第8話

「ふぅ~。さて、出前を頼むか」バッ


モンスター討伐の勝者が決定し、昼飯の時間が迫って来ているので、村に戻りログアウトをする。因みに、勝者は意外や意外、亜々吸永苦に決まった



「しかし、オンジュのアレは酷かったな」




ワイバーンの群れが出現して、敵は上空に居る事もありオンジュが何かを思いつく


「上空であれば、私も気にせず技を放つ事が出来る。ヨシッ!フーマ様。見ていて下さい」


オンジュは他の皆が俺に、それぞれの技を披露した事が羨ましかった様で、今度は自分がと思い力を溜める。空に放つとしても余波が来るんじゃ?


「ハァァァァ!!行きます!」


剣を大きく振りかぶり、技を放とうとするオンジュ


「『カースブレイ、、』あっ、、、」


技名を最後まで言えず、石に躓き見当違いの方向へ技が放たれる


ゴオォォォォォォォと、物凄い音を出す黒い光がワイバーンに触れる事なく、空の彼方へ消えていく。その音により、ワイバーンの聴覚にダメージが入ったのか、次々と目を回しながら地面に落下して来る


「ぶひひっ、『影分身』全て頂くんだな」


一早く、亜々吸永苦が影分身を使いワイバーンに止めを刺す。流石、忍者(?)汚い。しかし、いくらCuteなお腹でも、こう百人近く居ると気持ち悪いな。その後、他の皆も討伐に乗り出すのだが、亜々吸永苦の速さに付いて行けず、モルスが戦闘終了の合図を出す



「は~い時間になったわ、そこまでよ。順位発表するから戻りなさい」


モルスに終了を告げられ、皆戻って来る。若干一名だけ、かなり凹んでいるが



「それじゃあ、最下位から発表するわね。まあ、分かり切っていると思うけど。、、、最下位は、オンジュ。貴女よ」


「、、、はい」ショボーン


余りにも落ち込んでいるので可哀相に思い、少しフォローをする


「気にするな、オンジュ。あの技がちゃんと放たれていたら、きっと今回の勝者はオンジュだったと思うぞ」


「フーマ様、、、」ジーン


これで、多分大丈夫だろう



「次は、第4位ね。それは、血切桜。貴方ね」


「まあ、そうでござろうな。拙者はフーマ殿に戦う姿を見せれただけで、満足でござるよ」


血切桜は、負けた事を特に気にした様子も無く、満足した顔で言う



「そう?それで満足したなら、良いんじゃない。じゃあ第3位の発表ね。第3位は、、、、幼女、じゃなく、ローリエ貴女よ」


ピキッ「はあ!計算間違いじゃないの!、、ああ!オ・バ・サ・ン・だから間違いはあるわよね」


ピキッ「何言ってんの、私の計算に間違いは無いわ。オ・チ・ビ・ちゃん」


ああもう!この二人は


「二人とも、そこまでにしておけ。喧嘩をするなら村に戻ってからにしろ」


こうなった二人は、無理に止めずにまた修練所で戦わせた方が良いだろう。二人は俺の言葉に頷く


「分かったわフーマ。逃げるんじゃ無いわよ、この駄肉!」


「ええ、フーマ分かったわ。あらぁ~、何処からか乳臭い幼女の声が聞こえるわ~」


モルスの発言にヒートアップしたローリエが突っ掛かる。流石に、これ以上脱線すると昼に間に合わなくなりそうなので二人を止める



「俺も、後少ししたら一旦ログアウトするから、話を進めてくれ」


俺の言葉に二人は「「ハーイ」」と揃って返事をする。実は仲良いだろお前ら



「フーマもこう言っているし、じゃあ2位の発表ね。第2位は、、、、」


まだ、名前を呼ばれてない、エルミタと亜々吸永苦がジッと、モルスの発表を待つ



「、、、、、エルミタ、貴女よ。そして、第1位は亜々吸永苦、貴方になるわ。おめでとう」



おお!亜々吸永苦が勝ったか。最後のワイバーン狩りは凄かったから納得だな



「、、、2位、、、、負け、、」ガクッ


「ぶひぃ!!やったんだな!フーマはんとお揃いなんだな。フーマはんに暗殺術を教えるんだな」ポヨンポヨン


エルミタは膝から崩れ落ち、亜々吸永苦はCuteなお腹を揺らし、物騒な発言をしながら喜んでいる。そんなに落ち込むなエルミタ。またその内、何かしらモルスが提案すると思うから



その後、ログアウトする時間になるので、武器の作成は次のログイン時にする事になる。モンスターのドロップアイテムを、アイテムボックスに収納して村に戻る。村に戻り、ドロップアイテムを教会の地下にある保管庫に入れ、ログアウトする




