第19話

さて、オンジュが固まってしまっているので声を掛けるか


「オンジュ、宝箱には何が入っていたの?」


「、、、、、はっ!そ、そうでした。直ぐに確認を、、あっ、」ズル


俺が声を掛けて我に帰ったオンジュは、焦ってしまったようで焦りのあまり、足を滑らしバタンッと宝箱に顔を打ち付けてしまう。痛そうにするが、フルフェイスの兜を被っているので直ぐに持ち直し、中身を確認しようとするが



「うぅぅ、フーマ様にお恥ずかしい所を見せてしまいました。、、こんな鈍臭い私を、見限ってしまわれるかも、、そうなってしまったら、、ああ!私はどうしたら」


何か、ネガティブな発言をブツブツ言いながら、また固まってしまうオンジュ



「いやいや、それくらいで見限る事は無いよ。他の皆もそうだけど、頼りにしているから」


その言葉に、オンジュだけでなく、この場にいる3人も嬉しそううな顔をする



「そ、そうですよね。、、では、開けます」


落ち着きを取り戻したオンジュは、宝箱を開けて中身を取り出す




「これは、、紙?、、、ああ!また『ゴミ』を、、私はダメな騎士です」ションボリ


オンジュが取り出したのは、紙ではなくお札の様に見える。オンジュは申し訳なさそうに、俺に渡してくる


「も、申し訳ありません、フーマ様。その、また『ゴミ』を出してしまいました」シュン


「それは違うよ、オンジュ。これは『ゴミ』ではなく、お札だと思う」


「お札?、、、それは、どういった物なのですか?」


「ああ、オンジュは騎士だから知らないのか。血切桜と亜々吸永苦なら分かるだろ」



そう言って、お札を見せる。侍と忍者(?)だから知っているはず


「ふむ、これは確かに我々が良く知っている、お札でござるな」 血切桜


「ぶひ!おでも知っているんだな」 亜々吸永苦


「、、初めて見る、、この文字は何?」 エルミタ



確認の為に見せたが、一番興味を持ったのがエルミタなのは以外だな


「ほら、だからオンジュ、これは『ゴミ』では無いんだよ」


「よ、、良かったですぅ」ブワァ


オンジュの兜の隙間から、大量の涙が流れる



俺達が涙を流しているオンジュを落ち着かせ、どんなお札なのか確認をしようとした時


【ボンッ!!】


突如、お札が俺の手元から離れ爆発音とともに、煙に包まれる。それを見た四人は、直ぐに俺を守る形を取る



煙が晴れてきて、人影らしき物が見えてくる。何があっても大丈夫な様に警戒をしていると


「男に見られる趣味は無いんじゃぁぁぁぁぁ。見られるなら、美人なお姉様に全てをさらけ出す」キリッ



、、、、、皆ポカーンと、その人物?を見る。しかし、このままでは埒が明かないので、俺から会話を切り出す



「えっと、さっきまでお札だった物で良かったか」


俺が問い掛けるが


「肉体を持てた事には感謝するが、男の質問は受け付けん」ビシッ


コ、コイツ、、俺に対して、失礼な振る舞いをするので、四人が



「フーマ殿に何て口の聞き方を、こ奴は成敗してやるでござる」 血切桜


「処す処す」 エルミタ


「ぶるぅぁぁ!消すんだなだな」 亜々吸永苦


「皆さん、私が出してしまった物なので、私が殺ります」 オンジュ



皆が、襲い掛かりそうになった時に、大広間の扉が開く


「戻ったわよ~フーマ♪」


モルスが戻って来た様だ。だが、一緒に出て行った者達はいない。そして、モルスを見たお札?だった者が



「おっ姉さ~ん」バッ


モルスに飛び掛かる。突然の事に唖然としてしまうが、モルスは冷静に飛び掛かった者に、アイアンクローを決めて、俺に聞いてくる


「フーマ、これ何?」ギチギチ


「いや、宝箱から出たお札がソイツになったんだよ。多分、呪いのお札だと思うんだが、男の俺の話しを聞いてくれそうになくてな」


「ふーん、そうなのね」グググ


俺の簡単な説明を聞き、モルスは更に力を込める



「ぬぐうぉぉぉ、痛いのだがお姉さんの良い匂いががが」


モルスが結構力を込めているが、余裕そうだな。すると、モルスが言い出す



「貴方に選ばせてアゲル。フーマに誠心誠意仕えるか、今この場で消されるか」ググ


