第21話 新しい仲間
ここ数日の話し合いの結果、先ずは冒険者をもう少し配下に加えたいという事で
そんな訳で暫く冒険者ギルドに通ってみる事になった。
メンバーは、オレ、マータ、イクイクの3人だ。
ヒメが同行したがったが、目を引くし声を掛けた相手が緊張するから……という理由で留守番だ。
ヒメには竜騎隊の視察を頼んだ。こちらも、新兵が緊張して墜落でもしないか心配だ。そう言ったら笑っていたが、ホントに大丈夫か?
そして、オレたち3人は冒険者ギルドに遣ってきた。
先ずはギルドマスターに事情を話し、良さそうな人材が居ないか相談だ。
ギルドマスターにとっても、新ダンジョンの発生などに対応して貰えればメリットも大きいと好意的な反応だった。
しかし、ギルドマスターが美人の女性だと初めて知った。更に、あの〝大魔導師さま〟の妹君だという。才能豊かな女性と言うのは何処にも居るものだが素晴らしい。
「惚れたかにょ?」
イクイクが耳打ちしてきた。「失礼なコト言うんじゃないよ」……と返すと、
「バツイチの独身にょ♡」
と、追加の情報開示が(笑)。オレにどうせいと?
それは兎も角、早速、最近ランクをあげてきた女性2人のパーティを紹介された。
シルク・ラク、22歳、処女。( ← そこに拘りはないが、まあ、その、なんと言うか……だ(笑)。経験者も、それはそれで、ぱっくん、に即対応【可】だったりして良さ気ではあるのだが(笑))。
ついでに報告しておくと、現在モブ屋敷に処女は居ない。家事のフォロー要員として遣ってきた5人のメイドも全員処女だったが、その夜の内にメイド長自ら5人を引き連れてオレの寝室を急襲【7つのぴーなる遊戯】に興じてしまった。
う、うん、話を戻そう。
剣士、ロングソードに
前々から思っていた事だが、あんな金属製の装備がお股を覆っていて動き難くないのだろうか?
美人だし胸も装備から食みだしそうだ。いや、食みだしてる(笑)。
しかし、睨まれてしまった。色々視線を投げて最悪の印象を与えたのはオレです。ごめんなさい。
いや、でも見るよね、男なら見るよね。
しかし、イクイクに尻を抓られた。理不尽だ。
キクル・クル、22歳、非処女(経験値=2人)。うむ、【可】なり(笑)。
同い年なので、すわ『ユリ』か?、と思ったが違うようだ(いや、一方が経験アリでも『ユリ』である可能性はあるが)。
魔法使い、イクイクのような杖にローブだ。ただ、ローブを見るに大分控え目である。イクイクの『道具』と見比べていると、また抓られた。だから、何故だ。理不尽である。
オレが尻を抓られている間に、マータとの間で話が
しかし、パーティ申請の時、またもトラブル発生。
えっ?、こいつがリーダー?、と大層蔑みに満ちた視線が……前途多難だ。
いや、だから何故抓る?
場所は、彼女たちが最近『狩場』にしている『第12ダンジョン』になった。第7層まであり、第5層以降のボスはそこそこ強い。
今日は初パーティでもあり、第3層を目途に、時間がきたら途中でも戻る事で合意した。
フォーメーションは、
前衛にマータ、シルク(まだ苗字呼びだ)
中衛に、オレ
後衛にキクル(同じく苗字呼びだ)、イクイク
と、なった。
前の方でビキニアーマーが「あいつ、役に立つんですか?」とマータに訊いている(聞こえてるけどね)。
後ろの方でも控えめなローブが「こいつ、ホントに役に立つんですか?」とイクイクに訊いている(だから、聞こえてるっちゅーに!……あ、聞こえるように言ったのか)。
「でも、アレは立派にょ♡」
イクイクのフォローにキクルは少しだけ心が揺れた(流石【非処女】)みたいだった(笑)。
一応、2人のステータスウインドーを見てみよう。
名前シルク・ラク(本名=ラク・パレ(剣士)・真名【※※※】・シルク)
性別=女(経験値=処女)
年齢=22歳
種族=ヒューマン
レベル=119
ジョブ=剣士
HP=4355/4355
MP=783/783
STR=1565
VIT=3892
DEX=125
AGI=339
INT=523
LUC=293
装備はロングソード、ビキニアーマー
名前キクル・クル(本名=クル・レニ(魔法使い)・真名【※※※】・キクル)
性別=女(非処女、経験値=2人)
年齢=22歳
種族=ヒューマン
レベル=145
ジョブ=魔法使い
HP=2358/2358
