第18話

モルス達5人を見送り、残された俺含む5人と1匹は金箱を開ける事にする。話し合いの結果、先に亜々吸永苦から開ける事になる


「ぶひっ!おでなら、きっと良い物が出せる気がするんだなだな」タプタプ


Cuteなお腹を叩きながら、自信満々に告げる亜々吸永苦。木箱でもそこそこ使えそうなアイテムを出したからな


亜々吸永苦の言葉の後に、ガシャンと何かが崩れ落ちた様な音が聞こえたので、その音が聞こえた方を見ると



「私への当てつけですか、、、どうせ、私は『ゴミ』しか出せませんでしたよ」ズーン


オンジュが膝から崩れ落ちて、ブツブツ独り言を言っている。確かに、オンジュの開けた木箱はゴミしか出なかったからな


しかし疑問も残るんだよな。FGEOの宝箱の中身から『ゴミ』が出たって報告は掲示板では見たことは無い。幾らLUKの数値が低いからって、『ゴミ』が連続で出る事が有り得るのか?


まあ実際あるから起こっているんだろうけど、もしかしたらNPCの場合、プレイヤーとは違う何かがあるのかもしれないな



「ほら、オンジュ。落ち込んでないで、今は亜々吸永苦が開けるのを見守ろう」


「、、、はい、フーマ様」


オンジュを立ち上がらせて、亜々吸永苦が金箱を開けるのを見守る



「ぶひひ~ん!じゃあ、開けるんだなだな」ポヨン


金箱を開ける亜々吸永苦。次の瞬間、眩しい光が宝箱を包み込む。そして、金箱だった宝箱が虹箱へと変化する



「ほう、亜々吸永苦もモルス殿と同じで、色が変わったでござるな」 血切桜


「虹、、、綺麗、、」 エルミタ


「はわわ、、そ、、そんな、私の価値って」 オンジュ



亜々吸永苦なら、もしかしたら変化させられるかもと思っていたが、本当に変わるとはな。しかも、虹箱ってこれって俺が【ピコン】、、、はいはい、来るの分かってましたよ



【最高レアの虹箱を最初に発見されたプレイヤー様に『称号:宝物王』が贈られます】


デスヨネー、もう慣れてしまっている自分が怖い。さて、称号の効果はどんな感じだ


【『称号:宝物王』 称号効果:この称号を持っているプレイヤーは、モンスター討伐時に宝箱を落とす確率が30%UP。パーティーを組んでいるメンバーの確率10%UP】


うん、比較的まともな部類の称号なので物足りなさもあるが、まあ良いだろう。いや、待てよ、モンスター討伐した時には確か、素材しかドロップしなかった様な、、、でも、確率も30%位上がる程度なら気にしなくても良いか



「ぶひぃ!凄そうな杖が出て来たんだな」


亜々吸永苦が虹箱から、取り出したので一旦考える事を止める


「ぶひひ!フーマはん、どうぞなんだな」


亜々吸永苦に杖を手渡されたので、性能の確認をする



正義執行さばきの杖:豁」鄒ゥ縺ョ螂ウ逾槭〒縺ゅk繝?Α繧ケ縺、聖女の為に用意した杖。縺薙l莉・髯阪?閨キ讌ュ閨門・ウ縺ョ縺ソ髢イ隕ァ蜿ッ閭ス】


何だこれ?聖女の杖である事は分かるが、他が文字化けしているからよく分からん。俺には使えそうに無い事だけは分かるが、、、あっ、そうだ!聖女専用装備ならもしかしたら、姉さんなら使えるかもしれないから、これは姉さんと会った時にでも渡すか



アイテムボックスに正義執行さばきの杖をしまい、亜々吸永苦に


「ありがとう、俺には使えそうに無いが、知り合いなら使えると思うから良いプレゼントになると思う」


「ぶひん!次はフーマはんが使えるアイテムを出してやるんだな」ポヨン



「それじゃあ、最後は俺が開けるとしますか。流石に、亜々吸永苦みたいな事にはならないと思うが」



「フーマ殿なら、亜々吸永苦以上の事が出来る思うでござるよ」 血切桜


「フーマ、、期待してる」 エルミタ


「ぶひっ!フーマはんならやれるんだな」 亜々吸永苦


「、、、、私の価値って」 オンジュ


若干1名だけ、独り言を言って戻って来てないが



「じゃあ、開けるか」


金箱を開ける為に手を掛けようとするが、少しだけ気になった事があるのでその手を止める


「オンジュ。俺の代わりに開けてくれるか」


「、、、、、私なんて、、、って、ええ!!わ、、私ですか」


「ああ、少し気になる事があってな。これに関しては、オンジュが適任だと思ってな」


「し、しかし、フーマ様。その、私だとまた『ゴミ』が出るかもしれません」


そう!それが、気になった事なんだよな。宝箱の昇格があるのなら降格もあるかも知れない。その確認の為なら、犠牲になるのは金箱1個だけだし確かめたい欲求がある。ゲーマーとしては、是非確認したい



「それは、気にしなくても良いぞ。俺が確認したい事があるだけだから。例え『ゴミ』であっても、怒りはしない。皆も良いだろ?」



「フーマ殿が確認したい事があると言うのなら、拙者は何も言わないでござるよ」 血切桜


「、、別に良いよ」 エルミタ


「ぶひひ!フーマはんが言うなら賛成するんだな」 亜々吸永苦


「皆も賛成してくれたしオンジュ、開けてくれるか」



「、、、はい。どうなっても知りませんよ」


オンジュが金箱を開ける為に手を掛ける。すると、宝箱が光に包まれる。オンジュが「ええ!これって」と言っているが、光が収まり宝箱が虹色ではなく黒色の宝箱が出てくる


あれ?何故に黒?俺の予想だと、金から木に変わると思っていたのだが【ピコン!】またか、はぁ確認するか


【シークレットランクの宝箱を最初に発見されたプレイヤー様に『称号:秘密を暴く者』が贈られます】


黒箱はシークレットランクなのか、てっきり最低ランクかと思ったが。さて、称号の効果は


【『称号:秘密を暴く者』 称号効果:FGEOの世界で初めて宝箱の秘密を暴いた者の証。神級スキル『神眼』を持っている場合、スキルレベルが1上がる】



宝箱の秘密って、やはりプレイヤーとNPCの違いなのか?後は、昇格や降格(?)は、銀箱以上に限定されているのかもしれないな。モルスと亜々吸永苦が開けていた木箱では、何も起こらなかったしな


後、他にもあるのだが、それは追い追い考えるとして、『神眼』のスキルレベルが上がった様だし、そっちの確認をしないとな


【スキル『神眼 Lv.2』 消費SP2:1000Km先まで10分間自由に見る事が可能。その間、見えている敵に対し、神炎しんえん(微弱)を使い攻撃可能。神炎を使った場合、次の使用可能まで2時間のクールタイムがある】


ふむ、これはまた壊れてきたな。1000Km先まで攻撃可能になったが、神炎(微弱)ってどの程度の強さなのかは気になるが、その前にオンジュが開けた黒箱の確認をしないとな

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