第41話 シャナ姫 頑張るっ♡

「お殿さま、どうか〝お情け〟を頂戴しとうございます」

 ベッドから身体を起こしたシャナ姫は手をついてこう言ったのだった。


 例え〇二歳の少女の言葉でも、その意味を取り違える事はあるまい。


「わたくしからも、伏してお願い申しあげます」

 エレジが床に平伏してそう言った。

 アイドスを見るとオレに視線を絡ませて頷いた。

「わたくしもそれが宜しいと思います」

 そして、オレの耳元でこう囁いたのだった。


「いまの旦那さまのお身体には魔を滅する力がございます……ですから、その……えっと、旦那さまの……あ、ああ、アレを……」


 真っ赤になって言い淀むアイドスが可愛い(笑)。

「つまり、いつもアイドスのに流し込んでいるが役に立つと?」

 勿論、アイドスにしか聞き取れない小声で囁いたのであるが。

「だ、旦那さまは……き、鬼畜ですぅ♡」

 更に耳まで真っ赤になってオレの尻を抓ってくるアイドスが可愛いしかない(笑)。


「う、うん……それでは、シャナ姫さまの事、宜しくお願い奉ります」

 エレジには聞こえていたようで睨まれてしまった。エレジの本音(シャナ姫の夜伽に賛成した訳)はイマイチ判らないのだが。


「待って、エレジもここに居て……て、手を握っていて……」

 シャナ姫がエレジに手を差し伸べる。更にアイドスにも縋るような目を向けた。

「せ、先生さまも……お、お嫌でなければ……」

 アイドスの事を『先生』と呼んだのは魔法学園の事を聞いたのだろう。


「しかし、一生で初めてのご体験でございます……お殿さまとお二人で過ごされるのが宜しいかと…」


 皆んなの居る大広間で、ちゃっちゃ、と済ませてしまったエレジに済まない気持ちが湧いた。今度二人きりで、たっぷり、可愛がってやろう。

 だが、何と言っても『〇二歳の少女』である。不安もあるだろう。

「オレも二人には側で見届けて貰うのが良かろうと思う……ただ、皆んな疲れているようだから、ここは一旦睡眠をとって今夜にでも、どうだろうか?」

 まだ、朝だしね(笑)。


 ねやの秘め事は夜のとばりが降りてから……と。


「お殿さまがそう仰るのであればお言葉のままに」

「わたくしもそれで宜しいと思いますわ」

「ひと眠りすれば、勢いだけだったと思い直すかも知れないしね(笑)」

 小声で、ぼそっ、と呟いたのだがシャナ姫の反撃を喰らってしまった。


「わたくしの本気は絶対に変わりませんっ⁉」


 更に追撃まで喰らったのだった。

「お殿さま、それでは夜まで添い寝をお願いしても宜しいでしょうか?」

 断る訳には……いかない、よなあ?

 アイドスに視線を送ると意味ありげに微笑まれてしまった。

「添い寝……だけ、だからね?」

 オレはそう念を押してシャナ姫のベッドに滑り込んだのだった。


 直ぐにシャナ姫が、ぴとっ、とくっついてくる。

「お殿さま、眠れるように、ちゅー、して欲しいですぅ♡」

「そ・い・ね、だけです!」

「え~っ⁉」

「えええっ、じゃありません……さあ、寝ますよ!」


 オレが目を瞑ると、エレジとアイドスが静かに部屋から立ち去る気配がした。扉の閉じる音を聞いてからオレは、そっ、とシャナ姫に語り掛けた。

「リベル(『元 メイド長』だ )には可哀そうな結果になったけれど、本人も覚悟していたでしょう……シャナ姫との約束を守れず申し訳ありませんでした」

 シャナ姫は少し途惑っているようだったが目をあげてオレを見た。

「お殿さまには感謝しております……魂の中でリベルとお別れする事が、できました…から…」

 そして、視線を落としてオレの胸に手を当てて言葉を紡いだ。


「少しの間、お殿さまの、ここ、をお借りしても宜しいですか?」


「勿論、構わないよ……この部屋には『防音魔法』が掛かっているので遠慮しないで大丈夫だよ」

 オレがそう答えるとシャナ姫がオレの胸に顔を埋めて

 だから、シャナ姫の震えが治まるまで、オレはその背に腕を廻して撫ぜてやったのだった。


 『〇二歳の少女』の哀しみに応える術を知らない。〝中のオレ〟も録でもない人生しか送って来なかったと痛感させられた。


 やがて泣き止んだシャナ姫がオレに貼り付いたまま言ったのだった。

「お殿さま硬くなってますぅ♡」

 こ、こら、こら、こら……そういうコトを言うんじゃありませんっ!?

