第8話教会孤児院とエルフ

 裏庭で素振りし、早めの朝飯を食べた。


 パンを、スープに浸して食べていると犬耳ウエイトレスさんに。


「僕、食べ方がとても上手くなったわよ」


 と耳元でささやかれ、何故か顔が赤くなってしまった。


 今日は、昨日言われた通りに教会孤児院に行くつもりだ。


 エルザさんに、目的地までの地図を書いてもらい、リョウと歩いているのだがわかりにくい。


 迷ったら高い塔を、めざしたらいいと言われて目怒らして探していると、遠くにそれらしきものを発見した。


 近寄って塔を、見上げてみると鐘のようなものが、付いていた間違いなく教会だな


 横に大きな建物があり、これが孤児院だろうと思い入口らしい、扉のノッカーを叩いた。


 暫くすると中から、25歳ぐらいの美人シスターさんが出てきた眼福です。


(ご主人様、鼻の下が伸びてますよ。)


 だってこの世界、美形の女性が多すぎるんですもん。


「ここは、孤児院ですけどどの様な御用件ですか」


「おれはアームと言い、冒険者ギルドの張り紙を見て。薬草を売りにきました」


 シスターの顔が、ぱあーと明るくなり奥に案内してくれた。


 建物は古いが、よく掃除がしてあるようで清潔感がかんじられる。


 色々な種族の大勢の子供たちが、2人のシスターとなにやら色々な作業をしていたが、何人かが俺に近づいてきた。


「ポーションを、買ってくれた迷子で田舎者の。にーちゃんじゃないか」


「こら、お客様に田舎者とか失礼ですよ」


 そこ突っ込んじゃうの、シスターあなたも失礼なきがしますよ。


「お前たち、孤児院の子だったのかあの時は色々とありがとうな」


「にーちゃん、冒険者なれたみたいだな相変わらず弱そうだけど」


「うんなんか、魔物に一発でやられそうなので逃げ回っていそう」


 悔しいが反論できないな、レベル1のへっぽこ剣士だし実際逃げてるしな、子供たちと話していると横からもじもじしながら、シスターが話し掛けてきた。


「あのーそれで、くず薬草は何本ぐらい買わせていただけるのでしょうか」


「ああ、そのテーブル上にだしますね」


「全部で52本ですよ、お確かめください」


 テーブル出した、くず薬草の量を見てシスターが、目を丸くしていた。


「少なかったですか」


「いえ多すぎるんです、院長先生を呼んできますから。お待ちください」


「にーちゃん、弱いくせにやることは規格外だな」


 しばらくしたら、さっきのシスターがもう一人の可愛い少女シスターを、連れて戻ってくる。


 17歳ぐらいに見える彼女が、テーブルのくず薬草の山を見て頷いた。


「アームとやら、このくず薬草は新鮮そうだが。何日かけて取ったものかな」


 小娘が何を偉そうにと思ったが、尖った耳を見て考えが変わった。


 エルフだこの娘は、年齢など見た目と違って年食っているのだろうな。


「南の草原で、3時間かけて取ったものです」


 周囲のギャラリーからは、驚きの声が漏れたが少女はすぐにこう言った。


「おぬし、鑑定スキルを持っているだろ」


「でなければ、こんな事は出来ようがない」


 バレタ、誰にも言ってないのにカンパされてしまった。


(ご主人様、逃げますか)


 いつの間にか、子供達に捕まりなでくりまわされている、リョウから念話が飛ばされてきた。


 お前が、子供達から逃げたいんじゃないんかい!


「まて、何も責めているのではない。逆に感心しているのだよ」


「わしは院長のフローリ、見ての通りのエルフだよ歳を聞いたら。殺すけどな冗談だけど」


 冗談に聞こえないんだけど、瞬殺される自信があるんですけど。


「はい確かに俺は、初級の鑑定スキルを持っています。出来れば御内密に」


「やはり初級か、もっと上であれば冒険者などやらなくても。鑑定だけで食べていけるからね」


「それはそうと、これだけの数のくず薬草売っていただいて感謝する」


「錬金で、ポーション作りに大量に必要なんでな」


「保管は大丈夫なんですか、くず薬草とはいえ鮮度が心配なんですけど」


「わしも、アイテムボックス(中)を持っているから平気だよ」


 格上でしたか、流石エルフさんだな魔法も使えて凄いんだろうな。


 滅多に教会孤児院から出れないから、出来れば定期的にでもいいからくず薬草を納めてくれると、助かると頼まれた。

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