第4話

カナタは小学四年生、九歳。


誕生日は八月三十一日で、夏休みの最終日。


クラスは四の二で、出席番号は二十番。


夜空カナタ。




クラスが最近荒れてて、ちょっと面白いことになってるんだ。


みんな、アタシを狙ってる。


アタシが強そうだからって、みんな喧嘩をしかけてくる。


まあ勿論、全部やり返してるけど。


学校中に名前が知れ渡ってる筈だよ、夜空カナタって。


まあ、俗に言うヤンキーみたいな?そこまでワルじゃないけど、そんな感じ。


「夜空カナタってさ、ちょっと強引なとこあるよね」


きょうも、クラスの女の子にそう言われた。嫌味言うなよな。


家に帰る途中にも、あのグループに喧嘩しかけられてさ。


通学路にはちょっと大きな文房具屋があんだけどさ、そこでチキンレースすることになって。


あいつらビビリだから、あたしが先に行ってやるって言ったんだ。


お金も持たずに一人、文房具屋に入ったよ。


そこで見つけた消しゴムひとつだけ、ジャブだと思ってポケットに突っ込んだ。


アイツらもビビってたよ、犯罪者だーって、あいつらがやらせたくせに喚いてんの。


まじウケるわ。


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