第32話ポーションとホワイトウルフとEランク

 朝飯を早めに食べて、朝の素振りはパスして俺達は教会孤児院に来ていた。


 ドアのノッカーを叩くと、シスターリリーが出てきて中に通してくれて、お茶まで出してくれる。


「くず薬草を、300本買ってもらいにきたんです」


「はい、金貨9枚ですね」


「それはそうと、ポーション買いませんか」


 魔力回復用の、マジックポーションが金貨1枚と銀貨5枚で、ヒールポーション銀貨5枚でどうですかと勧めてきた。


「冒険者ギルドの、価格より安いし何個か買った方がいいわ」


 フランに言われて、マジックポーション6個とヒールポーション4個を買う事にして、マジックポーションはフランとマリアで分けて買ってもらった。


 ポーションの代金は、各自負担が当たり前だからパーティー貯金からは、出さないように言われたのでヒールポーションも、俺とドムとで分けて買う。


「合計金貨11枚の、お買い上げありがとうございます」


 他の4人のシスターもお礼を言ってきたが、2人新しい人が増えたんですねというと、スラムに作る孤児院に勤めるように修行中との事だった。


 1人は狐耳の獣人の、シスターさんで獣人の中でも魔力と聖の力が強くて、シスターに選ばれたらしい。


「それでも聖の力は、聖女候補のマリア様の半分にも満たないのですが」


「マリアお前って、すごい奴だったんだな」


「なにまじまじと見てるんだよ、ハッ まさか成長著しいあたいの体を」


「まてまてマセガキ、それ以上言うと俺がシスター達に誤解されて。浄化されかねん」


「冗談でも、頼むからそういう事言わないでくれ」


(ご主人様、フランさんが変な目で見てますよ)


 フランの方を向いて、俺は17歳以上で大人の女が好きなんだと言うと、何故か顔を赤らめて下を向いてしまった。


「アームよ、慌てるほど変に勘違いされるのじゃ」


「もっと、ドムのように堂々としておれ」


 いつの間にか、フローリ様が入って来ていてそう言って場を沈めたが、笑いをこらえているようだった。


「マリアも、聖女になるのだから変な冗談を言うでない」


「わかったよ、以後気を付けるよ」


 冒険者ギルドに着き、俺も1時間の走り込みに5つの型からの素振りのあと、ガルムさんとの実践訓練をおこなう。


 風呂から出ると、俺とドムは昼飯を食いに食堂に行くと、相変わらずリョウがフランとマリアに撫で繰り回されていた。


 席に着くと、料理を各自注文をしていたが俺は特製ステーキ定食にして、リョウには特製ステーキだけ注文する。


 掲示板から、薬草採取依頼8つとウルフ討伐依頼8つを剥ぎ取って、南の草原に向かう。


 南の草原に向かう途中で、門番にギルドカードを見せると、いってらっしゃいと言われた。


「今日もリョウは、魔物の警戒を重点に行いながら。ドムとマリアに薬草の場所を教えてくれ頼んだぞ」


 結果は2時間半で、依頼分と余剰分で約800本の薬草が取れ、その中で約100本がくず薬草でありそれらを、アイテムボックス(小)に収納した。


「リョウが先頭で索敵、ドムが前衛でフランとマリアが中衛で。俺がしんがりの後衛で進む」


 35匹を倒したところで、フランは魔力温存のためマリアと素材解体やると言ったし、ドムは斧を交換してくると言っていったん下がったが。


 ドムはフランの、アイテム袋(中)に入っている交換用の斧を、装備してすぐに戦闘に戻ってくる。


 55匹を倒したところで、俺とドムも素材の解体に加わろうといたところに、2匹の白いウルフが現れた。


「俺と、フランとドムで右の1匹をやる」


「左の1頭はリョウと、マリアのプロテクションで足止めしてくれ」


「マリアは、事前に俺とドムに攻撃力上昇のバフをくれると嬉しい」


 了解と、皆から返事が返ってきた。


「私は、ウィンドカッターで首を狙いつつ。アイスアローで目もねらうわ」


「わしは、ともかく首に一撃入れてみる」


「俺は、1の型から首を狙い5の型からの突きで口を狙ってみる」


 20分の激闘の末に、ドムの一撃が首に入り動きが鈍ったところで、フランのアイスアローが目にヒットし、俺の5の型突きが口に入り絶命させる。


 よしもう1頭を倒すぞと、思いリョウとマリアの方に向かおうとしたら、ホワイトウルフは逃げていくところだった。


「逃がしてやって、あいつ妊娠してるんだよ」


(ご主人様、確かにあのメスは妊娠しています)


「あのメスは、逃がすけどそれでいいか」


「私も、これ以上は魔力てきにもきついわ」


「わしも、それでいいと思う」


「じゃあ解体を、終えたらギルドに帰ろう」


 肝心のレベルはというと、皆がレベル20に上がっていた。


 帰りがけ門番にギルドカードを見せて冒険者ギルドに向かう。


 3番窓口に並び依頼の報告して、余剰分の薬草も売ると依頼報酬を含め、約銀貨700枚つまり金貨70枚近くの売上になった。


 均等分配で1人金貨17枚で、金貨2枚をパーティー貯金にする。


 ウルフの討伐依頼と、余剰分あわせて55匹の報告は受け付けてくれたが、ホワイトウルフ1匹も倒したと言ったら驚かれた。


 その場で、ホワイトウルフの討伐依頼書を書いて、討伐成功としておくね。


 それと、青いつばさメンバー全員がEランク昇格だからおめでとう。


「さすがは、この兎耳おねーさんが担当なだけはあるわ。異例のスピード出世よ」


 いつからお前が、担当になったと言わないでもないが、とにかくEランクになれたかと感慨深くもあった。


 新しい冒険者ギルドカードを、配布してくれてEランクのカードからは、お金を預けたり引き出したりできるようになったから、活用して頂戴ねと言われた。


 解体窓口のバランさんの所に行き、ウルフ55匹とホワイトウルフ1匹の解体素材を売りに来ましたと言うと、ウルフは1匹金貨2枚だよホワイトウルフは金貨200枚だ。


 ホワイトウルフは、1匹で金貨200枚なのですかと聞くと、滅多に出会えない魔物だから希少価値が高いんだよ、配分はどうすると聞かれたので、また均等分配でと答えた。


 金貨310枚なので、1人金貨77枚の分配で金貨2枚をパーティー貯金にした。

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