第284話 課題が終わった!!

 課題に立ち向かい、俺は勝利した!!

「や、やっと、他のことができる」

 課題が終わって俺はまず、農場の確認をした。

「ラント~!」

「ルオ様」

(愛し子!)

 ラントと肩にいるアースが俺の声に振り返った。

「メリーディエース伯爵領の件、ありがとう」

「いえ、できることをしたまでです」

 ラントは照れた顔をした。

(そういえば、主、メリーディエース伯爵領ではモテモテだったぞ)

「モテモテ!?」

 イケメンだから、そうなるかもしれないけど。

「いえ、うちの娘の婿にって寄ってくる御婦人方が」

 ハニートラップだった。

 引き抜きかもしれない。


「ラ、ラントはうちの村でいい人はいないの?」

(アグリは恋人いるらしいけどなあ)

「アース、それは関係ないよ? いえ、特にそんな話はないですね。釣り合う歳の独身女性もいませんし」

(主は、畑が大好きだから、ずーっと畑にいるんだよな。それじゃあ、知り合うにも機会がないっていうか)

 仕事人間だった!

「アース! まあ、その、畑が好きなのは否定できませんが」

「ちゃんと休憩とか取ってるよね?」

「それは、まあ、はい」

 ちょっと不安になる答えだよ。

「絶対水や休憩食事はとってね! アース、頼んだよ」

(もちろん、主の健康管理は任せて)

 よし。それなら大丈夫。

(主、僕も健康管理する)

 ラヴァがそう言ってくれる。

「そう? 食事とか忘れそうになったら言ってね」

(わかった!)

 ラヴァが前足を上げて頷いた。可愛い。

「よろしくね」

 それから、ラントから農作物の状況の報告を聞いて、森に向かった。


 薬草の採取だ!

 ポーション作らないと。

 ポーション。

 俺の大事な収入源!!



 薬草を採取して工房に乾燥させるために吊るす。

「よし」

 乾燥してからになるけれど、準備はできた。

 師匠はルヴェールと王都、メリーディエース伯爵領とヴァンデラー伯爵領を行ったり来たりして忙しそうにしている。

 たまに俺の課題の進捗状況を聞いて、頷いて出ていく。

 実家と今まで開いていた距離を詰めているんだろう。


 そうだ。ケンダルとマルコムに、ガラスペンを作らないと。

 学院が始まったら、時間がないかもしれないし。

 掃除をしたきりだった俺のガラス工房に向かう。

 道具を手入れして、炉に火を入れる。材料をるつぼに入れて溶かす。ラヴァも協力してくれた。

 錬金術で、透明度の高いガラスにして、手始めにガラス棒を作る。

 吹き竿に熱く溶けたガラスを巻きつけて、息を吹き込む。

 長くなったら、くるくる回して形を整えていく。

 管ガラスとガラス棒を何本か作って、その日はおしまいにした。



 翌日、鍛錬と予習を終え、工房へやってきた。

 ケンダルにはどういったものがいいかな。

 ダークブロンドに緑の目だから緑? それとも火属性が得意なら赤?

 師匠を尊敬してるから藍色?

「うん。藍色にしよう」

 藍色と、緑。緑色の石と、軸の藍色。

 師匠に作ったガラスペンと色味は一緒。

 だけど、カルヴァのイメージじゃなく、真面目なケンダルのイメージで。

 マルコムは、茶色の髪と目だから、茶色かな。でも鮮やかな差し色も入れてみたい。

 ラメのようなのを入れてみる?

 ラメはケンダルのにも使おうか。

「うん。なんとなく固まった」

 その日は準備だけをして、終わりにした。


 制作には一日かかる。ラヴァが健康管理をしてくれるとはいえ、バーナー役もラヴァにしてもらっている。ラヴァには魔力をたっぷりあげないといけないかな。

「ラヴァ、今夜は多めに魔力吸っていいよ」

(ほんと?)

「明日ガラス作るから、ラヴァの力が必要なんだ」

(僕の力が必要)

「うん。だから、魔力吸ってね」

(主、ありがとう!)

「うん」

 喜ぶラヴァを抱きしめてその日は眠った。


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