【とあるシンセツなお兄さん】

君、どうしたの?

こんな時間にこんな路地裏で、一人で泣いている女の子を放って置けないよ。

お父さんが死んじゃったんだ…それは悲しいね。

でもこんな所だと風邪ひいちゃうよ。そうだ、僕のお家においでよ。


そうだよ、僕は冒険者ギルドの最上階に住んでいるんだ。何? 何で嫌がるの?

大丈夫、怖く無いから。さぁ、来るんだ。


ほら、これで動けない。何だい? 口を封じてしまったから何を言っているか聞き取れないなぁ。いくら泣いたって、喚いたっていいよ。誰も来ないからね。


あはははははははははははははは! いい! 君はいい素材だ! 才能あるよ、モルモットの才能がね! もっと泣けよ、叫べよ! それがお前の目覚めだ! 覚醒だ! もっと色々試させてくれ! あははははははははははははははははははははははは!


何だよ。目を離した隙に逃げちゃった。力づくでベルトを引きちぎったのか。ならいいか。もうそれだけ、人間を超える力に目覚めたということか。


あははは。きっとあれは強くなる。楽しみだぜぇ、ミロスフィード。

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