第13話謎の少女

 朝の5つの型からの素振りを1時間、ガルムさんの指導で走るのを1時間そして5つの型からの素振りを2時間、薬草の依頼を受けての採取2時間半、GからDランクの座学講習を約2時間


 以上のことを18日間繰り返した頃。


 その間2日だけ7日に1度の休日は取ったのだが、やることもなく自主練習に励んでしまったのは内緒。


 今日の練習は、ここまでと言われガルムさんから話があった。


「俺の見たところ、5つの型からの素振りも。ブレがなくなった」


「よく、この短期間で習得したな頑張ったな偉いぞ」


「明日からは、刃引きの切れない剣を使っての。実践訓練の段階に入ろうと思う」


「はい、よろしくお願いします」


 そしてゆっくり風呂に入ると、ガルムさんは用事があるからと、何処かに行ってしまった。


 ギルドの食堂で食べるかと、ウエイトレスさんに犬も一緒でもいいですかと聞くと、今日も空いてるからいいですよと言われる。


 肉が無性に食いたかったので、俺は特製ステーキとスープでリョウにはスペアリブを頼んだ。


 赤みの肉だが、柔らかく筋もない美味しいステーキで、スープは普通のコーンスープだった。


 ギルド掲示板から、いつものように薬草採取の依頼を、2枚剥がして目的地へ向かう。


 門番に、ギルドカード見せて町の外に出る。


 南の草原に着いたら、リョウに魔物の警戒を頼んだ。


 俺は鑑定を使い、薬草の採取を順調に進め2時間半で、依頼分と余剰分で230本の薬草が取れ、その中で約30本がくず薬草でありそれらを、アイテムボックス(小)に収納する。


(ご主人様、魔物が近づいてきます)


「じゃあ、とっとと逃げるか」


(近くに、人間の子供もいるんですが)


 まわりを見渡すと、女の子が一人薬草を探しているようであった。


 一瞬だが魔物と、戦おうととも思い身構えたが、俺もリョウもレベル1だからまだ戦えない。


「魔物がくる、逃げるぞ」


 あわあわしてる少女を、無理やり小脇に抱えて脱兎のごとく、町に向かって走り出す。


 走る訓練はしていたが、フル装備で小さいとはいえ子供を抱えて、町まで帰ってくるのは流石にしんどかった。


「助けてくれたのは、感謝するけどいつまで触ってるの。おろせエロおやじ」


 なんて口が悪いガキなんだと、思いながらも急いでこのお嬢さまを、地上に降ろして差し上げた。


(ご主人様って、ロリコンだったのか感慨深いな)


 そんなわけあるか、ボンキュッボンのナイスバディが、好みだぞなかなか出会えないけれど。


「ませガキが俺は、エロおやじではないぞ17歳のおにーさんだぞ」


「それはそうと、何で子供一人で薬草採りなんてしてたんだよ。危険だろ」


「貧乏なんだよ、薬草を売ったお金でたまには。肉を食べてみたくなって」


「いっちょ前に剣を差してる、冒険者さんの近くなら平気だと思ったんですよ。逃げたけどね」


 レベル1だから当たっているのだが、面と向かって言われるとなんか、俺の繊細な心が傷つくな。


「薬草は、何本必要なんだ」


「5本ぐらいあれば、当分の間は我慢できるんだけど」


「ほれ15本渡すから、あの南の草原には危険だから行くなよ」


「でも、あたいは払えるお金ないよ、ハッ まさか体で払えと言うのでは」


「誰が、そんなやせぎすの体なんて要求するか」


「金は出世払いでいいから、でもまともな方法で稼ぐことな。お前なんか危ないから」


「失礼なあたいだって、常識ぐらいあるよ」


「あたいの、名前はマリアあんたの名前を聞いておかないと。支払いにいけないんだけど」


「俺はアーム、冒険者ギルドで聞くか宿屋の馬の尻尾亭で聞けばわかる」


 そういうとマリアは、ぺこりと頭を下げて町の奥にに行ってしまった。


(ご主人様は先行投資型なのですね、でもあの娘がボンキュッボンなるとは限りませんよ)


 ボンキュッボンもいいが、本当を言うとささやかなおねーさんのも好きなのさ。

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