第36話ナス味噌炒めと新防具

焼肉パーティーを終えて、フランがポールに馬の尻尾亭に行って晩御飯はいらないと伝えてと頼みマリアに向かってこう言った。


「スラムに行って、今晩は焼肉パーティーにするからと言っておいて」


「わかったよ、あたいもスラムでねーちゃんを手伝おうと思ってたから」


「わしも、もう少し飲んだら道具屋によってからスラムにいく」


「私は。アームの付き添いで商業ギルドに行ってかからスラムにいくわ」


(僕は、ご主人様とフランのデートを邪魔しないようにどっか行ってましょうか)


バッ バカな事を言うな、変に意識したらどうするんだよ一緒についてこい。


商業ギルドに着くと3番窓口で、書類を貰ってフランと一緒にレシピを書き込んでレシピ登録書とギルドカードを提出した。


「後はこちらの審査員に、料理を作っていただき合否が決まります」


ならもう出来たものがありますと、アイテムボックス(小)からナス味噌炒めをだして受付嬢に渡したら奥に持って行ってしまった。


「フローリおばあ様から、お墨付きをもらってるんだから大丈夫よ」


暫くして受付嬢が帰ってくると、審査員が食べてとても美味しく合格だそうでこれで手続きは終了ですとギルドカードを返してくれた。


受付嬢さんに、ギルドカードにいくらぐらい入ってるんですかと聞くとカードに念じると見えますよと言われ。


念じてみると、残高白光貨5枚と白金貨2枚とでてあまりの金額に驚いたが受付嬢さんに金貨で320枚下ろしてもらった。


「防具屋に、行くけどついてくれるか」


「なんか、買ってくれるならいいわよ」


「ロムさん、防具買いにきました」


「そろそろ、来る頃かと思っていたぞ」


「レベル25に、なったんで防具も良い物にしようと思います」


「予算は、いくらぐらいなんだ」


「金貨300枚ぐらいで、お願いします」


うーんそれなら、動きが落ちない可動性の軽鎧が良いだろうな待っていろと言って奥の倉庫に入っていった。


暫くして、ロムさんが出てきて装備してみろと軽鎧を渡してきて俺は装備してみて5つの型からの素振りをする。


「馬子にも衣裳ね、アームにしては似合っているわ」


店の中で、素振りをするとは非常識な奴じゃが一旦装備を脱げ1時間程で微調節してやる。


「魔法耐性も、強度もレザーアーマーに比べて段違いだが金貨250枚でいい」


「あとこのエルフの、お嬢様に合った腕輪かなんか金貨50枚でないかな」


「馬鹿じゃないの、そんな高い物は貰えないわ」


「それじゃあ、さっき買ってもらったおまけで防御力20アップ腕輪なんてどうじゃ」


「それならいいわ、ありがたくいただくわ」


あと1時間どうすると、言うとフランはリョウと遊ぶそうで俺は鍛冶の見学をさせたもらった。


装備の調整を終え、リョウに先導されフランを連れてスラムに着くとマリアがライズさんとユリアの手助けをしている。


もう牛舎ができていて、乳牛が25頭入っていて外には羊が10匹いて15人の子供達がライズさんの指導のもと面倒をみていた。


小さな教会も建っていて、その横には大きな孤児院が作られていて2人のシスターが10歳未満のスラムの子供25人の世話をしている。


教会も孤児院も、フローリ様が教会の権限でいくつかの建物を格安の教会価格で買い取って改築したらしい。


「もう俺の、指導の下で乳牛からの搾乳もしているんだよ」


「牛乳も、アイテムボックス(小)を持っている商業ギルドの職員が買いに来てくれてるんだ」


「みんな頑張ってるんだよ、ねーちゃんもシスターになったしね」


「もう呼び捨てはできないな、シスターユリアの誕生だな」


シスターユリアには、大袈裟ですよと言われたが真新しいシスター服に身を包んでいるユリアは輝いて見えた。


あたいも食べたいし、シスターや子供達の為にナス味噌炒めを作ってよと頼まれたので。


孤児院の大きな台所で、マリアにも教えつつだがフランと俺で作ってはアイテムボックス(小)に入れていった。


そんな時、やっとドムがやってきたのでライズさんとシスターユリアと子供達と共にバーベキューの用意をやってもらう。


俺がアイテムボックス(小)から、ストロングブルの肉や野菜やキノコにエビやイカを出すと皆が網焼きをしやすいように下ごしらえをしていく。


バーベキュー始める前に、これを食べてくれとナス味噌炒めを皆に配ると一斉に食べてくれて美味しいと高評価だった。


「女神様と青いつばさに、感謝してバーベキューを楽しみましょう」


子供達とマリアは、ジュースでシスター達はブドウ酒を飲んでいてライズさんや俺達はエールを飲む。


昼も飲んでいたにかかわらず、ドムだけは相変わらず度数の高い酒を飲んでいてアルコール中毒にならないかと思ってしまう。


ストロングブルの肉は、好評であまりにも美味しいのでシスター達は子供達がこんな贅沢を知って良くないのではないかと心配していた。


「俺は、子供の頃から美味しいものを食べるのは良いことだと思います」


「また食べたいと思い、それに向かって頑張る気持ちが大事です」


「それに、この肉ぐらいでしたら俺達青いつばさがまた取ってきます」


シスター達は、俺の言葉に納得してくれて素直にまたお願いしますと言ってくれた。

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