「ぬぅぅ、、男に仕えるのは嫌だが、お姉さんと一緒に、、、グヘヘ」


「フーマには悪いけど、消した方が良さそうね。じゃあ、、」


モルスは、消した方が良いと判断したのか、何か詠唱をし出す。まずいと思い



「待て待て、一応どうするか聞いてからでも良いだろう。それで、モルスはこう言っているが、お前はどうする?」


モルスを止めて、一応どうしたいか聞く


「ぐぬぅ、ほんっと~は嫌だが、お前は悪い奴ではなさそうだから、主として認めてやるよ。そのお礼は、お姉さんの胸に顔を埋めさせれもらう事で良いぞ。だから、お姉さんのたわわな胸を堪能させてくれ!!」


なんと言うか、煩悩塗れ過ぎやしないか?


「やっぱり、消えてもらうか。モルス」


「は~い、フーマ。分かったわ」


「待って、、待って下さい、お願いします。何でもしますから」ジタバタ


身の危険を感じたのか、降参するお札?だった者



「モルス、放してやってくれ」


「はいはい、、、貴方、フーマに従わないのなら消すわよ。覚えておきなさい」


「畏まりました」ブルブル



モルスのアイアンクローから解放されたので


「済まないが、名前とステータスの確認をさせてもらうぞ」


「あ゛~~死ぬかと思った。男色の趣味は無いが、良いぞ。初めてだから、優しくし・て・ね♪」ヨヨヨ


ヴォエッ、、はぁ、、何か助けに入ったのが、馬鹿らしくなるな。ステータス次第では消すのもありかもな。そんな俺の考えを見抜いたのか



「いやぁ~、旦那。アッシは旦那の為に働きますよ。ヘッヘッヘッ」ゴマスリ


「分かったわから、確認するぞ」


「おうっ!どんとこい」ドン


調子が狂うな、、、、、さて、ステータスは



【陰陽札(呪):邪成者じゃなるじゃ

【所有者:フーマ】


HP:500

SP:7000

友好度:MAX

STR:50

DEX:99999

VIT:99999

AGI:99999

INT:500

MND:500

LUK:50



コイツも、ぶっ壊れたステータスだな。スキルにも気になるのがあるが、今は気にしなくても良いか



「どうでしょう、旦那!アッシは使えるでしょう」スリスリ


「ああ、そうだな」


「これで、アッシが消される事は無いですよね」


「ああ」


「そうと決まれば、おっ姉さ~ん♪」バッ


助かったと思ったのか、お札?改め、邪成者は懲りずにモルスに飛び掛かっていく。モルスは冷静に邪成者にアイアンクローを決め



「どうやら、教育が必要な様ね。フーマ、コイツ借りて行くわね」


モルスは俺の返事を待たずに、邪成者を連れていってしまう。まあ、アイツのスキルならモルスがやり過ぎたとしても、大丈夫だろう多分



宝箱の確認も終わったので、戻って来ていない四人の生存確認をする為に、モルスを追いかけて教会へ向かう


教会に入り、修練所がある場所に着くと、部屋の前で気絶している四人を介抱している、スケルトン(?)歩兵達。その内の一人が俺に気付いて


「主様!我々に何か御用があるのですか」


「いや、用って訳じゃ無いが、モルス以外戻らなかったから様子を見に来たんだ。後、モルスはこっちに戻って、今は部屋の中かい」


「そうでしたか。はい、モルス様は初めて見る者と共に、部屋の中に居ます」


「そうか、じゃあここで待たせてもらうよ」


「畏まりました。主様の為に椅子を持ってきてくれ」


どういった仕組みか分からないが、スケルトン(?)歩兵同士で、テレパシー見たいな物が使えるらしい。肉体を持った時に使える事が判明したのだとか、召喚レベルが上がれば、他にも出来る事が増えるのかもしれないな



その後は、スケルトン(?)歩兵が俺と一緒に来た四人の椅子も持ってきて、更にお茶とジュースを出してくれる。あれ?いつの間に作ったんだ?


理由を聞いてみると、どうやらモルスが村の裏手に畑を作ったらしく、その畑で色々農作物や茶葉を作っている様だ。後で見せてもらおう



さて、邪成者はモルスの攻撃教育にどれだけ耐えられるかな

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