第14話ダインさんとの再会

 ギルドに戻り、空いている3番窓口に向かうと兎耳受付嬢が、やっぱりおねーさんの所に来ちゃうんだと、いつものようにのたまう。


 依頼の報告して、余剰分の薬草も売ると依頼報酬を含め、約銀貨170枚つまり金貨17枚近くの売上になった。


「あら珍しいわね、いつも200本持ってくるのに170本なんて」


「今日は、色々あったんだよ詮索しないでくれよな」


「まあ大人のおねーさんの、あたしはそんなことしないわよ」


「はい、金貨17枚」


「初日とあわせて、16日間と今日の働きで金貨367枚か。ひと財産ね」


「稼ぎ過ぎて、あなた薬草屋って言われて。やっかまれてるから気をつけなさいよ」


 いつの間にか、なんか変な2つ名がついてて怖いんですけど、薬草ばっかり採ってたら薬草屋なんて言われても仕方ないか、ボロ儲けしてるなんて思われてんだろうな。


「でもエルザさんの紹介と、いうのが効いているから大丈夫ね。あの時ダインさんと知り合いと言ってたわね。人気あるのよあの人」


 ダインさんか、確かに良い人だったよな、そろそろお礼に行ってみようか、お土産なんかも持って行かないとな。


 エルザさんとが知り合いだし、聞いてみようかと宿屋に戻った。


「あいつに土産かい、ちょっと待ってな」


 奥に引っ込んで行ったが、暫くすると大きなビンを持ってきてこう言った。


「この酒が好みさ、これ渡して晩飯ぐらいおごっとけば。上機嫌だよ」


「いくらですか払います」


「金貨1枚いや銀貨3枚に負けとくよ、ただしダインが私の悪口でも言ったら一発殴っときな」


 そんなこと、出来るわけないじゃないと思いつつ銀貨3枚を手渡した。


 警備隊の詰め所の場所も、ギルドの座学講習で勉強していたので迷わずついたら。


 女子隊員にダインさんに、会いたいのですかと言うと丁度いるから、ちょっと待っててねと言われた。


 あっ 出てきたと見たとき女性隊員を口説こうとして、思いっ切り頬を引っ張たかれているこうけいがみえる。


「アーム、久しぶりじゃないか元気にしていたか」


 と言う彼の頬には、真っ赤な紅葉型の手形がついていて、痛そうであった。


「ご無沙汰してます、これお土産ですが晩飯も一緒にどうですかおごります」


「これ俺の好きな酒じゃないか、さてはエルザに聞いたのかな晩飯もいいぞ。ちょっとそこに座って待っててくれ」


「もうすぐ勤務終了ですからね、あの人スケベじゃなければ良い人なんですよ」


 さっき華麗な平手打ちを披露してくれた、女性隊員がそう言いってお茶を運んできてくれる。


 暫くお茶を飲みながら待っていると、ダインさんが出てきて店は選ばせてくれるんだよなと、上機嫌で歩き出した。


 女の子多い店かと、思いきや連れていかれたのは、意外と普通の居酒屋だったので。


 リョウは、店の奥で女将さんが料理を食べさせてくれると、言うことで連れていかれる。


 この店は、ちょっと変わった串焼きが、美味いんだよと出てきた料理は、紛れもなく焼き鳥だった。


 甘辛いタレとマッチしいい味を出してるし、色々な部位の肉と冷えたエールを一緒飲むと、とてつもなく美味い。


「今日の土産を見ると、エルザとは仲良くやっているようだな」


「エルザさんの、手のひらで転がされている毎日ですよ」


「今ギルドでは、どんな仕事してるんだい」


「薬草採取依頼を、受けて毎日200本ぐらい売っています」


「ボロ儲けじゃないか、それより何故そんなに採取できるんだい」


「それは言えないんですが、悪い事はしてないですよ」


「それはそうとその丸盾、俺のと一緒だがガルムに剣を教わっているのか」


「はいガルムさんを、知っているんですか」


「昔5人パーティーを、組んでてなアームとは兄弟弟子だな」


 そう言うと暫く談笑して、少し酔いが回った頃店を出た。

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