✨拝啓💌絵文字のお嬢様の優雅😘なお茶会☕️🫖꒰ঌ(⁦‪ᐡ‬⁩ o̴̶̷̤ ﻌ o̴̶̷̤ ⁦‪ᐡ‬⁩)໒꒱

小川かこ

(⌯¤̴̶̷̀ω¤̴̶̷́)✨{ぉ茶ιょ☕️💕)

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ちゅんちゅん🕊️の鳴き声がする〜

なんか、ζ、ゎ、ζ、ゎしててよく眠れる……


ぅち朝ょゎレヽωナニ″ょね

まナニ″目民レヽょ〜


「お嬢様!!朝ですよ!起きてくださいませ。」


「ん… ゙/┐″ヤ@勹ラ┐″τ″才─」レιτレヽレヽー⊂⊇ナょωナニ″レナー⊂″ぉ

目民レヽ…」


んん???お嬢様?わたしが渋谷でギャルをしていたんは20年前だよね?

ここはどこ?なんか身体が小さい…ふわふわのベットにラ̶ブ̶ホ̶じゃないお城みたいな可愛いお部屋…

「まだ寝ぼけているんですか?ほら起きてください。」某ランドの制服のようなメイド服のおばさん…娘の小学校のPTAの誰かに似てる…あぁ会長に似てテキパキしててアタシ苦手なんだよね(இдஇ; )

寝起きでぼーっとした頭を振り払ってPTA会長に命ぜられるまま顔を洗い着替えて髪を整えられている……え。会長めっちゃやっさしー

他人に髪の毛をセットしてもらうなんて何年振りだろう。ぼーっと髪を整えられている目の前の鏡には見知らぬ金髪の美少女が写っている。間に思い出した。ここは娘の読んでいたファンタジー小説の中の世界だ!!


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「お嬢様!ほらお茶会のご招待状を書かないといけませんよ!」


口うるさいPTA会長……もとい、メイド長がレターセットをテーブルにひいてくれる。うえーん( ;∀;)手書きのお手紙を何枚も書かなきゃいけないなんて、グループメッセージに慣れすぎて面倒すぎ。娘のお誕生日会の招待状をデコったの以来だ。


転生したヒロインのヴァイオレットお嬢様の記憶を頼りにリストから当たり障りない文章を書いて……あ!しまった。娘のお誕生日会のことを思い出しながら書いたせいでキラキラした顔文字や絵柄満載のラブリー💖なお手紙になっちゃった。


うーん。めんどいしまぁいっか。


ばあやにバレないうちにシーリングスタンプをぽん!と捺して封しちゃえ。


「あら。もうできたのですか?まぁ。お花とリボンで飾られたのですね。」


ふふふ。と女の子ですねぇと可愛らしいものを見守る目線が突き刺さる。

ついつい小学生女児のハンドメイド趣味に付き合う母親の習性で可愛らしくラッピングしてしまう自分が憎い゜*。(*´Д`)。*°


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うふふ.。.:*:.。. .。.:*きゃっきゃ*・゜゚・*:.。


「皆様、今日はお越しいただいてありがとうございます。」


テーブルには小学生女児の文房具のイラストのようなデコ盛りケーキがこれでもかと並べられている。最近の少女漫画でもなかなか見ないロリータ趣味。ギャル世代としては白ギャルの甘ロリ系か。と分析しながらドレスやテーブルをデコ盛りしてみた。ここまで盛りに盛っておいてネイルと付けマがないのがなんか気持ちが悪い。その分、縦ロールを巻きまくってみた。盛ったもん勝ちだ。


必殺・うずたかくマキシ巻きロール……などと呪文を唱えながらリボンとお花を添えて完成。


「まぁ。ヴァイオレット様!今日は一段と華やかでいらっしゃる。」

「あら本当!巻き髪をお綺麗に整えられてますのね。私も真似しようかしら。」


口々にファッションチェックに余念がないが、巻き髪って髪さえ巻けばコスパ良くってアレンジ効くからみんな好きだよね〜。転生前の記憶から、令嬢とは普段からそんなに宝石ばっかり付けてられない子もいるのでヘアアレンジ=女子力みたいなところがあるらしい。盛った分だけ戦闘力上がるのギャルも一緒〜!!とりあえずパーティは盛っておけって感じだよね。