MP=18932/18932
STR=592
VIT=336
DEX=358
AGI=564
INT=976
LUC=635
装備は杖、ローブ
【真名】が非表示なのは信頼関係が築けていない証だ(笑)。まあ、そればかりでもないようだが(あの『3』の女は見ただけで判ったしぃ(笑))。
あと、通り名は「苗字」「名前」の順で、本名は「名前」「立場名」【真名】「苗字(家名)」の順となる。
また、普通の人は『通り名』は『本名』を逆にした表記が一般的らしい。
まあ、表記に就いてはあまり一貫性はないようだが。殊に高貴なお方はランダムというか、色々隠す必要もあるのかも知れない。
さて、今まではレベル100台(Dランク)2人で、パーティとしても『Dランク』だったようだ。
彼女たち2人の『Dランク』パーティではこの『第12ダンジョン』では第5層までしか立ち入れないが、今日はレベル300超え(Bランク)が2人居るので最下層まで討伐可能だ。
因みに、オレは未だ『鑑定不能』扱いで『Fランク』だが(笑)。
ああ、それでパーティ申請の時に軽蔑の視線を浴びたのか(笑)。
パーティ申請はリーダーの『ギルドカード』に申請者の『ギルドカード』を重ねるのだった。
さて、そんなこんなで第1層の攻略は問題なく進んだ。
マップからも新人2人の情報からも第3層まではスライムか良くてゴブリンしか湧かないようだ。
オークが湧くのも第3層の『ボス部屋』らしい。
スライムやゴブリンは雑魚モンスターだし、オーク(豚頭で猪のような牙が生えている)もさほど脅威ではない。
シルク・ラクのレベルが119、キクル・クルのレベルが145、マータの300台(イクイクも先日300台になった)には遠く及ばないがこの程度のモンスターなら問題にならない。
オーガ(角が生えてるマッチョな鬼だ)など、このダンジョンでは最下層の『ラスボス』だ。尤も、オーガが湧いたとしてもマータが居れば問題にならない。
後衛の魔法使いコンビは、イクイクが『攻撃力アップ』、キクルが『防御力アップ』を担当する予定だったが第1層では必要もなかった。
第1層を抜け、第2層で昼食となった。
食事の車座だが、イクイクがオレの左隣に坐って自慢気に言った。
「ここはいつもならヒメのポジションだけど今日はあーしが第一夫人扱いにょ♡」
「えっ?…ひ、『ヒメ』というのは、もしや第七皇女殿下さまの事で、あられ、まする、か?」
シルクが緊張で舌を縺れさせながら訊いてきた。
「そうにょ……ヒメを知ってるのかにょ?」
「と、とんでもございません……先日の『お輿入れ』じゃなくて『ご養子縁組』の行列を遠くから拝見して……」
キクルも緊張気味に続けた。
「この
「だ、だって……すっごくお綺麗で……とても…こ、この世のお方とは、思えませんでしたっ♡」
「ぷっ!」
オレは思わず吹きだしていた。
「なっ!、お前、雑魚のクセに生意気だなっ!」
シルクが睨んできた。
「あはは、ゴメンっ!」
笑って答えるオレにマータが、ずいっ、と身を乗りだして言った。
「お前たち、わたしらが第七皇女殿下の配下と気付いていながら、このお方をどなたと心得るかっ!」
まるで『水戸黄門』だな。
「こちらに
イクイクも印籠でも取りだしそうな身振りで続けた。
「「なっ!、なあああああああああっ!!!」」
2人が絶句していた。
「助さん、格さん、それくらいにしておやり(笑)」
まあ、イミフだったようだが(笑)。
それからは新人2人は変な緊張感に包まれてしまって力の半分も出せていないようだった。
そこでイクイクから耳元に提案が。
「2人にトノの実力を見せておくにょ♡」
まあ、『Fランク』の実力を見せますかね(笑)。
丁度、第3層の『ボス部屋』だ。
都合よくオーク3体だ。
前衛の前に出て言った。
「これくらいなら肩慣らしかな(笑)……任せてっ!」
「えっ?、いや、オーク3体ですよ?」
シルクが焦って前に出ようとしたがマータが笑って止める。
オレはチチが最高レベルに鍛えてくれた刀を抜いて、飛行魔法で浮きあがると、
「はあ――っ!」
気合一閃、3体
「「なっ!、なぁあああぁああああああっ!!!」」
2人の絶叫を、マータとイクイクの、ぱち、ぱち、と大変散漫で投げ遣りな拍手が彩っていた(笑)。
まあ、『Fランク』の実力、少しは見直してくれたかな?
