第26話

「それでは、惨劇パーティー会場へ転移しますね」


この後に行われる惨劇パーティー会場に、運営のナビゲーターが俺達を、移動させようとする。その前に、一緒に戦うであろう運営が持っている武器がなぁ


「なあ、その持っているのって」


「これですか?フーマ様は装備出来ませんが、持つことだけなら出来るので、持ってみます?」


「いや、それは気にしていないからいいんだけど、それって『銃』だよな」


「はい、正確にはスナイパーライフルですが」


「流石にそれは『反則』じゃないのか?」


「それに関しては、『反則』ではありませんよ。むしろ、私が使っている『銃』よりも、フーマ様の『武器』の方が『反則』ですよ」


うっ、それを言われると


「それに、『銃』よりももっと『凶悪』な物もありますから安心して下さい」


「それの何処に安心すればいい要素が?」


「大丈夫ですよ。その『凶悪』な物を使えるプレイヤーが出てくることは、いないでしょうし。それに、もしもそれを使えるプレイヤーが現れたとしても、フーマ様に太刀打ちできるとは思えませんから」


「そうなのか?」


ウーン、マアコレクライナダイジョウブカナ「少しだけネタバレをすると、今私が使っている『銃』等の近代兵器は、職種もありますが、それ以上に面倒なクエストをクリアしないと使用できません。フーマ様は、『シークレットクエスト』を知っていますよね」


「ああ、よく分からないうちにクリアしていたけど」


「まあ、簡単にご説明させてもらうと、その『シークレットクエスト』が関係しています」


「でも、クリア可能ではあるんだろ」


「可能ではあります。『シークレットクエスト』は『スペシャルクエスト』以上に無理難題がありすぎますが」


「えっ、そんなに難しいのか『シークレットクエスト』は」


「そうなります。申し訳ないのですが、これ以上は、流石に説明できませんので」


まあそうだよな。いくら俺が『こちら側』での参加だとしても、全て教えてもらうのは無理だよな。しかし職種によってではあるが、『シークレットクエスト』をクリア出来れば『銃』が貰えるのは少しだけ羨ましいかな


「では、フーマ様。会場に転移させますね」



運営の言葉に、俺はモルスお手製の、死の女神の祝福ローブと死神モルスの面を身に着ける。今のステータスはこんな感じだ



【プレイヤー名:死の女神の夫】

【種族:人間(笑) 性別:男】

【職業:呪神】


Lv:36

HP:Error(+30)

SP:Error(+30)

STR:Error(+30)

DEX:Error(+30)

VIT:Error(+30)

AGI:Error(+30)

INT:Error(+30)

MND:Error(+30)

LUK:Error(+30)



うん、改めて見るとナニコレ状態。ステータス偽装が可能なので、少しだけ弄っておかないと。それと、プレイヤー名も弄りたいんだけど、、、、、あっ、ダメですか


「なあ、少し聞いておきたいんだけど、FGEOの現在のトッププレイヤーのステータスってどれくらいか教えてもらう事って出来るか」


「理由を聞かせてもらっても宜しいですか」


「いや、改めて自分のステータスを確認してさ、もしも、プレイヤーの中にステータスを『看破』出来る人もいたらまずいと思って」


「ああ、その事ですか。それなら安心して下さい」


「安心してって、何故?」


「ぶっちゃけると、『看破』のスキル自体はあるのですが、あまりにもステータス差があると、何も分からないからです。もし、分かるとしても名前くらいですから」


名前だけなら、まあ別に良いか


「もう質問は、御座いませんか。では、移転開始」



俺達(スケルトン歩兵は除く)は、光に包まれ別会場に移転する。さあて、レア物の為に頑張りますか





~ Side とある一般カップルプレイヤー ~


俺の名前は、ジョージ。って言うのは、FGEOのプレイヤー名であって、リアルでは極々普通の名前だ


「やったね、ジョージ。私、「称号」が初めて貰えたから嬉しいわ♪ジョージと一緒の「称号」を貰えたので、なお嬉しいわ。お揃いね♪」


彼女の名前はジェーン。無論この名もプレイヤー名だ。まあ、俺と彼女は、その、、付き合っている


「そうだね、ジェーン。俺もジェーンと一緒の「称号」が貰えて嬉しいぞ」


「これで、私たちも称号持ちね。ありがとう、ジョージ♪」


「いや、ジェーンが頑張ったからだよ。それに、こちらこそありがとう」


俺達は、その後も、今日のイベントの話で盛り上がる。そして、司会だと思われる人から告げられる




「プレイヤーの皆様、お疲れ様でした。今回のイベント報酬は「称号」のみとなりますが、次回以降からのイベントではアイテムや装備品、それ以外の豪華景品がございます」


その司会の説明に、若干名ではあるが、不満の声も上がる


「称号だけかよ」 「それ、俺も思うわ」 「俺も」 「私も」 「レアアイテム寄越せ運営」


一人、また一人と称号を手にしたプレイヤーは、そんな事を言いだす。俺やジェーンは、楽しんでゲームが出来れば満足なのだが、トップを目指すプレイヤー達は違うらしい



だが、そんなヤジを司会を務めている人は平然としている。いや、むしろ待っていましたと言わんばかりの顔をする。何故だ?



