第38話 シャナ姫の願い

 翌朝の事だ。『インノ・オラ王国』の第九皇女シャナ姫殿下からオレに面会の打診があった。

 まあ、理由は見当がついたが正式な『面会の申し出』とあってはスルーする訳にもいかなかった。


 後宮(まだ工事中だが)に向かい、シャナ姫の部屋の扉の前に立った。その扉を警護するのはオレの部下だ。本来なら『インノ・オラ王国』の配下が警護する筈だが、彼女たちは現在全員謹慎中だからだ。当然、武器は取りあげている。

 まあ、迷っていてもコトは運ばない。

 オレはシャナ姫の部屋の扉をノックした。

 直ぐに返事があったので扉を開けて入室したのだが ――


 多少、予感のようなモノはあったが、現実はかなり斜め上をいっていた。

 『インノ・オラ王国』の第九皇女シャナ姫殿下と、同い年の二人のご学友(例の問題のあった一人は地下牢だ)の三人が部屋の中央で〝〟していた。

 いや、12歳の三人が何処で覚えたのか……そんな【マナー】を(笑)。


「この度は、わたくしのメイド長と友人が大変な事を仕出かしました、お詫び申しあげます!」


 そう言ってシャナ姫はその場に額を擦りつけた。

 オレは部屋の中を見渡して彼女たちの服を探したが見当たらない。

 仕方ないのでベッドに掛けられていた掛布を剥がしてシャナ姫に被せると、そのまま抱き起してベッドに坐らせた。

 シャナ姫は何が起こったのか判らないようで暫く、ぽかん、としていたが……直ぐに元の位置に戻ろうと暴れたので『』。


「12歳の小娘がこんなするんじゃないっ⁉」


「ひぃいっ⁉」

 シャナ姫は、びくぅっ、と震えたが大人しくなったので、同い年の二人のご学友にも厳しい声で言った。

「お前たち二人も暫く席を外しなさい」

「「し、しかし……」」

「シャナ姫に危害を加えたりしないから心配するな」

 二人の目を見てそう言うと、全裸の身体を必死に手で隠して出ていった。

 実はこの二人は昨晩の後宮の大広間での『全員検査』が終了した後、個別にそれぞれの部屋で検査をしていた。

 勿論、イクイクがしっかり検査を済ませていたのだが、本人たちがオレの検査を希望した……らしい(笑)。

 良く判らんが……ナニか可変おかしなでも広まっていないと良いのだが(笑)。


 二人が退席したのでシャナ姫を押さえていた力を緩めると彼女も、ほーっ、と息を吐いた。

「あ、あの……お、お殿さま……」

 オレの方を、ちら、見てくるので出来るだけ笑顔を作って言った。

「二度とするんじゃありませんよ」

「も、申し訳ありませんでした」

「まあ、シャナ姫が謝る事ではないですよ……今回の件も、ね」

「し、しかしそれでは……」

「あの二人以外に問題はありませんでしたから……近い内にあなたたちの【謹慎】も解けるでしょう」

「えっと…………ふ、ふたり…は…」

「まあ、大人の世界の常識に沿って対処する事になるでしょうが……本人たちも、それは理解しているでしょう」


「や、やはり…………ざ、斬首……で、ございますか?」


 12歳の少女に〝こんなセリフを口にさせる〟……嫌な世界だが、仕方ない。

「済んだ事です」

 実際にはまだ処刑していないが、噂を聞いた(全員検査が終われば斬首する)のであれば、『済んだ事』としておいた方が良かろうと思った。

「しかし…………友人の方は判りませんが……」

 シャナ姫が躊躇ためらいながら言葉を紡いだ。

「リベル(元 メイド長だ)は、わたくしが生まれた時から側に就いてくれていました……ですから、かなり衰弱していますが……まだ……」

 魂の繋がり、とでも言うのだろうか……判るのか、まだ生きているのが。

 参ったね(笑)。

「判った……仕出かした事はともかく、シャナ姫にとって彼女が大事な人なのは理解した……斬首は取り止めるが、当然開放などできないし、二度と会う事も無理だと思うよ?」

「ありがとうございます……それで、充分でございます」

 そして、オレに頭を下げて続けた。

「お殿さまには感謝しかございませんが……わ、わたくしの検査は…こ、これからしてくださるのですか?」

 少し言い淀んだトコロを見ると【検査内容】はご存じらしい(笑)。


「必要ないでしょう……もう、全て終了です」


「いえ、それでは片手落ちでございます……わたくしの検査をお願い致します」

 そう言ってシャナ姫が、あ~ん、と口を開けた。

 いや、待ってくれ(笑)。

 12歳の少女の唇は〝天然記念物得難いお宝〟だぞ(笑)。

 オレに奪えと⁉

 いや、昨晩『同い年のご学友』二人の唇を奪ったオレがで言うか(笑)。

 仕方ない……軽く、ちゅー、して済まそう。

「見ましたので唇を閉じて良いですよ」

 そう言ってから閉じた唇に、ちゅっ、と口付けて顔を離すと、シャナ姫が小首を傾げている。


「き、聞いていたのと……ち、違う……よう、な?」


 いや、心の声が駄々漏れですよお姫さま(笑)。

 トコロが、それで終わりでは無かったのだ。

 シャナ姫はベッドに、こてん、と仰向けに寝て掛布を払い除け……あの【ポーズ】をしたのだった。

 つまり、全裸で膝を立て足を開いた【あのポーズ】である。

 いや、だから誰に聞いたのさ(笑)。

 しかも、両手を胸の前で組み、あたかも祈りを捧げるような佇まいである。

 神々しくて【開いた足の間】の検査などできましぇえんんんっ⁉

「そ、そこは……良いにしましょう」

 オレの言葉を聞いたシャナ姫が途端に涙目になって言った。


「や、やはり……わ、わたくしの……あ、あそこ、は……み、醜い、のですね?」


「はいぃ⁉……何を言って?」

「だ、だって……わ、わたくしの……そこ、には……け、けけ、毛が生えていて……み、醜いですよねっ⁉」

「いや、大人になれば誰でも普通に生えてくるのでは?」

 シモの毛の事だよな?

