第8話 その夜……
穴から浮きあがったオレとヒメを見て、夜営の準備をしていた四人が泣きながら駆けてきた。特にチンチンの顔は、ぐしゃ、ぐしゃ、だった。
今回の遠征の事も、(後で聞いた話だが、大魔導師の事も)、責任を人一倍感じていたのだろう。
ヒメを降ろすと二人が固く抱き合った。そこに他の3人も加わって泣き顔の五重奏だ。
(一人くらい、オレのトコにきてくれても良いんだけど~~?)
オレの心の、ボヤき、が聞こえた訳でもあるまいがヒメがオレを見て、ちろん、と可愛く舌をだした。
それから、夜営の準備を解除して急ぎ出口に向かった。
ダンジョンの入り口に『騎竜』が2騎待機しているので、今夜は一先ず宿舎(酒場の二階だ)に戻る事になった。
MPがほぼ枯渇しているヒメの『転移魔法』は使えない(オレにMPのほぼ全てを補填したからだ)。
『竜騎士』は飼い馴らした
ダンジョンの攻略は明日から仕切り直しだ。
その夜のヒメの『加護の附与』には、今日の彼女の様子を見るに、色々と期待が増していたのだが ――
食事が終わって部屋へ戻る途中で何とオレはイクイクに拉致られてしまったのだった(笑)。
オレが連れてこられたのはあの
そこに居たのは、金と銀だった。
しかも、何故か〝裸エプロン〟である(笑)。
〝裸エプロン〟なんて、この世界にもあったのか?
イクイクって、色々ヤバい(笑)。
そう言えばオレを莫迦にした金銀にお仕置きする……みたいな話だったか?
忘れていたくらいでどうでも良かったのだが(笑)。
どうでも良くても〝裸エプロン〟が3人(何故かイクイクもだ(笑))居ればオレのもガチ反応していた(笑) ← 主にイクイクにだが(笑)。
それを見て金銀がビビっている。
「なんだ、初めて見る訳でもあるまい?」
笑いながらそう言ってからオレは金銀の頭に『猫耳』が生えているのに気が付いた。『
『ネコ科の獣人』なら『
「こいつら、ババアだが処女にょ!……マジで笑えるにょ♡」
「お願いでありんす!……それだけは将来の旦那さまに取っておきたいので許して欲しいでありんす!」
「他の事なら、何でもスルでありんすっ!」
オレとイクイクを、ちら、ちら、見ながら怯え顔で金銀が言った。見れば『猫耳』が、へたん、と垂れている(笑)。
「先ずは、『
「トノ?……って、オレか?」
「「か、畏まりましたでありんす、奥方さま!」」
金銀が異口同音に答えた。
「いや、『奥方』はヒメさまにょ♡……あーしは、『
(ちょ、待て~~?……『内室』って『奥方』を敬った呼び方じゃね?)
「「か、畏まりましたでありんす、内室さま!」」
(ま、いっか……ここだけの話だし(笑))
それから金銀は事前に教わっていたのか、マットに寝かされたオレの主に中央部位を浄め始めた。
するとイクイクがオレの顔近くに坐って、耳元で何か囁き始めた。
「良いか、
『ホンバン』などという言葉がこの世界にあるのかは判らないが、まあ、『言語変換機能』による『意訳』というヤツだろう。
「いや、ヒメさまと……とか考えていないが?」
「シたくないかにょ?」
「いや、勿論……し、シたいが……ヒメさまの気持ち、とかも…大事だし…」
「それは心配要らないにょ(笑)……皇女とか言っても、外国の王子さまにお輿入れできるのは第三皇女までにょ!」
「そ、そうなんだ…」
「…第七皇女なんて、所詮は、敵国近くの辺境伯のジジイとか、退役寸前のオイボレ武官とかに『
「ううむ、中々壮絶な話だ(笑)」
「その点、殿なら(顔はともかく)若いし、出世しそうだし、きっとヒメの方からクルにょ♡」
「今、何気に失礼な項目が入ってなかったか?」
オレの指摘をスルーしてイクイクが言った。
「だから、今夜はあの猫どもを色々弄ってスキルをあげるにょ♡」
「つまり、それは、イクイクでも良いという話かにょ♡」
彼女の口癖を真似て言いながら、オレはイクイクのエプロンの前を捲った。
「こ、こら、こら、あーしはだめにょ!」
「だったら、どうしてこんな『装備』をしてきた?」
「あ、指は、ダメにょ!」
オレは構わず幾分、もっさり、とした下草を掻き分け指を進めた。
「こ、こら…ゆ、ゆび…
それからオレは代わる代わる3人を相手に『スキル』のレベルあげに励んだのだった。
やがて、3人ともへたり切ったのでオレはもう一度全身の汚れ(汗とか、涎とか、謎の液体(笑)とか)を流してから湯殿を後にしたのだった。
随分遅い時間になったが自分の部屋の戸を開けると ――
「おっそ~~~いっ!」
鬼の形相のヒメが待っていた。
オレのベッドに坐り、腕を組み、足を組んだヒメの衣装はヤバ過ぎる。
この世界の服装のスタンダードが判らないが、昨日はワンピースだった。今日のヒメの衣装は透け透けピンクのベビードール(多分、そんな感じの服)だ。
またも股下、ぎり、なのでベッドから降りた時に金色の下草がそよいで見えた。
(えっ?……つまり、ベビードールの下には何も?)
今夜のヒメの意気込みが判ると言うものだ(笑)。
「早くここに坐りなさい」
今まで坐っていたトコロを、ぽん、ぽん、と叩いてヒメが促した。
「ぱ、ぱんつも全部……ぬ、脱ぐのよ」
最初はパンツに『防御力をあげる』加護を附与するのが目的だった筈だが、どうやら中身の強度をあげる『加護』に切り替わった……らしい(笑)。
もう何度も見られているので、すぱっ、と脱いでベッドに坐る。
ヒメが小首を傾げて、まじ、まじ、と見詰めてきた。
まあ、先ほど熱心に『スキル』のレベルあげをしてきたばかりなので、項垂れているのは致し方なかろう(笑)。
かなり不満そうな顔で、しかし、オレの股の間に跪いたヒメが、鼻を鳴らした。
「知らない女の匂いがする!」
そう言って鼻を近づけて更に、くん、くん、した。
「イクイクの匂いは、まあ良いけど…」
(良いのかよ!)
「…他は?……正直に話しなさい!」
立ちあがったヒメが、ずいっ、と顔を寄せてくる。
オレは仕方なく大筋で内容を話した。
つまり、オレを莫迦にした金銀にお仕置きをした……みたいな流れである。
『予行演習』とか、『スキルあげ』とか、『誰それに下賜される』とか、いう話はなしで。
一通り話を聞いたヒメが数歩下がって言った。
「あ、明日は綺麗な身体で……ま、待っているのよ」
「え、えっと……今夜の『加護』は……」
「ば、莫迦言わないで……他の女の匂いが染みついたモノに『加護』なんて……付与されずに弾き返されるわよっ!」
「そ、そうなん…です…ね?」
まあ、実際問題は『やってられない』からだったかも知れないが(笑)。
それ以上何も言わずにヒメは部屋から出ていったのであるが。
【つづく】
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