第30話アームとリョウの誕生日
朝起きるとリョウが、エルザさんとマリアに撫で繰り回されていた。
「おはよう、今日も早いね」
「おはよう、あたいはいつもは早いのさ」
「2人とも朝飯食べてきな、リョウはついてきな」
朝飯を食べに食堂に行くと、可愛い犬耳ウエイトレスさんが今日も元気に働いていた。
堅いパンと、野菜たっぷりのポトフを堪能しているとおはようとフランとドムに声をかけられる。
「アーム、今日の夜は用事を入れないでおいてね」
「なんか、わからんがわかったよ」
「鈍いわ」
「鈍いな」
「鈍いね」
なんか、酷い言われようだがまあいいか。
裏庭で5つの型からの、素振りをやっていると左でドムも素振りを始めていてリョウも前後左右に高速移動する訓練をしていた。
右ではエルザさんが、フランとマリアに体術の型の指導と体の使い方と組み手を教えている。
1時間の鍛錬を終え、俺とドムは冒険者ギルドにフランとマリアは教会孤児院に向かう。
俺も1時間の走り込みに、5つの型からの素振りのあとガルムさんとの実践訓練をおこなった。
風呂から出ると、俺とドムは昼飯を食いに食堂に行くとリョウがフランとマリアに撫で繰り回されている。
マリアが、屋台で食べたいと言うので掲示板から薬草採取依頼8つと大角ウサギ討伐依頼8つを剥ぎ取って皆で屋台通りに向かった。
ホットドックを、3つ買い1つをリョウに渡そうとしたらリョウが。
(僕だけ、ハンバーグ食べてないんですけどイジメですか)
悲しそうな念話が飛んできて、俺は慌ててアイテムボックス(小)からハンバーグを1皿だして違う違うこれ食べてと言った。
「あーそういえば、リョウだけ食べてなかったわね」
「可哀そうだな」
「アームってば、酷いんだー」
そんな中でリョウが、美味しそうに食べてるのを見てフランがこれ以上アームをせめては駄目よとたしなめてくれた。
「それよりも、狩にいきましょうね」
南の草原に向かう途中で、門番にギルドカードを見せるといってらっしゃいと言われた。
「今日もリョウは、魔物の警戒を重点に行いながらドムとマリアに薬草の場所を教えてくれ頼んだぞ」
結果は2時間半で、依頼分と余剰分で約800本の薬草が取れその中で約100本がくず薬草でありそれらをアイテムボックス(小)に収納した。
リョウの先導で、大角ウサギの群れに当たり討伐依頼に取り掛かる。
40羽を倒したところで、フランは魔力温存のためマリアと素材解体やると言ったしドムは斧を交換してくると言っていったん下がったが。
ドムはフランの、アイテム袋(中)に入っている交換用の斧を装備してすぐに戦闘に戻ってくる。
55羽を倒したところで、俺とドムも素材の解体に加わったがフランが自分達の食用にとあと3匹取ってきた。
肝心のレベルはというと、皆がレベル17に上がっている。
帰りがけ門番に、ギルドカードを見せて冒険者ギルドに向かう。
3番窓口に並び依頼の報告して、余剰分の薬草も売ると依頼報酬を含め約銀貨700枚つまり金貨70枚近くの売上になった。
均等分配で1人金貨17枚で、金貨2枚をパーティー貯金にする。
大角ウサギの討伐依頼と、余剰分あわせて55羽の報告は受け付けてくれ。
解体窓口のバランさん所に行き大角ウサギ55羽の解体素材を売りに来ましたと言うと1羽金貨2枚だよ配分はどうすると聞かれたのでまた均等分配でと答えた。
金貨110枚なので1人金貨27枚で、また金貨2枚をパーティー貯金にする。
「ここからは私が、仕切るわよスラムに行って焼肉パーティーよ」
フランがそういうと、マリアの案内で俺達はスラムの空き地に連れていかれたが冒険者ギルドの裏の訓練場の1.5倍ぐらいあり広々としていた。
焼肉のための網が並べてあり、フランがが俺に大角ウサギの肉を5羽ぶん出してとアイテムボックス(小)から持って行く。
ライズさんとユリアと15人の少年少女達が、酒やジュース運んだり肉や野菜を切ったりしてあっという間に焼肉パーティーの準備をしてしまう。
「ここでサプライズよ、アーム18歳の誕生日おめでとう」
「リョウも、本当は明日だけど今日一緒に祝うわね」
そうフランが言うと、ここにいるみんなが俺とリョウにお誕生日おめでとうと口々に祝いの言葉を述べてくれた。
「これはドムとあたいからの、ロムさんお勧めのプレゼントで額防具のハチガネ」
「こっちは、私が選んだリョウの首輪よ」
フランとドムとマリアがそれぞれの装備を装着してくれた。
(ご主人様、僕にもプレゼントがあるなんて感激です)
「俺も嬉しいが、リョウも喜んでいるよ」
「飲み物はエルザさんが、アーム達の為に用意してくれたんじゃ飲もう」
いつもは口数の少ないドムが、めずらしく俺に度数の高い酒を勧めてきたのでウォーターで薄めてチビチビと楽しんで飲む。
焼肉はというと、大角ウサギの肉は赤みだがジュウシーで冒険者ギルドの食堂で食べた特製ステーキによく似た味わいでとても美味しかった。
(似ているんじゃなくて、大角ウサギの肉が特製ステーキだったんですよ)
「なあこの肉、特製ステーキなのかな」
「そうよ、美味しいわよね」
「そうじゃな」
「今頃きがついたの、アームって味音痴なんだ」
酷い味音痴まで、言わなくてもと思ったがスラムのみんなが美味しそうに食べてるのを見て嬉しい気分になった。
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