第14話

駄菓子屋の前で足を止める。中を覗こうかとも思ったが、またあの黒髪がいたら嫌だった。


全然可愛くない。あたしのことはどうでも良くなったんでしょ。


頭を振って、切られた後ろ髪を撫でた。なんか、やらかした?人生。


また明日から死ぬまで頑張ろう、そう気合を入れたところで、肩を叩かれた。


誰かは分かっていた。駄菓子屋の前、だから。


「ジュース」


振り返らずにそう声をかけると、小さな声で謝っているのが聞こえた。


「高校生になったからね、もうあの格好も辞めようかと思って。でもさ、話は聞きたいから」


あたしの事を真っ直ぐ見ている。期待してフラれて、いじめられてるあたしを。


「やだよ、もう」


絞り出したのは本音だった。一人で生きれるようにしなきゃいけないんだから。


「狂わせてごめん。でも、会いたかったから」


本当だよ、人生狂ったのは、あんたのせいじゃないか。


あんたが、あたしのこと甘やかすから。


無視して走った。その髪のボサボサ直してから来てよ、学校なんて行っても一人のくせに。

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