第39話

 そして、待ちに待った大会当日……。


 

   ーーーーーーーーーーーーーーー



「うっわぁ〜! 緊張するぜよ!」


「お、俺こそが1番だ! 絶対に優勝してやる!」


 ……


「はぁ。辺り見渡しても弱者ばかりでつまんなそう。ねえ、ザルーザ?」


「まぁまぁ……カイル、そう言わずに楽しもうよ?」


「そういえば。今回のPvPってランダムで知らない人と組まされるんだっけ? 私、ザルーザ意外は弱そうだから嫌なんですけどぉ〜?」


「あはは……。でも噂によるとあの超大型ギルド魔導の道パラディンズ・ロードの右腕の"負けない男"と左腕のカイル。更にはあの"伝説のプレイヤー"も参加しているみたいだからカイル自身も楽しめると思うよ?」


「え? 魔導の道? 伝説のプレイヤー? 誰なの? その人達って」


「あはは……。まだ日の浅いカイルは聞いた事がなかったかな。因みに魔導の道の2人なら何度か僕も手合わせしているから慣れてはいるんだけど。この"伝説のプレイヤー"にたいしては聞くところによると。僕も正直、勝てるかどうか分からないくらいの実力らしいんだ…」


「嘘!? ザルーザでも勝てないの? その伝説のプレイヤーってそんなに強いの!?」


「それもかなりね。まぁだからこそ、僕はその人と今回の大会で戦える事を何よりも楽しみにしてるんだけどね!」


「そうなんだ。あ、ザルーザ? 今回は多分私達別のチームになるだろうけど、違うチームだからって一切の手加減もしないでちょうだいね?」


「カイルならそう言うと思ったよ。あぁ。もちろんさ!」



   ーーーーーーーーーーーーーー



 出場を希望するプレイヤー達が次から次へと受付を済ませては、大会専用のエリアに続々と集まって来る。


 そんな中、俺は受付を済ませた後、その片隅においてあるベンチに腰を掛けては、バーチャル空間の一面に広がっている青々とした空を見上げて1人呟いていた。


「闇ドルまだ怒ってるかな……。いや、そんなことより今は! 優勝賞金300万円の方が大事だ!」


 だって、それだけあれば働かなくていい口述が母さんに出来るんだからな。うん。


 と、俺が1人黄昏れていると大会の始まりを知らせるアナウンスがエリア内に鳴り響いた。


 ……そろそろか。


 やがて、アナウンスが終わると同時にRNOのマスコットキャラクターでもある、『ラグナン』というポ○ットモンスターのミ○リューによく似た小さいドラゴンの妖精が姿を現すと、今大会の説明をし始めた。


 ん? このキャラクターは……。


   ーーーーーーーーーーーーーー


「みんな〜! 今日はご参加頂き誠にありがとうらのだ! ボクが今大会の実行委員をつとめる『ラグナン』らのだ! よろしくらのだ! では、早速今日の大会を皆んなに楽しんで貰うために必ず皆んなに守ってもらいたいルール説明をしていくらのだ! 今大会のルールは……」


 ……。


 そして、大会実行委員のラグナンによるルール説明が終わると各々の場所へと各プレイヤー達が転送されていく。


 因みに今大会のルールだが、という2対2の"バトルロイヤル形式"で執り行われるらしい。


 そして次に、今大会に出場するプレイヤーはなんと1000人もいるらしく、それぞれランダムでバディを組まされるみたいだ。そして、開始5分前になると、それぞれのバディが運営サイドによって前もって決められている所定の位置へと転送されるらしい。んで、そこで鉢合わせたプレイヤー同士でどちらかがリタイア。若しくは、戦闘不能になるまで戦うということらしいのだが……つまり、それがバトルロイヤルと言うことなのだろう。


 しかし! 注目すべき場所はそこではない! なんと、今大会の優勝賞金がなんと! 300万円から1000万円にまで上限をあげるとのことだった。理由は当初予定されていた出場プレイヤー数を大幅に超えて来たことが原因だとかなんとか。


 以上が、今大会の説明である。


 あ、そうそう。今大会で使用するバトルエリアの話だけど、なんでもバトルロイヤルの雰囲気を出す為に『市街地』と『荒野』の2つが使用されるとかも言っていたな。


 と、もうそろそろ5分前か。気合いを入れないとな……。


 その後、俺は周りのプレイヤー同様に、所定の位置へと転送されていくのだった。


 to be continued……。


 




 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る