第21話エルフのフラン

食堂で待っていたのは、意外な人物でフローリ様かと思ったがどことなく違った。


「貴方がアームね、ドワーフと犬を連れていて直ぐわかったわ」


「私は名前はフランで、17歳のエルフで賢者見習いでレベル8でヒールも使える」


「フローリおばあ様から、貴方の仲間になるように言われて来たわ」


「俺はアームで、17歳で人間のレベル5の剣士でティマーでもあり犬のリョウの主人だ」


「わしはドムでアームの奴隷で、49歳のドワーフでレベル6の戦士だが罠解除もできる」


まあ立ち話もなんだから、食事でもしながら話そうと言って座らせてウエイトレスさんに犬も一緒でいいですかと尋ねるといいよーと返事された。


特製ステーキが美味いんだよと勧めたら、ドムもフランもそれがいいと言うので特製ステーキ定食3つとリョウ用にスペアリブを頼んだ。


フランは冒険者登録は済んでいて、Gランクで魔法の訓練教官フローラお母さんから魔法の指導を受けているそうだ。


フローリ様と違ってフローラさんは、回復術はヒールまでしか使えないが魔法の実力はギルド1と言っても過言ではないとの事だった。


「このお肉柔らかいのに、嚙むとジューシーで美味しいわ」


「わしもステーキなど、久しぶりに食べたが筋もなく食べやすい」


2人が美味しそうに食べてるのをみると、こちらまでうれしくなってしまった。


その時ポールが声をかけてきて、フローリ様が面白い人材を見つけたから鍛えるのでレベル上げをまってほしいし3日後に教会孤児院にきてほしいそうだ。


俺はポールの分の特製ステーキ定食を、追加注文すると食べて行けと言ったあとフランとドムに話し掛けた。


「フローリ様は、間違った事は言わない方だから3日間は薬草採取とギルドの座学講習で行こうと思う」


「私も、おばあ様とアームの考えに従います」


「わしも、皆の考えと同じだ」


ギルド掲示板から、薬草採取の依頼を6枚剥がして食堂の席に戻った。


皆でお茶をのみポールが、ステーキを食べ終わるのを待ってギルドを出て南の草原に向かった。


途中で門番にギルドカードを見せると、珍しくパーティーで行くのかい頑張ってなと励まされてしまった。


「リョウに、魔物の警戒を行いながら2人に薬草の場所を教えられるかと聞くと」


「ワン」と吠えて頷いた。


「大丈夫なようだな、リョウは言葉を理解することができるので覚えておいてくれ」


「私は植物を愛し植物に愛される、エルフよ薬草採取などお手のもの手助けはいらないわ」


結果は2時間半で、依頼分と余剰分で約570本の薬草が取れその中で約70本がくず薬草でありそれらをアイテムボックス(小)に収納した。


フランはドムに僅差で負けたが、リョウの手助け無しでここまでやるとは流石エルフである。


帰りは顔パスでいいよと門番に言われたが、パーティーでは初日なので一応皆ギルドカードを見せて通った。


ギルドによって3番窓口に行くと、兎耳受付嬢はボッチだったアームに友達が出来ておねーさんは嬉しいとのたまう。


依頼の報告して余剰分の薬草も売ると依頼報酬を含め約銀貨500枚つまり金貨50枚近くの売上になった。


「パーティー報酬の、分配はどうするの」


「均等で、お願いします」


割り切れないから一人金貨16枚渡され、余った金貨2枚はパーティーの貯金として俺が預かった。


フランは1番多く採取したアームが、もっと報酬を取るべきだと言いドムは奴隷への報酬が多すぎると言った。


だが俺は、これからの討伐依頼では皆が協力して倒していくのであり報酬の分配はいまから均等にしたいと思うと念を押した。


その代わりに俺がリーダーをやるのと、孤児院でのくず薬草の売り上げはパーティー貯金にしたいと言った。


「私はアームが、リーダーで異存はないわ」


「わしもリーダーはアームと、決めているがパーティー貯金がなんなのかはわかっていない」


「パーティー貯金とは、野営用の調理器具や食器の購入やパーティー共同で必要な物を買うための貯金だよ」


「それとフランは、仲間の連携をとるために俺達の住む馬の尻尾亭に明日にでも宿取ってほしい」


「わかったわ、お母様と相談してみるわ」


お茶を飲んで時間になったので、座学講習の部屋に入りギルドカードを教官に見せ席に着いた。


長めの講習が終わる頃には、皆疲れ果てていたが何故かフランとドムは魔物解体についてしつこく質問していた。


フランと別れて宿屋に帰ると、エルザさんにフローリ様から使いが来て色々聞いたよと言われ晩飯食べてきなとせかされた。


(ご主人様、孤児院の子供連絡網って侮れませんね)


エルザさんに、連れていかれるリョウを横目に見ながら食堂に入ると。


可愛い猫耳ウエイトレスさんが運んできた晩飯は堅いパンとクラムチャウダースープと肉の煮込みと豪勢だった。


「アーム、わしは酒が飲みたいのだが頼んでもよいか」


「自分で稼いだ金なのだから、これからは俺にことわらずに注文していいよ」


そういうとエールより、度数の高い酒を注文して飲み始めた。

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