第23話ブランデーと倒されたオーク
宿屋に戻って、エルザさんに今日あったこと報告するとよく生きて帰ったと褒めてくれた。
「さあ晩飯食べてきな、今日は1杯おごらせてもらうよ」
「リョウも大活躍だったね、裏でたんとお食べ」
食堂で3人で席に着いたら、可愛い猫耳ウエイトレスさんが料理と1杯の酒を運んできてくれた。
堅いパンとコーンスープとスペアリブが出て、軟骨もコリコリと食べられ食感がよく肉汁も美味しかった。
俺ならともかくフランも、手掴みたべていたのに少し驚いたがこれが一番美味しい食べ方よと言っていた。
ドムは酒が美味すぎると、どうしてももう1杯飲みたいと可愛い猫耳ウエイトレスさんに懇願していた。
「しょうがないね、怪我までして頑張ったそうだから出してやりな」
厨房の奥から、エルザさんがそう声をかけてきた。
酒は蒸留酒のブランデーに近いもので、度数がつよくまろやかな風味と微かな甘みと芳醇な香りをもつもので大変美味であった。
翌朝にギルドから使いが来て、オークが討伐されたのでなるべく早く解体倉庫で検分してくれとのことだった。
可愛い犬耳ウエイトレスさんが、運んできてくれた朝飯を急いで食べると3人と1匹で急いでギルドに向かった。
受付に声を掛けると、私も行くと兎耳受付嬢がついてきてくれることになった。
「バランいるー、はぐれオークの件でアーム達がきたよ」
「おう早かったな、倉庫にはいってくれ」
倉庫に入ると、作業台に1匹の大きなオークが横たわっていて検分してくれとのことだった。
首の傷が、致命傷との事だったが俺のつけた腹の刺し傷も確かに見覚えがあった。
(確かにあの時の、オークですね臭いで分かります)
「間違いありませんね、あの時のオークですね犬のリョウもそういってます」
「それなら間違いな、検分終了ありがとうな」
兎耳受付嬢が、緊急依頼も完了ってことで手続きしてくるねありがとうと言って出て行った。
いつの間にかガルムさんとルムルさんが、後ろにいてでかいオークだなと言ってどうやって逃げたのかの詳細を聞いてきた。
ちょっと早いがオークの倒し方を教えてやると、ガルムさんに連れていかれてドムも防御の特訓してやるとルムルさん連れていかれた。
激しい訓練を終え風呂に入って出てくると、明日は孤児院に行くそうだなポールが伝えてきた訓練は休みだルムルにも話しておく。
食堂に行くとフランが、すでに座っていてリョウなら余程混んでない限り断らなくても大丈夫だそうよと言ってくれた。
特製ステーキ定食をたのむと、リョウが特製ステーキを食べてみたいと言うので料理単品で頼んでやった。
「よほど気に行ってるのね、昼からボリューム満点だわ」
「俺は、育ち盛りだからな」
「あら奇遇ね、私もなのよ」
「エルフ的には、17歳で育ちきるんだろ」
と言ってちらっと、上半身を見たら腕をつねられた。
「後ろからの、攻撃に気を付けることね」
ドムは我関せず言うように、肉の煮込み定食を食べていて酒が飲みたいなとつぶやいていた。
ギルド掲示板から、薬草採取依頼書を6枚剥がして途中で門番にギルドカード見せて南の草原に向かった。
「今日はリョウは、魔物の警戒を重点に行いながらドムに薬草の場所を教えてくれ頼んだぞ」
結果は2時間半で、依頼分と余剰分で約570本の薬草が取れその中で約70本がくず薬草でありそれらをアイテムボックス(小)に収納した。
今回もフランがドムに僅差で勝ちはしたが、ドヤ顔などはせず皆と一緒に魔物の警戒に勤めていた。
昨日の恐怖は、オークが倒されたと言ってもすぐには消えないものである。
帰りがけ門番に、ギルドカードを見せて冒険者ギルドに向かった。
3番窓口に並び依頼の報告して、余剰分の薬草も売ると依頼報酬を含め約銀貨500枚つまり金貨50枚近くの売上になった。
均等分配で1人金貨16枚で、金貨2枚をパーティー貯金にした。
俺達は座学講習には行かず、解体窓口のバランさんに頼んで最初から素材解体の練習させてもらえることになった。
「今日は角ウサギだけじゃなく、大角ウサギの解体も教えてやるからな」
「よろしくお願いします」
角ウサギや大角ウサギの解体を何体かバランさんの指導のもと、交代でやらせてもらったがドムやフランの手さばきは俺より様になっていた。
宿屋に戻ってエルザさんに、今日の出来事を報告したら早く晩飯食べてきなと言ってリョウを連れて奥に行ってしまった。
可愛い狐耳ウエイトレスさんが、食事を運んできてくれたらドムが度数の高い酒を別料金で注文していた。
堅いパンとクラムチャウダースープと肉野菜炒めでシャキシャキとした触感で美味しかった。
「フランの、解体用ナイフって高級そうだよな」
「おばあ様に、いただいたの素材解体も冒険者の基本だよって」
「ありゃ、ミスリルナイフだとわしはみた」
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