第6話

「みーちゃん、席替え楽しみだね」


隣の席のアカネが、あたしに向かってそう言った。


これもまた一環かな。


「そう、だね!」


「早くこの席変わって欲しかったし、丁度いいわ!」


そういう横顔に向かって、あいつが声をかけた。


そう、山崎だよ。あいつさ、お節介だし、アタシが傷ついてると思ってんだよね。


「やめなよ、田中さん。そんなに嫌なら僕に言えばいいじゃないか、すぐにでも変わってやったよ」


真面目な学級委員、って感じ。山崎は結構嫌われてる系でさ、こういうのも結構ダルい。


「何か席替えに文句があっても言わないこと、それだけを守ってください!じゃあ、写しますね」


先生がそう言って、新しい座席表を電子黒板に映し出した。


なんと、あたしは山崎の隣。それに、一番前。


アカネはと言うと、一番後ろの反対側。一番遠い位置だ。


「美月、ちゃん。よろしくね!」


照れ臭そうに、山崎が席を移動させてきた。


キモイなあ、相変わらず。まあでも、関わらなければいいだけか。


「うっわ、こいつと隣かよ……」


もう片方の隣は、なんだか、結構、アレなの。


あたしの方見てそう呟いたから、ほら、ね?


まあでも、あたしは裏でこいつの悪口言ってる。


だからまあいいかな。

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