第12話座学講習と7日に1度の休日

ギルド掲示板から薬草依頼を2つ剥がすと、昼飯を食べるために屋台通りに向かった。


ホットドックをドックが食うなんて、、、くくく。


(まだその壊滅的なギャグを、言うの直ってなかったんですか)


とりあえずリョウの分は、カラシを抜いてもらい自分の分と合わせて3本食べた。


いつもの堅いパンより、幾分柔らかかったので食べやすくソーセージのジューシーな肉汁の味にも満足した。


南の草原につくと、リョウに魔物の警戒をまかせつつ薬草の採取に取り掛かった。


鑑定を使い薬草は取り放題だったが、兎耳受付嬢の言葉を思い出して採り過ぎず何本かに1本は残しつつ採取した。


2時間半で依頼分と余剰分で230本の薬草が取れ、その中で約30本がくず薬草でありそれらをアイテムボックス(小)に収納した。


くず薬草は90本貯まったら、教会孤児院に売りに行こうと思った。


時折リョウから、魔物の接近の報告がありその場から逃げて離れてやり過ごした。


ギルドに戻って依頼報告しようとすると、何故か3番窓口が空いていて並ぶことにした。


順番がきて兎耳受付嬢と目が合うと、やっぱりおねーさんの所に来てしまうのねとのたまわった。


「いつも、空いてるようだが嫌われてるのか」


「失礼な仕事が早いからすぐはけるだけよ、私が嫌われるなんてあるわけないじゃない」


「何せ私はギルドの上級職員なのよ、只の職員とは違うのだよ只の職員とは」


じゃあその腕のほどを見せてもらおう、依頼分と含めて200本分の薬草を積み上げて見せた。


この前とは違って驚かず、テキパキと薬草を数えて200銀貨の売り上げになりますと言ってきた。


実力はあるんだよなこの人、性格がちょっと変わってるだけで美人だしな。


「金貨で、受け取りたいのだけど」


「はい、金貨20枚どうぞ」


受け取って去ろうとすると、ちょっと良い話があるんだけどと引き留められた。


30分後に、GからDランク冒険者ようの座学の講習が2階の会議室であるんだけど参加しなさいと勧められた。


「ギルドカード見せれば、無料だから頑張ってね」


お茶をのみ時間を潰した後、2階のGランクと張り紙のあるドアから入るとギルド職員の制服を着た講師らしき人にカードを見せて空いてる席についた。


俺以外には、7人程度の冒険者が席につき講習が始まるのを待っていた。


薬草の見分け方から始まり、GランクのだけでなくFとEとDの魔物の種類や習性などやこの国と町の簡単な歴史まで教えてくれた。


魔物の種類ではスライム、角ウサギ、大角ウサギ、ゴブリン、スケルトン、ゾンビ、ウルフ、コボルド、ストロングブル、オークなどの習性もなどもわかった。


そしてこれは大事なことだが、冒険者同士はリーダーが敵にわからないように敬語はもとより呼び捨てで話すようにと話があった。


この町は、フランド国のグランという町でダンジョンが近くにあるので冒険者が多いのだった。


ダンジョン産の素材は、高値で取引されるので人気があるとのだそうだ。


だが22階層までしか、まだわかってなく未踏破であるとの事だった。


素振りをし始めたばかりの俺には、ダンジョンなんて夢のまた夢のような話だ。


長めの講習が終わったころには、皆疲れ果てていたが講習は毎日やっているので何回参加しても良いと言ってもらった。


7日に1度の休みを、普通は取るとの事だが冒険者ギルドは年中無休で職員は交代で休みを取ってるそうだ。


冒険者ギルドを出て、宿屋に戻ってエルザさんに今日あったことを話して風呂にも入ったんだよと言うと。


「裏庭に小さな小屋があるだろ、あれが風呂だよアームがなかなか言わないからバッチイ奴かと思ってたよ」


ここにも小学生みたいなことを言う人がいた、宿屋にも風呂があったなんて盲点だったな。


着替えやタオルは、ギルドの購買所が品揃えもいいし安いから自分で買うといいよと言われた。


「晩飯食べておいで、リョウはこっちに来るんだよ」


食堂に行くと可愛い猫耳ウエイトレスさんがいなくて、代わりに可愛い狐耳ウエイトレスさんが給仕していた。


堅いパンとコーンスープと骨付き肉がでてきた。


肉は骨付きが1番美味いって本当だな、昔食べた骨付きカルビを思い出していた。


食事を終えて裏庭に出てみると、エルザさんとリョウが遊んでる。


いやよく見ると右に左に、激しく移動していてこれは訓練だ。


「エルザさん、これは訓練してくれるのですか」


「ちょっと遊んでたら、熱がはいっちまてね名犬だねこいつは」


「ちょっと聞きたいのですが、猫耳ウエイトレスさんは辞めたのですか」


「ガクッ 聞きたいのはそっちかい、7日に1度の休みを取っただけだよ安心しな」


「ただし、獣人ウエイトレスたちは2日休むこともあるけどね」


宿屋は完全に休めないから、交代で休んでるんだよとの事だった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る