第24話聖女候補マリアと女神の神託

 朝起きるとリョウが、エルザさんとフランに撫で繰り回されていた。


「おはよう、朝なのに暖かいですね」


「おはよう、もうすぐ7月だからね暑くなってくるさ」


(ご主人様は、7月1日が誕生日ですし僕は2日がそうです)


「俺は、7月1日で18歳になるらしいリョウは2日だそうだ」


「なんか、他人事みたいに言うのね」


「アームの、誕生日アピールはよく分かったよ。何か考えてやるから」


「2人とも朝飯食べてきな、リョウはついてきな」


 ドムがもう座っていて、可愛い狐耳ウエイトレスさんが料理を運んできてくれた。


 堅いパンと、ハムエッグとジャガイモゴロゴロスープで、卵が久しぶりに食べれて嬉しいかったのと、ジャガイモのホクホク感が美味しく食べられる。


 裏庭で5つの型からの、素振りをやっていると左でドムも素振りを始めていて、リョウも前後左右に高速移動する訓練をしていた。


 今日も右でエルザさんが、フランに体術の型の指導と体の使い方を教えている。


 1時間の鍛錬を終えて、俺達3人はリョウを先頭にフローリ様に会うために、教会孤児院に向かうことにした。


 孤児院のドアのノッカーを叩くと、シスターリリーが出てきて今日はこちら側でなく、教会側からお入りをと自ら先導して教会に案内してくれる。


 教会の中は外から見るより広く、奥に御神体がおかれていて側にフローリ様と、ヒーラー風の身なりをした少女がいた。


「きたかアームよ、この娘が仲間にして欲しいマリアだ」


「アームって、あのへっぽこ剣士かよ」


「お前は、あの時のやせぎす娘」


「なんじゃ、お前ら知り合いだったのか」


「積もる話は、後でせいまずは私の話を聞け」


「この娘は、シスターリリーがスラムに慰問に行った時に。ヒールに異常に反応してな」


「もしやと思い、ここに連れてきて聖の力を水晶で計ったら。聖女に近い数値がでたので聖女候補にした」


「だが聖女になるには、レベルを上げ回復魔法や聖の魔法を。もっと覚える必要がある」


「アーム達の、お荷物ならぬようシスターリリーに冒険者登録をさせレベル5まで上げさせ。ヒールとホーリーアローは覚えさせた」


 フローリ様は、何とかしてお前たちの仲間にしてくれないかと頼んだ後。


 たまには、女神アルナ様にお祈りしていけと言ったので、ここに居る皆が一斉に祈ると女神像が、だんだん光りだした。


〖アームにリョウよ、その娘マリアを必ず聖女に育て上げるのです〗


〖聖女になった、暁には使命伝える〗


 その声は、その場で祈っていた皆に聞こえてしまったようで、リョウが魔力が強すぎて声が駄々洩れですよ、女神様と言った。


「このフローリ、此処まで生きてきて初めて女神様のお声を拝聴いたしまして。仰せに従います」


「リリーも、身命をとしてでも期待に応えます」


 フランもドムも、驚いて何も言えない状態になっていたが、言いつけに従いますと首を垂れていた。


 そんな中で等のマリアは、あたいが本当に聖女になれるのと問いかけてきたので、俺とリョウが必ずして見せる自信をもてと答える。


 決まりじゃなとフローリ様が言って、マリアに青い宝石の付いた杖と鎖帷子を授け、フランにも赤い宝石の付いた杖と鎖帷子を授けた。


 両方とも、私の過去に使っていた杖だが強力なものじゃ、魔法の鎖帷子は軽いが強度はプレートメイルをも凌ぐ、服の下に必ずつけるように。


 あと教会の私物じゃが、アイテム袋(中)を無料で貸し出す、フランに預けるので活用するように言う。


「フローリ様、マリアも仲間の連携をとるために俺達の住む。馬の尻尾亭に宿取ってほしいのですが」


「いいだろう、エルザに体術でも仕込んでもらった後に9時から12時までは。フランにマリア共々に私が直々に教えるから覚悟しな」


 シスターリリーに、くず薬草230もあるんですがと言うとフローリ様が大丈夫だよと、金貨6枚と銀貨9枚即金でくれた。


 これでパーティー貯金は、金貨9枚と銀貨9枚になったので、鍛冶屋に買い物に行くことにする。


「マリア、私の事は気軽にフランと呼んでね」


「わしも、ドムでいい」


「俺も、アームでこいつはリョウ」


「あたいは、マリアで間違ってもやせぎす娘なんて呼んだら。ホーリーアローで浄化してやる」


「悪かった、昼飯をおごるから許してくれ」


 話してたら武器屋のロムスさんの所に着き、マリア用の素材解体ナイフをパーティー貯金から買ってもいいかと言ったら。


 フランとドムが同意したので、素材解体ナイフを5金貨で買って、包丁があったらおまけしてくれないかと頼んだ。


「この前のと会わせて、3本も買ってくれたんだ良いのを。まな板付きでつけとくよ」


 屑鉄屋のロムさんの所に行くと、フランが料理と言えば私よ任せてと交渉を始めた。


「野営の時に使う5人用の、鍋と軽いフライパンが欲しいの見せてほしいわ」


「奥に色々あるから、気が済むまで見ていくといい」


 鍋は、比較的に早く決まったようだがフライパンは、マリアを呼んで何個も振らせてみせて決めていた。


 料理番はリョウを除いて、全員が交代でやるものだ小さな手のマリアでも、使えるフライパンが必要だ。


「フライパンが2種類と、この鍋が欲しいのだけどいくらかしら」


「お嬢ちゃんは、道具のことがわかっているな金貨2枚でいい」


 お金を支払って店をでるときロムさんに、飲んでいくかと言われたがドム以外は、昼前から飲めるかと丁寧に断った。

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