第2章〜恋の中にある死角は下心〜⑥
大会が行われる市内のスポーツセンターは、ひばりヶ丘学院の最寄り駅である
スポーツセンターの最寄り駅である
このスポーツセンターの武道場で、弓道の
駅からスポーツセンターに向かう道の途中で、
「弓道の
「そうだね! でも、私は、会長さんが矢を射る姿も楽しみだし、こうして、
相変わらず屈託のない笑顔で語る隣のクラスの委員長の返答に、彼が、
「そ、そっか……ボクも、
と応じると、
「大丈夫! 弓道をしている人たちの姿が演劇の参考になるかも、って考えてるから!」
と、返事を返してきた。
(
(どうして、彼女の一言が、こんなにも気になるんだろう……?)
ただ、いまだに、異性に恋愛感情を抱いた経験がない彼は、自分の感情の正体が掴めないでいた。
こうして、
板張りの武道場に足を踏み入れると、会場は、凛とした静けさに包まれていた。
観戦に誘ってもらった者の礼儀として、
観戦初心者の心がけとして、
・騒がしくしないこと
・スマホやカメラはできるだけ使用を控えること
・観客席で飲食をしないこと
などを事前に確認しあっていた。
弓道は、
また、同じ様に
そんなわけで、
「やあ、二人とも! 今日は来場ありがとう。観戦が初めてだと気を使うことも多いと思うが、ぜひ、楽しんで行ってくれ!」
凛々しい
ただ、
そして、彼が
射場となる武道場の扉が開くと、五人一組の
武道場の扉の前に立った彼女は、敷居に対して、両足を揃えて入り口の真ん中に立っている。
凛とした空気の中、
彼女は、続けて右足も大きめに踏み出し、左足のかかとをこするようにしながら『
さらに続けて、左足を右足に揃えて、ゆっくりと『
その後、身体を起こした
さらに、的の位置を確認しながら本座まで進んだ彼女は、本座の線に膝頭を揃えて腰を下ろす。
それは、弓矢という武具を扱う競技ながら、茶道や華道などに通じるような
張り詰めた空気の中、息を呑むように射場に視線を向けていた
「会長さんの動作、ひとつひとつが綺麗だね……」
と、つぶやくように口にする。
緊張感から、喉の乾きを覚えながら、
二人が、固唾をのむように見守るなか、射場の五人が揃って、『
『
そのまま矢を射る位置である射位まで、すり足で移動する。
その場で、
そして、再び起立した最初の
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