第14話

モルス達が、修練所に入ってから5分程経った時に、スケルトン(?)兵達に指示を出しに行っていた仲間達が戻って来る


「戻ったでござるよ、フーマ殿」 血切桜


「、、、戻ったよ」 エルミタ


「ぶひ!戻ったんだな。何か面白い事が起こってそうなんだな」 亜々吸永苦


「フーマ様、只今戻りました。、、、モルスさんの姿が見当たらないのですが、今何処に?」 オンジュ



「皆おかえり。モルスは今、俺が新しく召喚した仲間と、修練所に居るよ」



「それは、大丈夫なのですか?」


「モルスには、やり過ぎない様に言ってあるから、大丈夫だと思う」


「そうですか」


その後、地面に横たわっているローリエとリヴィをスルーして、皆から復旧作業の進行状況を聞きながら、モルス達を待つ



「へぇ~、そしたら、俺達が住める家が出来たのか」


どうやら、俺が最初にスペシャルクエストを受けた屋敷の修復が終わって、皆で住める様にしたらしい。その報告を聞き終わった時、修練所の扉がタイミング良く開く



「お待たせ、フーマ♪」


上機嫌なモルスの声色がするので、振り返る。、、、うん、知ってた


吸血鬼母娘は、ズタボロの状態でモルスに担がれている。一方、モルスは誇り一つ無い綺麗な状態だ。まあ、母娘二人よりも強いリヴィですら、傷一つ付けられ無いのだから、当然と言えば当然か



「ああ、おかえりモルス。二人は大丈夫なのか?」


「フーマにお願いされた通り、やり過ぎていないから安心して」


「そっか。それなら良いけど」


モルスの報告を受け、ローリエ、リヴィ、ルージュ、アルトの四人が目を覚ますまでに、亜々吸永苦の確認をする為、俺と二人で修練所に入る



「じゃあ、行ってくる。亜々吸永苦、行くぞ」


「ぶひっ!了解なんだな」


フェルスをモルスに預け、修練所に入る。そう言えば、修練所に入るのは初めてだな【ピコンッ!】、、、おいおい、嘘だろ!何で今、通知が来るんだ



メニュー画面を開き確認をする


『スペシャルクエスト「影の討伐」』


影の討伐?、、、物凄く嫌な予感しかしないぞ。えーと内容は


『このクエストは、プレイヤーのステータスのみ反映された、偽者と戦う事になります。別の場所に移動してしまうと、クエストは自然消滅してしまうのでお気を付けください。クエストを受けずに移動して自然消滅した場合、二度とクエストを受ける事が出来なくなります』


プレイヤーのステータスのみ反映か、、、どうしたものか。スペシャルクエストだから受けたいけど、、、


「ぶひっ!フーマはん、どうしたんだな」ポヨン


準備運動らしき事をしている、亜々吸永苦に話し掛けられる。相談してみるか



「部屋に入ったら、スペシャルクエストの通知が来てな。どうするか迷ってる」


「ぶひぃ!おでが居るから、受けると良いんだな」タプタプ


「だけど、俺のステータスだけと言えど、相手をするの大変だと思うが?」


「ぶひひ!フーマはんの装備を外せば良いんだなだな」


亜々吸永苦に言われて気付く。それだ!何でそんな簡単な事に、気付かなかったのか。いや、本当に恥ずかしい限りだ



「ありがとう、亜々吸永苦。お前が居てくれて助かったよ」


「ぶひひ!どう致しましてなんだな」


装備を外して、クエストを受ける。因みに、今のステータスは



【プレイヤー名:フーマ】

【種族:人間(笑) 性別:男】

【職業:呪神】


Lv:36

HP:30

SP:30

STR:30

DEX:30

VIT:30

AGI:30

INT:30

MND:30

LUK:30


こんな感じで、レベルだけ上がった状態だ。ぶっちゃけ、モルスに渡されたローブがあれば、ステータスを上げる意味が無いので、ポイントを振り分けるのは困るまでは、そのまま増やすだけにしている


気になるのは、前は種族が人間(?)だったのに、人間(笑)になったくらいか。これに関しては、もう諦めている



クエストを受け、現れた俺の偽者は、何も装備していない状態。良かった


「じゃあ、頼んだよ」


「ぶひっ!任せるんだな」


亜々吸永苦が苦無で、偽者の首をはねる。自分の首が落とされる瞬間を見て、微妙な感じになるが、これでクエストクリアだな【ピコンッ!】さて、報酬は何かな?