その日はそこまでとして『ギルドカード』に『第3層のボス討伐』を【マーキング*】して地上へ戻った。
この【マーキング*】というのは最近ウルヒの冒険者ギルドで導入された新システムである。アイントハルフ王国でも初の試みで、このウルヒにだけ導入されたのだそうだ。
各階層の『ボス部屋』の出口に設置された魔道具に『ギルドカード』を翳して【マーキング*】すると、次回同じダンジョンに潜った時は次の階層の入り口に飛べるのだ。素晴らしい。
何でも今はチン王国に滞在している大魔導師さま発案の新しい〝魔導技術〟らしく、当然【極秘扱い】である。
そうか、だから(大魔導師さまの妹君がギルドマスターだから)ここに初めて設置されたのか。色々納得である。
しかし、例の『3』の関係者が狙っているらしい(笑)し、これは我々『7』の組織(笑)にとって、良いアドバンテージになるだろう。
*
明日もこのパーティで続きをする事になり、その夜は我々もあのいつもの酒場に泊まる事になった。
―― と、なれば……当然、夕食に合わせて親睦会だ。
酒が入れば、当然、いつもの〝裸エプロン〟タイムである(笑)。
最後のイクイク発案の『Fランクの実力魅せ♡』が効いたのか、イクイクの勧誘が上手いのか、軽蔑の視線しかなかった2人が頬を染めて〝湯殿〟に入場だ(因みにマータは明日の準備だそうで来なかった(笑))。
「い、イクイクさま……ほ、ホントにこれが『第七皇女隊』の入隊の儀式なのでございますか?」
「は、ははは、恥ずかしくて、死にそうでございますぅ!」
先のがクル(〝控えめなローブ〟の名前呼び)、後のがラク(〝ビキニアーマー〟の名前呼び)だ。
オレは既にいつものマットに仰臥位でスタンバっている。
「「ひぃ!」」
まあ、いつもの反応である(笑)。
ラクは未経験でもあるし『お浄めの儀式』から。折角なのでイクイクには近くで指導して貰う。
クルは経験者だし魔法も使えるので顔の近くに呼んで『魔力の補填(全然使わなかったが(笑))』をさせた。まあ、有体に言えばディープキスだ。
流石に舌の使い方は慣れている。オレも遠慮しないで〝裸エプロン〟の胸元に手指を忍び込ませた。
「あ、あの……お、おトノさま……そ、それは『魔力の補填』に…んっ♡…ひ、必要で…ごじゃ…あ、ひぃん♡…ます…です、か?」
「お互いに『医療行為』だけだと気持ちが疲弊するだろ?……こういう、アクセントを入れるのが長持ちする秘訣さ」
「さ、流石おトノさま……あ、んっ♡…で、でで、でも…そ、しょこは…な、なりませんんんっ♡」
「ヒメはいつも『魔力の補填』中に、ここを弄られるのが大層お気に入りなんだけど……クルにはまだ高度過ぎるかな?」
嘘ばっかです(笑)。
「か、彼氏にも、まだ…あひぃ♡…こ、こんなコト…ん♡…さ、されて…んあ♡…ないれしゅ、うっ!?」
「おや、クルは彼氏持ちだったのか……それなのに
「そ、そそ、それは…あひ、はぁん♡…い、イクイクさまの、ご指示でぇええんっ♡」
言い訳する悪い
一方、『お浄めの儀式』をしていたラクもイクイクの指導で〝人生初ぱっくん〟だ。
「こんひぁに、はかふ、なりゅんでふへ?」
何を言ってるのかまるでイミフだが喋りながらの、ぱっくん、は大層気持ちが良い。
まあ、『第七皇女隊』に入隊するなら、これからも更なる技術力の向上に励んで貰わなければならないが(笑)。
そんなこんなで愉しい夜は更けていったのだった。
【つづく】
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