第57話リョウと疾風の迅雷

 野営の、準備をするためにかまどとを組み立て、薪にドムが着火して鍋を置く。


 フランが、だしをひき俺とマリアが魚や海老や、貝に野菜を調理して鍋に投入する。


 堅いパンと、コーンスープに魚介の煮込みが出来上がったが、フランのだしがきいていてとても美味しかった。


「フランが、野営の見張りの順番を決めてくれ」


「わかったわ、4時間交代で1番目は私とドム」


「2番目は、マリアとライラで3番目はアームとリョウよ」


 俺とリョウは、フランとドムに見張りを任せて、毛布に潜り込んで眠りについた。


 マリアとライラに、起こされ見張り交代よと言われて、眠いながらも交代する。


(ご主人様、女神様に聖女を育てろとか無茶ぶりされて。大変じゃないですか)


 いや、薬草採ったり魔物を狩ったりするのも楽しくなってきたりして良かったし仲間を育てるのも楽しいよ。


(でももっと、のんびりスローライフしたかったのではないですか)


 買い物したり、料理作ったりしてそれがお金になったり、牧場手伝ったりして結構スローライフもしていると思うぞ。


(僕は、ご主人様と一緒にいられるだけで。幸せなんですけどね)


 お前、なんか悪い物でも拾い食いしたかと言いたいところだが、前世でお前が死んだときに俺も酷い、ペットロスに苦しんだからな。


(もう聖獣ですから、寿命はエルフ以上なので。心配ないですよ)


 でも、死ぬときは死ぬんだろ無理はするなよ。


(死ぬときは、一緒ですからね)


 怖い事を、言うな聖獣様よ。


 その日の、野営も何事もなく終わろうとしてた頃、こんな時間に他のパーティーが、近づいてくる反応があった。


「みんな、起きて警戒態勢をとれ。」


 リョウも、威嚇の唸り声をあげていて、みんなが飛び起きて警戒態勢をとる。


 問題のパーティーから、一人だけ25歳ぐらい戦士風の男が両手上げて、近づいてきて声を掛けてきた。


「俺は、疾風の迅雷のリーダーで。オルンというものだ」


「青いつばさの、リーダーのアームなぜこんな朝方に。到着したのですか」


「冒険者ギルドの、依頼で例のオークジェネラルの件の。調査できたのだが」


「上の階層も、調べておこうと欲張ってこんな時間に。なってしまってね」


 フランが、間違いなく疾風の迅雷のリーダーだと言うので、俺達は警戒態勢をとき武器を下ろした。


「疾風の迅雷は、このまま18階に向かうのですか」


「いや、パーティーの皆がいいかげん腹も減ったし。眠いと言うので仮眠をとるつもりだよ」


 そう言うと、オルンはお茶の誘いを丁寧に断り、疾風の迅雷のもとに帰って行くのである。


 朝食は、ホットドックとコーンスープとナス味噌炒めと、ちょっとだけ豪華にした。


 5つの型からの素振りをやっていると、左でドムとライラも素振りを始めていて、リョウも前後左右に高速移動する訓練をしている。


 右では、フランとマリアが体術の型と、体の使い方と組手を練習していた。


 地下18階は、ダンジョンが薄暗く洞窟が続いている。


「リョウが先頭で索敵、ライラとドムが前衛でフランとマリアが中衛で。俺がしんがりの後衛で進む」


 ドムが、罠を見つけたので解除するまで待ってくれと、言ってきて素早く解除を終えた。


(6体の群れ、骸骨戦士を見つけました風下から近づきます)


「骸骨戦士が、いるようなのでライラが引き付けて。マリアも魔法で倒す」


「6体いるので、3体をライラが挑発で引き付けて右端かから。俺つぎライラつぎドムつぎフランの順で繰り返し倒す」


「残り3体はリョウと、マリアの魔法で倒してくれくれ」


「マリアは、事前に俺とドムとライラに攻撃力上昇と。防御力上昇のバフとホーリーウェポンをくれると嬉しい」


 ライラが、あたしは自分で武器に、ホーリーウェポンをかけるからと言う。


 了解と、皆から返事が返ってきた。


「3体を倒したら、残り3体をマリアが魔法のホーリーレインで。まとめて倒した」


 ライラが何度か、骸骨戦士の攻撃がかすりダメージを受けたが、自分でヒールをかけたのとマリアがヒール飛ばして直していた。


 骸骨戦士の、剣の破片がフランの右目近くに刺さったが、マリアが素早く取り除きハイヒールを掛け、失明を免れるが皆がヒヤッとする。


 40体を倒したところで、フランは魔力温存のためマリアと素材解体やると言ったし、ドムは斧を交換してくると言っていったん下がったが。


 ドムはフランのアイテム袋(中)に入っている、交換用の斧を装備してすぐに戦闘に戻ってきて、ライラは自分のアイテム袋(中)で剣を交換している。


 70体を倒したところで、俺とドムとライラも素材の解体に加わる事にする。


 そして、全員がレベル37に上がった。


 地下19階への、階段を見つけたところで魔物がいないのを、確かめて武器の手入れをして、ホットドックとクラムチャウダーで軽めの昼食を食べる。

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