話
「ば。馬鹿な!?"D10"だと!? そんなの聞いたこともないぞ!?」
「これが…"伝説の引きニート"の本気…」
うん。ザルーザは兎も角。とりあえず、後でカイルは泣かす事にしよう。いっそのこと、リアルで懲らしめてやりたい気もするが…。
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とまぁ。ここで簡単に
Dとは、属性龍(木龍、水、土、風、雷、氷、邪、天、死、生)のそれぞれの10体の龍達の事を現しているんだが、前に俺が説明していた、あの裏設定というもの。つまりそれに該当する。
更にもう1つ、この方法はあまり知られていないのだが一応、裏設定に存在しているので説明しておこう。それは属性龍達を5体以上討伐したプレイヤー達のみ挑戦出来る『extra quest』ってのが存在するんだけど。それをクリアすれば自分のDスキルの数だけ、属性龍達を技の一部としてではなく、モンスターとして召喚させることが可能なんだ。
そして、その召喚を行えるのが俺やハバネラを除いた、負けない男と、ここにいるザルーザの2人だけということになる。
以上。Dの解説でした!
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2人が見つめる中、俺は静かに詠唱をしたのち自分の背に背負っていた大剣を取り出すと10個の穴にそれぞれの色の着いたオーブをはめ込んだ。
その最中、カイルやザルーザが何か言っていたが俺は集中していたので上手く聴き取ることが出来なかった。
そして、俺がオーブを全てはめ込み終えると俺の持っていた大剣が光り輝くと共に、木龍を始めとした"10体"の龍達(木龍、水、土、風、雷、氷、邪、天、死、生)が姿を現した。
"空が割れ"、"落雷と嵐"も引き起こし、更には引力による多数の"隕石"をも発生させると、本物ではないため決して熱くはないが、馬鹿デカい"月と太陽"までもが、その10体の龍達によって召喚された。
そして、その光景を目の当たりにしたザルーザと、地響きと共に次元の中から放り出された、時の人が項垂れる。
「これが…
「いてて…突然、地響きと共に時空間から放り出されたかと思えば…。はい。俺は大丈夫ですよ。ザルーザさんこそ大丈夫です?」
「うん。僕もなんとかね。悪いんだけど、ここからは君の力も借りたいと思っているんだけどいいかな?」
「良かったです。俺はザルーザさんのお役に立てれるだけでも光栄ですよ」
「ありがとう。助かるよ」
「いいえ。では、早速始めますよ!ザルーザさん! 先ずは『時の祭壇』! 続けて『時の宝高』!」
時の人が詠唱を唱えると、2本の剣が時空間から出現した。
俺はその剣に見覚えがあった。
あれは、時の剣…確か…"ミラエダ"と"ツナシリ"とか言ったか。"ミラエダ"は時を静止させる力を持ち、"ツナシリ"は時を再生させる力を持つ。どちらも厄介な代物だ。それ故に『神器』として扱われているのだろう。
そして、その2本の剣を見たザルーザが歓喜の声を上げた。
「僕のエクスカリバーと合わせて神器がこちらに3つも揃うなんて…すごいよ!時の人君。これならD10にだって対抗出来るはず! さぁ!
「引きニート…確かに貴方は凄い。本当に伝説のプレイヤーだと思う。でも悔しいけどこれ以上は…」
俺は、俺の腕を掴む彼女の腕を優しく解くと、ニッコリと微笑み掛けて言った。
「勝負ってのは最後まで何が起こるのか分からない。だから、俺はどんな時でも決して諦めたくはない」
「ニート!!」
俺は後ろで必死に呼び止める彼女を無視し、最後の詠唱を唱えた…。
「…
to be continued…。
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