「それでしたら、我々運営が「称号」を与えたプレイヤー10000名のみの対象となりますが、エキシビジョンマッチの開催を行わせていただきます」


司会は続けて


「ルールは至って簡単!!これから、今回のイベントにて「称号」を得られたプレイヤー10000名vs運営が厳選して用意した2名で、戦闘を行っていただきます。制限時間は1時間。そして、プレイヤーの皆様の勝利条件は、生き残っていれば勝利となります」



「何だ?そんなの簡単じゃないか、なあ」 「それなっ!」 「運営は俺達を舐めてるのか」 「そうだ!そうだ!」


さっきと同じプレイヤー達以外からも、司会の運営に対しヤジを飛ばす。正直、俺も言いたいくらいだ。だが、彼女が隣にいる手前、言いたくてもその言葉を飲み込む



「では、「称号」を持たれているプレイヤー様達を、惨劇パーティー会場へ転移させていただきます。今回、惜しくも「称号」を得られなかったプレイヤーの皆様は、別会場へお届けします。別会場で大型モニターを設置しておりますので、観戦するも良し、観戦せずに戻るも良しとなります」


そして、俺とジェーンもその戦闘が行われる会場へ、転移される。この後、地獄が待っているとは知らずに


~ Sideout ~






「プレイヤーの皆様、お待たせしました。これより、エキシビジョンマッチを開催するぞぉぉぉぉぉぉ!!」


「「「「「「「「「「「うおぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」」」」」」



司会をしている運営の言葉に、離れているのにも関わらず殺気の籠った大声が聞こえてくる。何で、殺気立っているのかは分からんが


「プレイヤー様達の、勝利条件は『制限時間1時間生き残る事』になります。もし、

勝利したプレイヤーの皆様には、運営から「レアアイテム」か「レア装備」をプレゼントさせていただきます」



司会の説明に、プレイヤーの中には、逃げずに戦ってやると息巻く人達が大半を占めている。まあ、曲りなりにも今回のイベントを、勝ち抜いてきたプライドがあるのだろう


しかし、こちらとしても「レアアイテム」より上の1点物が掛っているので、全力でやらせてもらうが



まずは、作戦会議だな


「誰か最初にやりたいとかあるか?俺としては、まだ戦闘した所を見ていない邪成者に任せてみたいが、どうだ」



「うへぇ、ワイですか旦那」


嫌そうな顔をする邪成者。う~ん、特に邪成者で無くとも良いが、どんな戦い方をするのか興味があるんだよな


「あらっ、フーマに逆らうのね貴方。それじゃあ、この世から消した方が良いわね♪」ハイライトオフ


「いやぁ~、冗談ですよ、冗談。ですから、その手を引いて下せえ。ワイが旦那に逆らうわけ無いですから。だっ、旦那、お助け」ギャー


モルスの脅迫オハナシで、邪成者は見事な手のひら返しを見せる。まあ、俺の我儘を聞いてもらうので、少しだけ、、、不安だが、ほんの少しやる気を出させてやるか



邪成者のやる気を出させる為、ルージュとアルトにお願いをする。そのお願いを聞き母娘が



「オニイサンガンバッテー」ギュッ


「タクマシイトコロヲミセテホシイワー」ギュッ


棒読みなのは仕方が無いが、二人は邪成者に胸を押し付け応援をする



「ああぁぁぁ、、、ハッ!!やっとワイにも春が、柔らかぁぃ、、ええ匂ぉい。うぉぉぉぉぉ!ワイはやるぞぉぉぉ!!ワイのカッコいい所を見せてやる!!ルージュちゃん、アルトお姉様♪ワイの雄姿を見ててね♪」


「「ガンバッテー」」


二人に申し訳ない気持ちになるが、邪成者がやる気を出してくれたので良かった




「それでは、エキシビジョンマッチ開始ぃぃぃぃぃ!!」


司会の言葉とともに、ゴーンと鐘の音が鳴る。そして、俺達が居る場所に押し寄せてくるプレイヤー達


「それじゃあ、邪成者。最初は任せた」


「まっかせてくだせえ、旦那」



さて、邪成者の戦い方はどんな感じなのかな


「出ませい、『炎鬼えんき』『水鬼すいき』」


邪成者は、お札を出し、そのお札を上空に投げる。そして、何かお経?の様なものを唱えると、そこに大鬼が2体現れる


「ルージュちゃんとアルトお姉様に、カッコいいワイを見せるために、やるとしますか。炎鬼!水鬼!向かってきている者達を蹂躙しろ!!」


「「グウォォォォォォォ」」


邪成者の声に、2体の大鬼がプレイヤーへと突撃して攻撃を始める




「デカすぎだろ!!」 「あんなの倒せるか!!」 「おいっ!こんなの聞いてないぞ」


「運営は2人って言っていたのに違うじゃねえか!!」 「それなっ!!」


「てか、これって、チートじゃないの」 「運営!仕事しろ!」


「うわぁぁぁ、こっちに来るなぁ!」 「ちょっ、おまっ、俺を巻き込むんじゃねえ」




2体の鬼が出す、火や水に飲み込まれるプレイヤーもいれば、金棒に押しつぶされるプレイヤーもいる。いやー、これは酷いな



そして暴れさせること5分


まだ、2体の鬼が暴れてから5分しか経っていないのに、最初は10000人いたプレイヤーの数が、今はその約半分になっている



「へぇ~、中々やるわね」 モルス


「何だ、ただのスケベな奴じゃなかったのね」 ローリエ


「あのスケベな所が無ければ、少しは認めてあげるのに残念ね」 リヴィ


「お母様。あの鬼凄いね」 ルージュ


「そうね、ルージュ」 アルト


「鬼、、、でござるか。一度、手合わせをしてみたいでござるな」 血切桜


「、、、良い的、、フーマ、撃っても良い」 エルミタ


「ぶひひっ!鬼は久しぶりに見たんだなっ」 亜々吸永苦


「あれ程の大きさだと、ドラゴンの中でも、、、」 オンジュ


「主!主!凄く大きいね」 フェルス


皆、それぞれ評価?をする



さて、邪成者の凄さも分かった事だし、後は、他の皆に暴れてもらうとしますか

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