『スペシャルクエスト「影の討伐」クリアおめでとうございます。クエスト報酬『スキル:影武者』が贈られます。更に、ゲーム開始から一度もステータス振りを行わず、クリアされたプレイヤー様に『称号:無鉄砲』が付与されます』


まだ、ゲーム開始二日目だが、報酬が少なく感じてしまうな。本来であれば、こんなにもポンポンと、称号やスキルが手に入らないゲームのはずなのにな。これで、称号は9個目か。さて、確認をしないとな。先ずは、スキルからだな



【スキル『影武者』 消費SP?:全てのSPを使い、同じステータスの自分を作れる。装備品は反映されるが、魔法やスキルは反映されない】


消費SPが?なのは、使用者によって違うからか。装備品は反映されるとか書かれているが、俺の武器の場合はどうなるのか?称号の確認が終わったら、試してみるか


【『称号:無鉄砲』 称号効果:ゲーム開始から、ステータスを振り分けずに自分の影を倒した、命知らずに与えられる証。HPが50%未満になった時、30分間全ての攻撃無効】


称号の方は、ローブを装備していたら、微妙な感じだな。30分間無敵状態は、十分ぶっ壊れのはずなのにな



俺が確認をしている間、亜々吸永苦は身体を慣らせる為、色んな動きをしている。どうやら、モンスターと対峙しなくともステータスは、上がっている様だ


「ぶっひぃぃぃ!やっと慣れて来たんだな」


楽しそうに動き回っているな。しかし、改めて辺りを見回すと、辺り一面何処まで続いているのか分からない、真っ白な空間だな。それに、いつの間にか入口の扉が消えてるし。まあ、モルス達は帰って来れたから大丈夫だよな


亜々吸永苦の慣らしが終わったので、スキルを試してみる。すると、ローブを装備している、もう一人の俺が現れる


「ぶひっ!フーマはんが二人になったんだな」


「そういうスキルだからな。しかし、亜々吸永苦は反映されなかったか」



そして、俺は影武者に話し掛ける


「影武者は喋る事は出来るのか?」


「、、、、、(・_・Ξ・_・)」フルフル


首を横に振る影武者。なるほどね、言葉を話す事が出来ない仕様だから、スキルと魔法が反映されないのか。、、、あっ!そうだ!


「そしたら、影武者はコレを持っているか?」


俺は、亜々吸永苦(偽)を影武者に見せる。ローブを装備しているから、コレも持っているはず


「、、、、、( ・∇・)⊃」スッ


影武者は、俺と同じ場所から亜々吸永苦(偽)を出す。これで、影武者も攻撃手段があることが判明したので、一安心


「ヨシッ!これで、全て確認できたし戻るとするか。おーい!戻るから扉を出してくれ」


扉をどうすれば出せるのか分からず、とりあえず、上を向き声を掛けてみる。すると、俺の前に扉が現れる



「それじゃあ、戻ろう」


俺の言葉に、戻る三人、、、あっ!影武者をどうしよう、、、、、まあ、戻し方が分からないから、このままで良いか



そう思い気にせずに戻ったのだが、戻った瞬間モルス以外の仲間達は、驚いて大声を出す


モルス以外の仲間に詰め寄られたので俺は、何があったのか説明する。説明が終わると、仲間達は影武者の色々な箇所を触っている。あっ、おい!変な所を触るんじゃない!



しかし、モルスだけは、興味がなさそうな顔で俺の隣に居る


「モルスは、向こうに行かなくて良いのか?」


「興味が無いから遠慮するわ。それに、私は本物のフーマにしか興味無いし。姿形が似ていても、所詮偽者。本物のフーマには敵わないわよ」ギュッ


そう言って、俺にウィンクしながら腕を組んでくる



「そうだ!モルスの頼みって、どんな事なんだ?」


モルスの頼みを聞くことを思いだし、聞いてみる


「その事なら、フーマが修練所に行ってる間に、終わったから大丈夫よ♪」


「えっ?俺に直接じゃなくて?」


「ええ♪私達が使う拠点愛の巣に行けばわかるわ♪」


「拠点って、スケルトン(?)兵達が修復した屋敷か?」


「そうよ♪じゃあ、行きましょうフーマ♪」


「行くのは構わないが、仲間達はどうするんだ?」


「放置で良いんじゃない。さっ、拠点愛の巣へ行くわよ」


モルスに手を引かれ、スケルトン(?)兵達が修復した屋敷へ向かう。仲間達は影武者の身体を、ペタペタとまだ触っている。影武者は、俺が移動する事に気付き、視線で助けを求めるが、俺は首を振り諦めろと口パクで伝える


「、、、、、(;° ロ°)」ガーン


本当に済まないと思うが、皆の気が済むまで、付き合ってやってくれ

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