「ヴァイオレット嬢といえば!招待状も華やかでいらして……うふふ。」


そうそう。みんな扇子の下に笑みを隠しながら含み笑いをしているけどやっぱやばかったかな?苦笑いを同じく羽根扇子で慌てて隠す。


「この封蝋のおリボン可愛らしくてよ。」


令嬢の背後からすすすっと登場したマダム。えーっと誰だろう。前世の記憶にもないけどとにかくPTA会長より位の高いマダムなのはわかる。


「まぁ大尉夫人!夫人もいらしてたのですね。」


取り巻きが都合よく、愛想混じりに解説してくれるので助かるぅ☆軍の偉い人の奥さんかぁ。たまたま付けたリボンが軍の勲章の色柄に似ていてたのを旦那さんが見かけて随分喜んだらしい。大尉ってお揃コーデ好きなタイプ?めっちゃ可愛いじゃん。


「今度、我が家に遊びにいらっしゃいな。主人が会いたがっているのですよ。」


周りの御令嬢が「キャァ羨ましい!」と口々にはしゃぐけどめっちゃ緊張しそー(∩´﹏`∩)


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早速、ばあやと両親が大喜びでドレスを新調だとか手土産だとかで大騒ぎ。


「これで見合いの後ろ盾に強い家がつくな。」と両親がヒソヒソ話しているけどそういった貴族の話は流石に世界が違うな。っと思いながら自分の娘が良い縁談になるならそういった気持ちも分からないではない。親心ってやつですね。わかるよ、うん。


ヴァイオレットちゃんは愛されてるんだな。


ちょっと、元の世界の家族に想いを馳せながら”お呼ばれコーデ”はギャルじゃなくてちゃんとするか〜と、ピアノの発表会風の落ち着いたボレロとコサージュのドレスにした。コサージュにはもちろん大尉のお気に入りのお揃コーデのリボン。


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石造の質実剛健。無骨なお屋敷は元の世界の博物館みたい。

無骨なのに建具の装飾がいちいち繊細で「こーゆーの隙間の埃が掃除めんどくさそうなんだよなぁ。」と主婦目線でついついみてしまう。お出迎えのメイドさんや執事さんお掃除大変ですよね。ありがとう。と思いながら軍大尉のお宅ご訪問!いえい!


「まぁまぁまぁ!わざわざいらしてくださってありがとうございますね。」


やったらデカデカとした玄関扉からベルベットの品のいいドレスに身を包んだ大尉夫人が笑顔で迎え入れてくれる。


「あなた、此方が例のお嬢さん。ヴァイオレット嬢ですよ。」


ふむ。と山のようにイカつい軍人〜って感じの教科書に載ってそうな大尉が満面の笑みで迎え入れてくれる。傍に息子?優男風のイケメンが3人並んで会釈する。


えーもしかしていきなりお見合い〜?参ったなぁ。こっちはそんなの考えてなかったから緊張しちゃう(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)テレッ


なんて……ことはなかった。え?こーゆーのお約束じゃないの?全員既婚者?!まじか〜とよく分からないうちにフラれた気になるけど何も起こってないからセーフ!


「初めまして。ヴァイオレットと申します。」

「君か奇妙な手紙を送りつけてきたのは。」


3兄弟のうちの一人が忌々しげにメガネを光らせながら例の招待状を突きつける。


「なんだこの暗号は?!」

「兄貴は、母上に言われてこの暗号を解くのに三日三晩頭を悩ませたらしいよ。」


末弟がお茶を啜りながらケラケラと笑う。テーブルには招待状と暗号を解くのに苦心したレポート用紙が並んでいた。


「よくもまぁ堂々と軍人の家に暗号文を送ってきたものだねぇ。」と、いかにも長男といった優しげな青年がが感心しているのか呆れているのか招待状を眺める。


「17だっけ?通信部の女官の口利きにはまぁ面白いかな?」

「えっ女官???何それ」


メガネの青年はニヤリと笑うがとても友好的とは思えないよぉ……


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そもそも、社会人2年目で寿退社して以降はパン屋のパートしかしたことがないのに通信部の女官なんてできるのか分からない。なんか難しそうだけどコールセンターみたいなものかな?ママ友の一人がコールセンターのクレーム客まじ病むっていっていたのでちょっと不安。


両親的には軍の女官は「男を選びたい放題だからいいじゃない!」と言っているのでものは考えようだね。確かにお給料もらいながら婚活できるしポジティブなのでまぁいいや。


メガネの上官に、出仕までに思いつくだけの暗号を用意しろ。と課題を与えられたので仕方なく用意するかぁ


とりあえずモールス信号もどきで此方のスペルに点と線を組み合わせた記号を書いていてさっさと出しちゃお。


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一年後〜


モールス信号もどきはあっという間に帝国軍の中で広まり、王様から褒められちゃった〜!

