第24話

 AM:10時……『始まりの街』にて。


 俺がインすると街広場の中央にある噴水横に立ちつくしては、多くのプレイヤーの目を引いている一際異彩を放つ女性の姿があった。


 彼女だった……。


「あ! NEETさん〜!」


 やがて、彼女がこちらに気付いたみたいで、駆け足で近づいてくる。


 彼女が走るたびに、彼女の鎖骨の下から見え隠れしている、たわわに実る2つの代物が上下左右に揺れるので、ゲームの世界とはいえ、俺は目のやり場に困った。


 いっそのこと、そのたわわな代物にダイブしてやりたいとさえ思ってしまった。


 いかん! いかん! あまりの代物に理性がぶっ飛ぶ所だった。


 俺は深呼吸をすると、目の前にいる上機嫌な彼女の方に向き直した。


「NEETさん! 今日はよろしくお願いします!!」


「こちらこそよろしく、闇ドル。まず初めにギルドへ行くけどいいかな?」


「あ、はい! お任せします!」



   ーーーーーーーーーーーーーー



『ギルドにて』


 俺達はギルドへ入ると、壁に貼られている依頼表に、効率の良いクエストがないかを1枚1枚確認していく。


 闇ドルは、レベルが25になっているので、前のように野良で行くより、少し難易度のあるクエストを受けさせて、クエストクリア報酬として別に経験値が貰える依頼を、受注させた方が都合がいいと俺が判断したからだ。


 因みに、RNOはゲームのストーリー進行仕様が複合選択出来るという、珍しいゲームなのだ。


 1つは、前やったように野良でダンジョンを進める事が出来るという設定と、もう1つはモンハ○の様にギルドでクエストを受注してダンジョンをクリアしていくと言ったシンプルな流れだ。


 因みにこの設定で受けられるクエストのランクだが、F〜SSクラスまで存在している。


 しかし、今俺達がいるエリアは『始まりの街』と言う最初のエリアなので、ここではCランクのクエストまでしか受注することができない。


      ーーーーーーーーー


 ・怪鳥の討伐 Cクラス


 ・大カエルの討伐 Fクラス


 ・大ナメクジの討伐 Dクラス


 ・新クエスト 神獣の撃退 ???クラス


     ーーーーーーーーーー



 おい……明らかに1番下はレベチ感が半端ないだろ……。


 流石にこの書き方じゃ怪しすぎるし、誰もこんなクエストを受注なんかしないだろうな……。


 と、俺がそんなことを思っていると……俺の隣で依頼表と睨めっこをしては何かを決断しようとしている人影が……。


「エイッ!」


 闇ドルさん……何してくれちゃってんのよ……。


 まさかの闇ドルがその依頼表に手を掛けたのを確認し、俺がすかさず止めに入る。


「あ、あぁ! NEETさぁ〜ん! 返して下さいよぅ〜」


 確かに、ソロなら神獣相手でも何も問題はないだろう。


 しかし、彼女を守りながら闘うと言うのは、かなり難易度が向上することだろう。


 俺は、彼女に事情を簡単に説明すると、静かに依頼表を元あった場所へと戻した。


 うーん……お! これいいな!


 そして、俺は1枚の依頼表を手に取ると、受け付け嬢の元へそれを持って行き、迅速に手続きを済ませた。


「闇ドル? もしかしたら君には少し、『ザスティン』はキツイかもだけど……大丈夫かな?」


「え!? あ、はい! 大丈夫……です!」


 そして、俺達は転送システムによって、依頼表に記されていたダンジョンへと転送されていくのだった。


 to be continued……。

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