第9話

タヒネス郊外にて。



「さぁ、着いたぞ? 闇ドル?」


「う……うわぁ〜〜〜!!」


『タヒネス郊外』は、主に電力でできている為、その一帯が、凄く近未来的な建物ばかりが並んで出来たエリアだ。


 そして、俺は、そのまばゆい程の光に囲まれた建物とは、打って変わって、灯りの一つもない、凄く質素な佇まいで、それでいて、どこかオンボロな、1つの喫茶店を指差して、闇ドルに言った。


「あそこに入るよ?」


「え? あっ、はい……」


 流石の闇ドルでも、少し引いてるような感じだった。


 俺達は、旧友が営むオンボロの喫茶店へと入って行く。



     ーーーーーーーーー



 カランカラーン……。



 喫茶店にて。


「こんにちは〜?」


 店内は、まるで西部劇風のBARの様な構造をした喫茶店だった。


「うわっ!? び、びっくりした〜! 大っきいですね! NEETさん?」


 店内に入ってすぐに見える店の壁にかけてあったバッファローの顔を見て、闇ドルが驚いていると、バックヤードから人影が見えた。


「あら? いらっしゃい」


 そこに出て来たのは、背丈が170くらいある、スタイル抜群の白髪の女性だった。


 そうだ……。


 何を隠そうこの人物こそ、俺の旧友であるハバネラ、その人である。


「ん? 貴女見ない顔ね? ここは、顔見知りしか入れない事に決めてるのよ……分かったら! って……あぁ!! 誰かと思えば! NEETじゃん! ひっさしぶり〜〜!」


「ぐわっ! いきなりなにすん……」


「ほら! 入った、入った!」


 最初、ハバネラは、闇ドルの顔を見るなり、追い返そうとしたが、その背後にいた、俺の顔を見ると、快く中に入れてくれた。


 ……と言うより、俺の首根っこを腕で引き寄せると、半ば強制的に俺は、奥へと連行されていくのだった……。


「NEETさん!? 待ってくださいよぉ〜!!」


     

     ーーーーーーーーーー



 一方その頃、とある掲示板では……。



 時の人:おまいら、いるか〜??


 ジミー笹西:いるぞ!


 ギリギリの会社員:どした〜?


 やっぱり加藤:何か面白い情報でも入ったのか?


 時の人:いや、面白いと言うか……。実は、ちょっと前のPVPイベントを見返していたんだが……。おまいら、ギルド『魔導の道』《パラディンズ・ロード》って聞いたことは?


 ジミー笹西:知らなかったら、そいつは恐らく、RNOのにわかだろう。


 ギリギリの会社員:上に同じく……。


 やっぱり加藤:公式がお願いするほど番宣力を持っていた、一世代世代を築いたことのある伝説級の超大型ギルドの事だろ?


 時の人:やっぱり、知っているよな。じゃあ、それまで、数々のイベントを総なめにしていた、その伝説級の集団が、突如優勝争いから消えたPVPイベントの事は知ってるか?


 ジミー笹西:聞いた事があるくらいだが、だとしても、あの集団が消えたなんて、今でも想像つかないwww


 ギリギリの会社員:上に同じくwww 内輪揉めがどうのこうのって……聞いたが……。


 やっぱり加藤:確かあれは? ギルド間での仲間割れが勃発して、辞退せずには、いられなくなって……うーん、詳しくはわからないな……。


 時の人:実は、俺も、あまり信じたくはないが……。どうやら、たった1人のプレイヤーによって、壊滅させられたらしいみたいなんだ。


 ギリギリの会社員:ファ!? 思わず、手に持っていたコーラ、落としちまったわ!!


 やっぱり加藤:いやwww 流石にそれは、夢物語すぎるwww


 ジミー笹西:も、もし、か、仮にそれが本当だとしてだぞ?……一体、誰なんだ?


 時の人:すまない! まだそこまでは、調べることが出来ていないんだ……。おまいらも、何か分かったらここにあげてくれ!


 やっぱり加藤:お、おう! 任せろや!


 ジミー笹西:了解!


 ギリギリの会社員:了解した!



 to be continued……。

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