「さて、昼は何を食べるかな」


昼飯に注目するのを考えながらリビングへ行くと


「あれ?姉さんはまだ居ないのか」


何時もなら、俺の方が遅いのだが、今日は珍しく早いみたいだ。それもそうか、姉さんも【Freedom of Good and Evil Online】を始めたのだから。今頃は、チュートリアルをやっている頃かな



それから5分程経ち、姉さんもリビングにやってくる



「ごめんね、つー君。待たせちゃって」


「いや、俺も今来た所だから」


「えへへっ、このやり取り恋人の待ち合わせみたいだね」キャー


はぁ、、、いつも通りで何よりだ、、、



「それで、姉さんは何を頼む?俺は、ピザを頼もうと思うけど」


「もう、つー君は連れないんだから。お姉ちゃんも、つー君と一緒でピザを所望するのです」


「はいはい。それじゃあ、頼むよ」


宅配ピザを頼み、会話をする



「そう言えば、姉さんは【Freedom of Good and Evil Online】何処までやったの?」


姉さんが、どんなプレイをしているのか気になり聞いてみる


「何々、つー君気になっちゃう」


「まあ、気にならないと言えば嘘になるから。教えるのが嫌なら別に良いけど」


「いや~ん♪もう♪つー君拗ねないの。教えてあげるから」


「いや、拗ねて無いけどね」


姉さんが話そうとした時にチャイムが鳴る。どうやらピザが届いたみたいだ。俺が玄関で注目の品を受け取り料金を支払う。リビングに戻り、姉さんとピザを一緒に食べる



「話の続きだけど、姉さんは何処までやったの?」モグモグ


「つー君、お行儀が悪いぞ。お話は食べ終わってからにしましょ」


正論を言われたので、大人しく食事をする



「いやー、久々のピザ美味かったな」


「そうだね、つー君。はい、紅茶だよ」


姉さんに冷たい紅茶を渡される


「ありがとう、姉さん」


「どう致しまして。それで、つー君の聞きたい事なんだけどね、お姉ちゃん今は牢屋の中に居るの。どう、驚いた」



、、、、、はい?牢屋の中に?、、、どゆこと?


「牢屋の中って、姉さん何をしたの?」


「何もしてないわよ。つー君に教えて貰った『ランダム』で職業を選んだら、虹色に光ってナビゲーターから言われた職業が『裏切りの聖女』だったの」


姉さんもランダムにしたのか、しかも虹色の大当りなのだが、職業名『裏切りの聖女』って、姉さんは続けて



「それでね、ナビゲーターの人(?)に開始地点に転送されたのが、辺境の地にある牢獄の中だったの」


「それ、大丈夫なの?姉さん」


「大丈夫だよ。今居る場所には、人が誰も居ないし。それに牢獄自体は老朽化が激しくて簡単に出れるから」


「そうなんだ。それじゃあ、大学の友人と一緒に出来ないんじゃ」


「そうなんです。誘われてたけど、あの娘は元々他のゲームで、組んでいた人達が居るから大丈夫だよ」


姉さんがそう言うなら大丈夫なんだろう。そうなると、普段ゲームをやらない姉さんがソロプレイだと厳しいだろうな、、、、うーん、、少しだけ助言をするか



「そっか。姉さんは、チュートリアルはもう受けた?」


「受けて無いよ。時間が無かったから牢屋から出た所でログアウトしたから」


「そしたら、チュートリアルを受ける前に、周辺を全部回ったりアイテムを探す為に、色々漁る事をオススメするよ」


「周辺を見て回るのは良いけど、漁るのはちょっとなぁ、、、うーん、でも、そうした方が良いって、つー君がオススメするなら、お姉ちゃん頑張っちゃうぞ」


これ位の助言なら構わないだろう



「そしたら、昼飯も食べたし部屋に」


姉さんに、部屋に戻ろうとするのを止められる


「つー君。ゲームも良いけど、今日はスーパーの特売があるのです」


あっ、そうだった。スッカリ忘れていた



「その顔は、忘れていたなぁ~。そんな、つー君には罰として、荷物持ちとお姉ちゃんとデートをする事。分かった?」


忘れていた俺が悪いので、素直に刑を受け入れる


「分かったよ。じゃあ、着替えて来るわ」


「お姉ちゃんとデートなんだから、ちゃんとお洒落をしないとダメだぞ♪」


「分かってるって」


「分かっているのなら、良いのです」



その後、姉さんとお出掛け(デート)したのだが、姉さんの洋服選びに2時間も掛かってしまい疲れ果ててしまう。何で女性の買い物ってこんなにも時間が掛かるのか?別に、それなりに似合っていれば何でも良い俺には、永遠の謎だ



まあ、終始ご機嫌な姉さんを見ると、何だかんだ俺もシスコンなんだと思う。買い物を終え、家に帰って姉さんが夕飯を作る。あの張り切り具合を見ると、今日の夕飯は豪華になりそうだな

















~後書きみたいなもの~


真理Sideの話って需要あるのかな?

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