第22話はぐれオーク
朝飯を食べに食堂に行くと、可愛い犬耳ウエイトレスさんが今日も元気に働いていた。
堅いパンと、野菜たっぷりのポトフを堪能していると横からおはようとフランに声をかけられた。
なんでこんな朝早くからいるのと、聞いたらお母様がエルザの所なら安心だから早く行ってきなさいと言われたそうだ。
エルザさんとフローラさんは、昔5人パーティーの仲間でフローラさんは訓練教官もやっているが唯一の現役冒険者との事だった。
ドムがやってきて、俺とフランに挨拶をすると急いで朝飯を食べていた。
裏庭で5つの型からの素振りをやっていると、左でドムも素振りを始めていてリョウも前後左右に高速移動する訓練をしていた。
驚いたのは右でエルザさんが、フランに体術の型の指導と体の使い方を教えていた。
「どこぞの狼に、襲われないように私の弟子にするんだよ」
「何故に、俺の方を見て言うんですか」
「勘違いするんじゃないよ、お前みたいな子犬ちゃんの事じゃないよ」
(良かったですねご主人様、僕の仲間だったみたいです)
やかましわ!
1時間の鍛錬を終え、冒険者ギルドに着いてお茶をしたあとフランは1時間の走り込みの後フローラさんに魔法の指導を受けるそうだ。
俺も1時間の走り込みに、5つの型からの素振りのあとガルムさんとの実践訓練をおこなって医務室送りにされた。
風呂から出ると俺とドムは昼飯を食いに、食堂に行くとリョウがフランに撫で繰り回されていた。
「リョウちゃんは、可愛いけど毛並みもきれいよね」
「たまに、洗ってあげてるのかな」
まあそんなところだなと、ごまかしたが洗ってやった記憶がない。
(獣人ウエイトレスさんたちに、お風呂で洗ってもらってるんですよ)
何それ本当の事なら クッ うらやま!
外で食べようと言って、掲示板から薬草採取依頼を6枚剝ぎ取って冒険者ギルドを出た。
俺は屋台通りに着くと、ホットドック3本を買って1本をリョウにたべさせた。
フランは、イカ焼きと焼き魚注文していてドムは予想通り肉の串焼きを何本も注文していた。
門番にギルドカードを見せ、さあ稼ぐかと草原に向かったが今日はドムに勝つとフランが意気込んでいた。
「リョウは、魔物の警戒を行いながらドムに薬草の場所を教えてくれ頼んだぞ」
結果は2時間半で、依頼分と余剰分で約600本の薬草が取れその中で約80本がくず薬草でありそれらをアイテムボックス(小)に収納した。
今回はフランがドムに僅差で勝ち、エルフは森の民で薬草採取で負けることは無いとドヤ顔をしていた。
昨日はドムに僅差で負けてたくせにと思った瞬間、リョウが突然吠えうなりだした。
(大型の魔物が、急速に接近してきておそらくオークで数は1です)
「皆、オークが来るぞ戦闘態勢をとれできれば逃げるぞ」
しかし接近が早過ぎた、ドムが武器を構えた瞬間にオークのこん棒で弾き飛ばされ3回転した。
フランが、ファイヤーボールを放っったが多少の足止めにしかならないレベル差があり過ぎるのだ。
ドムにヒールを掛けてくれと言って、オークの全面で5の型を構え向かい打とうとしたところリョウが前に出て前後左右に高速移動しだした。
それを見てオークが、目標を定められずひるんだのを見てフランがアイスウォールで足を凍らせヒールで回復したドムがソイルで土を目にぶつけた。
俺は溜めていた気を放ち、5の型の必殺の突きを繰り出したが剣が3分の1刺さったところで止まってしまって苦しんではいるが致命傷ではない。
「ダメだレベル差があり過ぎる、今のうちにフランを先頭に逃げるぞ」
「わかったわ」
「ドムは、走れるか」
「ヒールの、おかげで何とか」
(僕が、死んでも皆を逃がすよ)
駄目だお前を含めて、誰一人死なせないぞその短い脚でしっかりと走れ。
門番に、ギルドカード見せ南の草原の浅いところにオークが出たと伝えたころには皆へとへとになっていた。
疲れてるとこ悪いが、ギルドに行かねばならない重い装備は俺のアイテムボックス(小)入れて持っていく。
ギルドに着き倒れながらも、緊急報告がありますと言うと兎耳受付嬢が駆けつけてきてくれた。
「南の草原の浅いところに、オークが出て戦いましたがかなわず逃げてきました」
兎耳受付嬢はそれを聞いて、青色の依頼書に即座に内容を書き込み掲示板に貼って。
「魔物ははぐれオークでランクC以上とみられる、そことそこのパーティーが向かって緊急依頼だから報酬は5倍よ」
こりゃ飲んでる場合じゃねえな、皆いくぞと言うと2つのパーティーが次々と出かけていった。
俺達は暫く休んで、3番窓口に並び依頼の報告して余剰分の薬草も売ると依頼報酬を含め約銀貨520枚つまり金貨52枚近くの売上になった。
均等分配で1人金貨17枚で、金貨1枚をパーティー貯金にした。
座学講習であまりにフランとドムが魔物解体について、質問攻めにするので解体窓口のバランの所に行って直接学べと言われてしまった。
バランさんの所に行くと、はぐれオークから逃げ帰ったばかりでもう解体の勉強したいとは肝っ玉の太い奴らだと笑われてしまった。
角ウサギの解体を何体かバランさんの指導のもと、交代でやらせてもらったがフランの手に持つ解体用のナイフは俺たちのより高級そうだった。
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