「握っても宜しいですか?」

 だからね、そゆコト、言うんじゃありませんっ!?

「いつかは、ちら、っとしか拝見できなかったですしぃ♡」

 いや、いや、いや、がっつり、ガン見してたよねっ!?


「駄目でございますか~?」


 いや、だからね……上目遣いでモノ欲しそうにするんじゃありません⁉

 ……って、言うかズボンの上から触ってるよね?

「握るだけですよ?」

「は~い♡」

 さっきまで泣いていた癖に変わり身の早さはどうしたモノか。


 シャナ姫の小さな手指がズボンの上から入り込む。パンツを認識した手がそこを潜った。いや、もう少し躊躇ためらうとか、びくつくとか、ないの(笑)。


「こ、こんなにおっきくて、こんなにかったいなんてぇ♡」


(わ、わたくしの……な、ナカに……は、入る、のかしらぁ⁉)

 心の声が駄々漏れだった(笑)。

(ミニョロとメニーケも、最初は少し痛かったけど……す、直ぐに気持ち好くなったって、言ってましたわね♡)

 まったく、困ったお嬢さま方だ(笑)。

(ああ、早く夜にならないかしら♡)


 困ったお姫さまの駄々漏れし続ける本音を子守歌に、オレは眠りの国に沈んでいったのだった。


          *


   ■インノ・オラ王国第九皇女 シャナ姫 視点■


 わたくしがお殿さまの《お道具》を握らせて戴いて、ほんの数分……お殿さまはイビキを掻いて眠ってしまわれた。

 わたくしやリベルがご迷惑をお掛けしたのでお疲れなのですね……


 でもぅ、わたくしが握っているのに、眠ってしまわれるって……どうなんですの?

(もし、ヒメがそれを聞いたら……大きく頷いた事だろう(笑))


 わたくしでは子供過ぎて……こ、興ひゅん、れきにゃい、とかぁ⁉


 う、うん……わたくしが興奮してどうしますか!


 そうだわ……ミニョロが、ぱっくん、の仕方を詳細に教えてくれたじゃない……いまって、練習するのに最適じゃないのかしら?

 お殿さまに気づかれずに、ぱっくん、のをして、後で実践して差しあげたら……うん、そうよ……お殿さまもわたくしを子供扱いなさらない筈だわ。


 わたくしは掛布の中で身体を沈めていったのだった。

 そして、お殿さまのおズボンとおぱんつを摺り降ろす。


 きゃあ、きゃあ、きゃあああんっ♡♡♡


 ほ、頬ずりしちゃったあっ♡

 もうこれ、かったいなんてレベルじゃないわよね(笑)。

 それにぃ、おっきくてぇ、ふっとくてぇ、お口になんて……は、はは、入るのかしらあ⁉


 で、でもぅ……頑張るっ♡


 リベルもエレジも、ミニョロとメニーケも、他の皆んなも……わたくしを支えてくれて、こんな遠くまで付いてきてくれたのだもの。

 勿論、わたくしはどんなに頑張ってもお殿さまの側室のトップになんてなれない。それは判っている。いまはこの後宮にわたくしたちしか居ないけど、直ぐにお美しくて大人びた側室候補の方々で一杯になる筈だわ。

 『インノ・オラ王国』って、どこの田舎ですの?……そう笑われるのも時間の問題よね。しかも、第九皇女って失礼過ぎやしないのかしら?


 でも、でもぅ……頑張るわっ♡


 後宮で、最初のお子を授かったら……わたくしの、勝ちよねっ♡……絶対、そうなんだからっ♡

 わたくしは、お口を一杯に開けて、お殿さまの《お道具》を、ぱっくん、したのだった。



            【つづく】

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