第19話パスタとドムの装備
「アームよ、威厳を出して腹が減ってしまったようじゃのうエルザ」
「あたしも、大幅な値引き交渉でお腹がねえフローリ様」
「わかりましたわかりました、お嬢様方を含め皆にお昼を御馳走します」
「この近くに、食べたことは無いんだけど噂で面白い食べ物を出す店があるんで。僕が案内します」
ポールが、案内してくれた店に着いて席に座ると、ウエイトレスさんがおすすめは麺料理ですよと言ってきた。
「では麺料理を、人数分お願いしますし外の犬にも。食べさせてやってください」
運ばれてきた料理は、パスタに似ていて平麺にホワイトソースが、程よく絡まって美味で小さな肉の塩気が、味を引き立たせていた。
「私も永いこと生きてきたが、こんな美味いものは食べたことが無い」
フローリ様そう言うと、一生懸命に食べていた皆が頷きエルザさんは、今度はコックのジムさんと獣人ウエイトレス達を、連れてくると言っていた。
食事代を払った後に、俺はドムの装備を買いに行くからと、フローリ様達とエルザさんにお礼を言って別れた。
リョウに、屑鉄屋のロムさんの所まで、連れていってくれと頼み後に続いた。
「ロムさん、いらっしゃりますかー」
「そんな大声で、よばんとも聞こえるわい」
「なんだアームじゃないか、装備の調整にでも来たのか」
「いえ仲間の、装備を買いにきましてドムもロムさんに挨拶して」
「名前はドムで、レベル6で49歳の若輩者です」
レベル6で49歳って、人生の大先輩者ないか思ったが俺は精神年齢じじーだからまあいいかと思った。
(精神年齢だけは、ご主人様の圧勝ですねおめでとうございます)
「同朋とはいえ、がきんちょではないか」
「左手のあざをみて奴隷なのかと、ちょっと嫌な顔をアームに向けた」
命を助けたことから、今までの経緯を全て説明するとロムさんは、打って変わってよくやってくれたと涙を流した。
ドムにしろロムさんしろ、ドワーフって涙もろいなのかと思ってしまった。
「予算金貨50枚で、ドムの服と防具を見繕って下さい」
「待っておれ、倉庫に良い物があったはずじゃ」
「ご主人様、そんな高価な防具などいただけません」
「ドムよ二度と、ご主人様と呼ぶなアームと呼び捨てでいい。これは厳命だからな」
暫くすると、ロムさんが小さな袋を持ってきて、中から新品の服や装備を取り出した。
「まずは奥で、服を着替えてきな」
「それはアイテム袋ですか、けっこう高額と聞きましたがいくらぐらいなのですか」
「これは正確に言うと、アイテム袋(小)で3畳ほどの容量で値段は白光貨3枚で。入っている物の時は止められない」
「アイテム袋(中)は、10畳ほどの容量で値段は白光貨6枚で。同じく時間は止められない」
「値は高いが、薬草屋と呼ばれるアームならいづれ買えるだろう」
「誰から、聞いたのですかその不名誉な二つ名を」
「ここに来る冒険者からじゃが、悪いことばかりじゃない」
「孤児院にくず薬草を納める、優しい冒険者とも言われているのだよ」
ロムさんと話していると、新品の服に身を包み小奇麗になった、ドムが帰ってきた。
「軽鎧と兜と小手を、装備してみな少しは格好良く見えるぞ」
フル装備で斧を持つと、どこから見てもいっぱしの、ドワーフ戦士にしか見えなかった。
よし金貨40枚でどうだ、あとは向かいの武器やで素材解体用のナイフを、2本買って戻って来い。
アイテムボックス(小)から、お金を取り出し支払うと向かいの武器屋に向かった。
「ロムさんの、紹介で解体用のナイフ2本買いにきました」
「親父の紹介なら、下手なもんは売れないな2本で金貨10枚だ」
金貨を支払いロムさんの所へ戻ると、大きなビンとコップが4つ出されて、まあ飲めと言われて横を見ると、武器屋のドワーフも参加していた。
そいつは、わしの息子のロムスじゃ、いい売り上げにもなったし皆で少し飲もう。
俺はウイスキーストレートはきついので、ウォーターで薄めて飲んでいるが、ドワーフ3人は原液を平気で飲んでいた。
暫く飲んだ後、馬の尻尾亭に戻ってエルザさんに、ドムもこの宿で部屋を借りると言ったら、一泊で銀貨2枚と銅貨5枚にまけてくれるそうだ。
取り合えづ、10泊分の銀貨25枚をエルザさんに支払った。
「2人とも晩飯食べてきな、リョウはついてきな」
食堂に行くと、可愛い猫耳ウエイトレスが今日も元気に働いていて、直ぐに食事を運んで来てくれた。
堅いパンと、肉の煮込みスープが肉が相変わらず美味しかった。
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