第24話

「あれ?ここは、、、確か、最初の」


突然景色が変わった事に、多少の驚きもあるが、それ以上に飛ばされた場所にも驚く



「特別枠でのご参加、ありがとうございまーす」パチパチ


声が後ろから聞こえるので振り向くと、そこには、俺が最初にキャラメイクをした時に説明をしたナビゲーターの女性がいる



「はぁ、、、どうも」ペコリ


どう反応していいのか分からず、適当な返事を返すだけになる


「いや~、私達運営もフーマ様が『こちら側』での参加にホッとしております」


このナビゲーター、もう隠す気が無いのか。それよりも気になるのが



「あの、『こちら側』での参加って?」


「そうですね、どこまで話していいものか。う~ん、それでは、フーマ様の質問に答えられる形にしましょう。ですが、答えられない事もありますので」


「はい、分かりました」


「では、先程の質問に対しての返答ですが、『こちら側』というのは、我々運営側と同じと思っていただけたら」


「運営側と同じとは?」


「言葉通りです。とは言っても、もう少し説明が必要ですよね。簡単に説明をすると【Freedom of Good and Evil Online】のサービス開始から初のイベント開催と同時に、善悪以外から特別な職業を選べる事を、お知らせする為に今回のイベントを開催する事になります」


「特別な職種って、俺が選んだランダムでって事だよな」


「はい、そうなります。マア、ハセイデカワルコトモアリマスガ、、、現在【Freedom of Good and Evil Online】で、特別な職種に就いているプレイヤーは、フーマ様を含め3名だけになります。他2名の職種を教える事は出来ませんので」



俺以外の他2名という事は、姉さんと一だな。まあ、俺は二人の職業を知っているから別にって感じだな



「それは別に聞く気はないので。でも、他に二人いるのなら、そのプレイヤーも俺と同じく『こちら側』での参加なのか?」


「いえ、そちらの2名は『こちら側』での参加ではありません」


「えっ、でも、二人も特別ランダムな職種なんですよね」


「はい、そうなります」


「それなら、何故『こちら側』で参加出来ないんだ?」


「それは、その2名のプレイヤー様では『蹂躙』する為の能力が無いと判断されましたので」


「『蹂躙』する為の能力が無いとは一体?」


「フーマ様とは違い、その2名のプレイヤーでは我々運営が行う事に対してのレベルが足りないので。下手をすると負けてしまう可能性もありまして」


「でも俺は、それが出来ると?」


「はい♪モチロンです♪むしろ、我々運営が考えている以上の事になるかと」


何故か嬉しそうに話すナビゲーター、、いや、もう運営で良いか



「まあ、それならそれで良いけどさ。でも、【Freedom of Good and Evil Online】はこれからもイベントを開催するだろ」


「はい、そうですね」


「今回『こちら側』での参加だけど、次回以降に参加する場合に問題があるのでは?」


「その点はご安心下さい。運営が『こちら側』での参加条件を満たしたプレイヤー様達には、今回のフーマ様の様に、通知をお送りいたしますので。ですが、一度でも『こちら側』での参加をしてしまうと、その後のイベント関連では、全て『こちら側』での参加になります」


「えっ、じゃあ俺はもう普通に参加は出来ないのか」


衝撃の事実を伝えられ、凹んでしまう



「大変申し訳ないのですが、そうなってしまいますね。ですが、ご安心を。『こちら側』での参加されるプレイヤーの皆様には、普通に参加すれば得られるであろう、アイテムや称号よりも、数段上の物が手に入りますので。モチロンこの世界では1つしかないような物も含まれますので」マア、フーマサマノヨウナプレイヤーハ、ソウソウアラワレルトハオモイマセンガ


この世界に1つだけしかない物だと!!まあ、それなら良いか♪やべー、1点物となると超プレミアじゃん。絶望のから喜びの表情に変わったので運営が言う



「その様子だと、ご納得いただけましたか」


「普通に参加できない事は残念だけど、納得はしたよ」


「それを聞いて安心しました」


「それで、俺は何をすればいいんだ?」


「それはですね、フーマ様には今回のイベントで『称号』を得られた全プレイヤーと戦ってもらいたいのです。まあ、エキシビジョンマッチとしてですが」


「それって1対1では」


「ないです」


デスヨネー



「因みに、その『称号』を貰えるのは」


「今回、初のイベントになりますので、若干多いのですが上位10000までに入れば『称号』が与えられます、、、、、フーマサマガアマリニモツヨスギルノデキュウキョニンズウヲフヤシマシタガ」


10000だと!!それ、多すぎやしませんか



「その10000名のプレイヤー全部、俺に相手にしろと?」


「フーマ様には、頼りになるお仲間が沢山いるではないですか」


ああ、そっか。この場には、俺一人しかいないから、てっきり俺だけかと思った。うん、それなら安心だな



「それに、今回は私も参加いたしますのでご安心を。元々、初回のイベントで『こちら側』に参加出来るプレイヤーがいるとは想定外でしたので。まあ、フーマ様が参加するので、私がいる意味は無いと思うのですが」


