第12話

第12話



「ふぁー...これ最高!」

妹への心配に落ち着かないのを紛らわせるために街をぶらついていた小林直哉は、隣町のショッピングセンターにあったマッサージチェアのテスターで寛いでいた。

心和む店内BGM、若者の騒ぐ声、マッサージチェアの機械音。体に伝わる心地よい刺激に両目を閉じてみると、研ぎ澄まされた聴覚が普段は無意識に聞き流す環境音などに対しても敏感に反応する様になる。


「あっ...。」

正午を伝える和やかなメロディーが館内に響く。

(もう12時か...昼メシどーしよっかな...。)

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