「は、はいぃ⁉」

 目を、ぱちっ、と開いたシャナ姫がオレを見詰めてくる。

「いや、だから】のコトですよね?」

「ええっ⁉」

「ご友人もそろそろ生えてきているのでは?」

「いえ、三人……あ、二人も……えっと、つるつる、です!」

「お母さまとお風呂とか入られた時、ご覧になっていないですか?」

「お風呂は……メイドたちが洗ってくれるので…」

「つまり、着衣のままだと?」

「はい……」

「つまり、大人のを見たコトが無い、と?」


「お、お殿さま…も……は、生えて、いらっしゃるのですか?」


 話の流れが……ような気がしたが、ここは他の選択肢は無いのでは?

「オレの……見ます?」

「ぜ、是非ぃ⁉」

 前のめりで言ってくる(いや、身体も起こしてオレに迫っている)12歳の少女の期待を裏切ってはよな?

 若干(あくまで若干だが)なので12歳の少女にお見せするのは如何なモノかと……ええい、見せちゃるわいぃっ⁉


「ま、まあ……後学の為に、ちらっ、とですよ?」


 オレがズボンとパンツを一緒に前に引っ張って覗けるスペースを作ってやると、シャナ姫が興味津々で覗き込んできた。


「ひぃあうぅ⁉」


 まあ、そうなるよな(笑)。

「こ、こ、こんなおっきいのが……わ、わたくしの……な、なか、なか、にぃ⁉」

「いや、シャナ姫さま……見るトコ、違くないですかね?」

「はっ⁉……も、もう一度……は、拝見しても?」

「ダメですぅ♡」

 オレはさっさとズボンとパンツを元に戻したのだった。

「お、お殿さま……いぢわる、ですぅ♡」

「まあ、これでシャナ姫の、、は何の問題もないコトが判ったので、全て終了となりますね」


「いえ、まだ、わたくしの下の口の、ぺろ、ぺろ、検査が終わって居りませんわ♡」


 いや、だから、誰からそんな詳細を聞いたのですか?

 もう、オレも覚悟を決める時だろう。


「そんなにオレに、ぺろ、ぺろ、されたいんだ?……エッチなお姫さまだなあ(笑)」


 冗談めかして言うと、

「お、お殿さまは……い、いぢわるで、ございますぅ!」

 真っ赤になって拗ねるシャナ姫が可愛い。

 もう、ホントに仕方ないのでオレはシャナ姫が恥ずかしい嬌声こえをあげて仰け反り気絶するまで、ぺろ、ぺろ、し尽くしたのだった。



 それから廊下に出ると二人のご学友が真っ赤になってその場にへたっていた。

 聞き耳を立てていたな?

 困ったお嬢さまたちだが、今必要なのは……

「メイド長は、居るかーっ?」

 オレが叫ぶと同時にエレジがすっ飛んできて足元に膝をついた。

「エレジの部屋はどこだ?」

「こちらでございます」

「おお、良い部屋だな」

「はい、このようなお部屋を頂戴し勿体ない事でございます」

「今から【ポエマ】を抱くが、構わないな?」

 オレは【真名】で呼んでエレジを抱き寄せた。


「勿論でございます♡……いつでもご存分にお使いくださいませ♡」


 オレは返事もそこそこにエレジをお姫さま抱っこで抱えあげベッドに降ろすと《マ〇繰り返し》で押し開き、小さな布切れを剥がしてむしゃぶりついていた。

 もう、限界だったのだ。

 オレはシャナ姫に、ぺろ、ぺろ、して昂った情動をエレジにぶつけたのだった。

 まあ、それはエレジにも判っていたようだが、何の不満も見せずにオレを受け入れてくれた。可愛いしかなかった。


 やがてコトが済んでエレジのベッドに身体を横たえたオレに《お掃除》してくれる彼女の犬耳を撫ぜながら言った。

「二人の斬首は取り止めにした」

「はっ!?……あ、ありがとうございます!」

「しかし、一生誰とも会えぬ地下牢暮らしが良いコトかは……判らんがな」

 オレは幾分自嘲気味に続けた。

「シャナ姫に泣きつかれてはな」

「まさか、おひいさまと?」

「莫迦を言うな12歳だぞ(笑)……だから【ポエマ】を呼んだんだろう(笑)」

「あっ、そうでございました……ありがとうございます♡」

 こんな身勝手な行為に及んだオレに「ありがとう」と答えるエレジが可愛いしかない(笑)。


「何か欲しいモノとかあれば言え……まあ、オレもヒメと第二夫人チンチンには頭があがらんから出来ないコトも多いがな(笑)」

「そ、それでは……む、無理かと…」

「何だ?……言うだけ言ってみろ」

「と、時々で良いので……こうして…お、お渡り……い、戴きたくぅ…はぅ!?」

 オレはエレジが愛おしくて更に2回、【最終奥義】を繰りだしてしまった(笑)。



 結果、オレは見事に朝のブリーフィングをスッポカしてヒメにお小言を頂戴したのだった(笑)。



            【つづく】

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