打ち上げ花火が上がった後、祭の片づけを始める人々の上に、雨が降り始める。その瞬間、一人の女性が現れた。とあるワンシーンを切り抜いたスケッチのような、現代ファンタジーショートショート。祭の余韻を奪い去るような恐ろしさに、ぞくぞくします。風景描写には、どこか思い当たるような懐かしさがあります。それゆえに、現れる彼女の不気味さが、ひときわ際立って感じられました。