第23話
「ん……うん」
どうやら俺は、PCを開きっぱなしで寝落ちしてしまったらしい。
おかげでPCの電源がすっかり落ちてしまっていた。
PCが落ちていたので、PCと連動しているRNOはまだプレイ出来ない。
「やってしまった……」
俺は、PCを充電器に差し込み、部屋の掛け時計に視線をやった。
「セ、セーフ!」
その時計の短針は9の所を指し、長針は1を指していた。
闇ドルと待ち合わせの時間まで、幸いにもまだ時間はある。
俺は昨夜買った週刊誌をコンビニの袋から取り出して開いた。
本来なら、昨晩にやるつもりだったが、昨日は疲れてしまっていたのか、そのまま寝落ちしてしまったので、仕方なく俺は、闇ドルと待ち合わせの時間まで、
「ん?」
俺は、週刊誌に記載されていた、『
そこには、amuseというよりかは、『
「
amuseは、日本発祥のアイドルグループで、日本人1人と韓国人4人によって構成されている。
彼女らはメジャーデビューして、当時はまだ5年も経っていなかったらしいのだが、その人気っぷりは、初音が言っていたとおり凄かったらしく、既に多くの世界中のファンを魅了し、虜にしていたらしい。
特に、その中でも、ひときわ異彩を放っているのが、日本人であり、不動のセンターでもあり、圧倒的なリーダー気質も兼ね備えている、『
身長は160cmくらいで、黒髪のロングヘアーに、大きな黒い瞳をしていて、その日本人形のような容姿に加え、抜群のスタイルを併せ持つことから、ファンからは「お人形さんみたい!」と言われる程の容姿を持つ人物だ。
「あの人だ……間違いない」
特段、俺には、仲が悪そうには見えなかったけどなぁ〜。
まだ時間はある。もう少し調べてみるか!
俺は、『師道 明日香』について調べてみることにした。
ネットで検索してみると、自称ジャーナリストを名乗る男が、彼女について記事を書いていたので、俺はそれを読んでみることにした。
『
福岡の北九州で出生。
両親は、共働きで兄弟はいない。
家が貧しく、賃貸のボロアパートに住んでいた。
やがて、明日香が10歳になった頃、両親が交通事故に遭い、明日香を1人残し、この世を他界。
「切ないな……」
明日香は、父方の祖父母の家に移住させられる。
しかし、祖父母は、共に明日香の事を嫌っていた為、明日香は、祖父母から酷い虐待を受ける。
「酷い話だな……」
やがて、明日香が15歳になる頃、祖父母を怪しんでいた、児童養護施設の職員によって、明日香の虐待が発覚。その後は、児童養護施設でそのまま引き取ることになる。
その後の、専門学校に入るまでの生い立ちは不明……。
そして、日本屈指のミュージカル専門学校を卒業すると同時に、そのルックスと高い歌唱力を評価され、『White pink』の養成所に入る。
入所後は、中々芽が出ず、後から来た後輩達がどんどん先にデビューしていく中で、明日香は、その現実から、やがて目を逸らすようになる。
明日香が、自分という存在を押し殺し、どんどん塞ぎ込んでいってしまうようになり、入所から2年が経った頃……。
彼女は、遂に養成所を辞める決意をする。
彼女は、事務所のプロデューサーに話して、退所の旨を伝える事を決意していた。
しかし、その翌日のことだった。
そんな彼女の人生を変える転機が訪れることとなる。
彼女が入所してから、1日も休まずに密かに行っていた、彼女自身で編み出した血の滲むようなトレーニングを、実は入所時から、陰でずっと見守っていた、『White pink』のメンバーがプロデューサーにバックアップするよう、頼み込んだのだ。
そして……。
ここから、彼女は、何者にも屈しない圧倒的な存在になり遂げるのだった。
その翌年、事務所のプロデューサーに気に入られ、晴れて『
彼女ら、amuseがメジャーデビューを果たすと、それからは飛ぶ鳥を落とす勢いで新曲や PVを出していき、『シングルの売り上げ』『アルバムの売り上げ』『ダウンロード再生回数』『 P TUBEの動画再生回数』は全て、3年連続1位と言う偉業を成し遂げると、世界的に有名な海外のビルボードランキングでも、2年連続で1位を記録するなど、あらゆる快挙を成し遂げたのだ。
つまり、『amuse』は、世界的に見ても大成功を遂げたのだった……。
俺はあまりの衝撃に、携帯を床に落とした。
「あ、amuseって、俺が知らなかっただけで、めちゃくちゃ凄いグループだったのかよ!! あ! 今何時だ?」
俺は、携帯の時計をふと見てみた……。
「あ、やばい! もう、こんな時間だ! 早く インしないと! 闇ドルを待たせることになる!」
俺は、パソコンを立ち上げ、電光石火の早業の如く、RNOにログインをした。
to be continued……。
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