「えっと、そうなると『こちら側』での参加って、プレイヤーの俺と運営のアンタだけなのか」


「そうなります」


「でも、見た感じアンタが強そうに見えないんだけど」


「そうですね、この見た目ですからね。私もそう思います」


「大丈夫なのか?」


俺の疑問に、運営は何かを考えているのか?それとも、誰かに報告しているのか?暫く固まっている。そして、数分経ってから俺に対し



「フーマ様は、【Freedom of Good and Evil Online】の掲示板はご覧になられていますか」


「掲示板?、、、まあ、たまに見る程度だけど、見ているな」


「それでしたら話が早い、フーマ様は一時期話題になっていた【チーター?】どこからともなく狙撃され、デスペナ食らった被害者の会【運営仕事しろ!】のスレッドはご存じですか」


「それなら、見た事あるな。結局誰の仕業か分からずに終わったけど、、、って、まさか」


「はい、それを行っていたのは私です」ドヤァ


ドヤ顔で言う運営、今そんな事をカミングアウトされてもなぁ


「ですので、後方支援は私にお任せください」


あっ、前には出ないのね



「もし、私が手伝わずに『蹂躙』する事が出来れば、私の方から上層部へ掛け合って、フーマ様へのお送りする物の中に1点物を最低2つご用意いたしますよ」


「それは、嬉しいんだけどさ、そんな事が出来るのか?」


「大丈夫ですよ。これでも、私はそれなりの立場なので」フフフ


その言葉が嘘か本当なのか分からんが、あまり期待せずにいるか



「フーマ様、他に聞きておきたい事は御座いますか」


「う~ん、今は特には無いかな」


「では、これで説明を終わらさせていただきます。もし、他にも聞きたいことがあれば、フーマ様の問い合わせ先に『こちら側』を追加しておきますので、そちらからお問い合わせください」


そう言われたので確認をすると、確かに問い合わせ先に『こちら側』が増えている。まあ、そんな問い合わせる事は無いと思うけどな



「では、元の場所へと戻しますね。フーマ様の活躍を楽しみにしていますので」フフ


「出来るだけの事はやるさ。俺も、1点物が欲しいからな」


「では、次にお会いするのはイベント当日に」



そして、元居た俺の部屋に戻された瞬間




「「「「「「「「「「フーマ(お兄さん、旦那様、殿、はん、様、旦那アルトお姉様)」」」」」」」」」」


仲間達が心配していたらしく、一斉に飛びつかれる。邪成者だけは、アルトに飛びつくが亜々吸永苦がブロックする


く、、苦しい、、、


皆に退いてもらうために、少しだけ時間が掛ったが、俺に触れた事により落ち着きを取り戻す


そんな中、フェルスは俺が座っていたソファーの上でのんびりとお昼寝していたが、大きな音に反応して起きて「あっ!主~おかえりなさ~い」と、言ってくれる


うん、やはりフェルスは俺の癒しだな。さて、皆にも説明をしないとな


















~ 某部屋 ~


「ふふっ、あ~楽しみだわ」


「チーフお疲れ様です。でも、良かったのですか、あのような約束をして?」


「私が良いって言うのだから良いのよ」


「でも、上に何を言われるか」


「そこは、大丈夫よ。だって×××××なのだから。ね♪」


「ね♪って、そんな可愛らしく言われても。チーフの年齢って確か」


「何かしら」ニッコリ


「いえ、何も」ブルブル


「そう?」


「そっ、それよりも、チーフお気に入りの彼は凄いですね」


「そうなのよ♪まさかスケルトン達をあんな風に使用するなんて。本当に面白いわ♪実際の所、あのスケルトン達だけでも戦力としては十分だし」


「そうですね。最近の苦情の大半は、初期組のプレイヤーからの『魔物を大量に倒しているはずなのに、レベルが全然上がらなくなった』が大半ですからね。まあ、実際は同じ人達数名が何度も送ってきていますが」


「それは、最初から分かっていたことよ。【Freedom of Good and Evil Online】では、モンスターを倒す事もそうだけど、プレイヤーにとっては面倒なクエストをこなさないとね。それに、装備品も」


「彼を除くと、トッププレイヤーの中でも、気づいているのは極一部だけですし。彼とほぼ同時期に始めた、ランダムプレイヤーの2名は分かっていそうですが。もしかして、彼の知り合いなのでしょうか?」


「その可能性は高いわね」


「もしも、その3名が組んでしまったら、イベント後の×××機能が、、、修正をするのですか?」


「そんな事はしないわ。でも、イベント後からランダムで始める人達に関しては、多少弱体化はさせるけどね。これに関しては、イベント前に気付いたプレイヤーへのご褒美よ」


「それだと、炎上するんじゃ」


「別に、私達運営からお知らせする訳じゃないのだから良いんじゃない?そんな軟弱なプレイヤーは【Freedom of Good and Evil Online】を辞めてもらっても構わないし」


「でも、イベント後には第四陣が」


「それが何?それに、弱体化させると言ってもほんの少しだけよ。弱体化しても彼に張り合える職種はあるわけだし」


「その彼は『呪神』になっちゃいましたけどね」


「そうねぇ。イベントで私が使う『×××』でも勝つのはまず無理ね。下手したら瞬殺されるわよ」アハハ


「もういっその事、彼をラスボスにでもしてしまうのは?」


「それも良い考えだけど、それは今後のプレイヤー次第ね」



















~ 後書きみたいなもの ~


もしも、フーマが居なかった場合のエキシビジョンマッチは、運営側5人vs上位100人との戦いになります


主人公の仲間達が強すぎるから仕方ないよね

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