出世というものがよく分からないけれどもお姫様ともお茶をしたりと両親は大喜び。だけど世の中、女が出世すると男のプライドに関わるみたいで特にプライドの高い軍人さん達からビミョ〜に距離を置かれてる。まぁ前世で一回結婚してるし独身でもいいんだけどね。こっちのパパとママにはごめんね〜と思いながら毎日書類作業に奮闘。


「あら、また姫からお手紙ですか?」

「ええ。たわいもないお話しかできないのですが……」


公然とした姫のお話相手としては軍の通信部なら守秘義務が守れて良いみたい。

姫とはファッションや恋バナくらいしかしてないし仕事に追われて特に漏らす相手もいないんだけどね、まだ12歳の姫と話しているとついつい娘を思い出しちゃう。

幸い懐いてくれているのでお姫様の可愛らしい初恋の内緒話についつい和んじゃう。


「姫の縁談は国防に関わるから責任重大ですよ。」

「近頃は各国の情勢も不安定ですからな。」


モールス信号などいくつかの暗号の表を見ながら、暗号文は常に用意しておきたいと頭を悩ませる上官達が苦笑いをしながら「女同士は気楽でいいねぇ」とケラケラ笑っている。最初は婚活するぞ〜!と気合いを入れてはや一年。お茶をするのはお姫さまとばかりで婚活になっていないけど職場の人って馴染んじゃうと色気も何も無くなって、マジで元ギャルママのせいか男勝りな性格のせいであんまり女扱いされていないんだよね〜。みんな友達感覚になっちゃって前の世界の元旦那はよく結婚してくれたなとしみじみ思うよ。


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「へぇアレがヴァイオレット嬢か。」


デスクには姫とのお手紙が並べられている。普段は城外に出さない様に私信など書面は全て軍内ので管理している。姫の縁談や雑談の中に国外からのアプローチがないかを内々で検分しているのだ。もちろんヴァイオレット嬢も承知の上で協力してくれている。近衛部隊の幹部と二人で検分をするがこの一年大した収穫もないので最近は月一回の定例会も形骸化している。

花柄の便箋とリボンに甘い香りに胸焼けしながら、代わり映えのしないやりとりが綴られている。近衛は退屈をおし殺すのにも飽きたように信号文の表の周りに散らかした便箋を放り投げる。


「ちょっとこの便箋の装飾奇妙じゃないか?」

「そんなのよくある柄だろう?」


可愛らしい花びらが所々に舞っている。文面のアホっぽさは置いておいて実に令嬢らしい……「これは信号文か?」帝国軍の通信信号の文面がピンク色の花びらと緑色の葉っぱや蔦が表されている。


「ふむ。ツキガマウエノトキ、カイジョウモンウラニテマツ。」


なるほど読み進めると侵入経路の手引きを示唆している。


「これは参ったな。珍妙な文面に惑わされてすでに侵入されてるな。」

「花びらが"・"葉が"."ツタが"ー"って寸法か!」


ヴァイオレット嬢が前世の知識で持ち込んだモールス信号もどきはあっという間に帝国軍に広まってしまったのでスルスル読めてしまう。


「逢引の手引きか……お相手はどこの子息だ?」


にわかに空気がシンとする。そうだ、姫のお話相手はこの信号文を作った女史だった。普段のお気楽な調子にすっかり気が抜けていたが、彼女なら暗号文はお手のものだ。


「くそぅ!密偵の可能性はあるか?」


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「姫お上手です〜❤︎」

「クッキー下手じゃないかしら?」


やっぱり手作りスイーツは女子の定番だよね!最近、気になっている男の子にお渡ししたいみたい。かわいいなぁ。


なんてほのぼの眺めていたけど、海上門で待ち構えていた某貴族の子息の使者ではなく怒りの表情に引き攣ったメガネ上官のゲンコツだった。

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