第6話

「、、、zz、zzz、、んっ、眩しっ。、、ふわぁぁ、、朝か」


時計を確認すると


「【07:38】か、大体6時間位寝たか。起きるか」



ベッドから起き上がり、着替えをしながら、ログアウト前にあった出来事に頭を悩ませる


「しっかしまさか、モルスとローリエが喧嘩するとはなぁ」


そうなのだ、クエスト終了後、武器庫から出てフェルスとモルスを紹介したのだが、ローリエがフェルスを抱きたかった様で



「そこの、アンタ。モルスって言ったっけ?その犬、フェルスをアタシにも抱かせなさい」


上から目線のローリエに対し


「フーマ。何この生意気な小娘、教育が必要かしら」ニコッ


笑顔なのだが、目が笑っていないモルスが俺に言う



「ローリエ、モルス。これから、一緒に戦う仲間なのだから、仲良くしてくれよ」


「何よ、フーマには、アタシ達が居れば十分でしょ。それとも、胸なの!胸が良いの!」


そんなローリエの発言を聞き、モルスが



「そうなのよ♪フーマは、私の胸に夢中なのよ。オ・チ・ビ・ちゃん」ムニュン


俺に胸を押し付けるモルス。柔らかいなぁ~、でもこれBANされない?大丈夫?


するとローリエが、地団駄を踏みながら切れ出す


「ムキー!!胸が何よ!そんなの、ただの脂肪の塊じゃない」


「でも、フーマは、その脂肪の塊が大好きなのよ。ねー♪」


いや、男なら嫌いな奴は余程のことが無い限り、居ないでしょ



「そ、、そんな、、そ、そうなの、フーマ」ジワァ


涙ぐむローリエ。見た目からして幼女を泣かしている感じがするので、物凄い罪悪感が



「いやいや、好きとか嫌いとかじゃ無いよ。それよりも、ほらローリエ泣くなって」


ローリエの涙を拭ってやる


「グスッ、、あ、ありがとうフーマ」


「気にするな。それよりも、モルス。フェルスをローリエに抱かせてやってくれ」


「フーマの頼みじゃ、聞かない訳にはいかないわね」


フェルスをローリエに抱かせてあげる、モルス。しかし、フェルスがローリエの匂いを嗅いで、直ぐにローリエからモルスの胸へ飛び込む。その結果



「そ、、そんな、どうしてなの、、」


茫然としてしまう、ローリエ


「まあ、貴女みたいな乳臭い幼女では、魅力が、、、ねぇ」プルン


そのローリエを胸を揺らしながら煽るモルス


ピキッ「、、、おいお前、修練所に付き合いなさい。まさか、逃げないわよね」


「ふぅーん、良いわよ。付き合ってあげる、軽く捻ってあげるわ」



売り言葉に買い言葉で二人は、臨戦体制になってしまう


「おい!二人とも、、、」


二人を止めようするが、モルスからフェルスを返され


「心配しなくても、大丈夫よフーマ。はい、フェルスをお願いね♪」



ローリエは、修練所があると思われる扉の前に行っており


「早く来なさいよ。ああ、年寄りだから鈍臭いのね。オ・バ・サ・ン♪」


さっきの仕返しなのか、モルスを煽るローリエ


ピキッ「決めたわ!軽く遊ぶ程度じゃ物足りないみたいね。教育してあげる」



止めるのは無理そうなので


「やり過ぎないでくれよ、モルス」


「大丈夫よフーマ。あの小娘を教育するだけだから。それじゃあ、行ってくるわね」


ローリエに続き、モルスも部屋の中へ入り扉が閉まる。頼むからやり過ぎないでくれよ




スンスン「「「、、zzz」」」スヤー


こんな時でも、呑気に寝ているフェルス。俺も同じ様に出来ればな~



「いや~、フーマ殿。あの女性はただ者ではござらんな」


「モルスの事かい?」


「そうでござる。何と言うか、その、我々とはまた違った上の存在の様な感じを受けたので」


そう言われ、他の皆も見てみると、皆、血切桜と同じ見解みたいだ


「そうだね、正解だよ。モルスは神様だからね」



「そうでしたか。しかし、相手が神となると、ローリエは大丈夫でござるか?」


「モルスには、やり過ぎないでくれって、お願いしたから。大丈夫なはず」


モルスも分かってくれているよな、、、少し不安だが



「ぶひひっ!血切桜は気にしすぎ何だな。そんなに気にしていたら、おで見たいにハゲてしまうんだな」


「いや、拙者達はフーマ殿をお守りする装備品なのだから、それは関係なかろう」


「ぶひっひ、例えローリエが壊されても、暫く休めば戻るから気にするだけ無駄なんだな」


「そうでござるが、、、」


「そんなに気になるなら、部屋に入れば良いんだな」


血切桜に提案する、亜々吸永苦。流石にそれは止めるかね



「、、、、それは、止めた方が良いと思う」


俺が止める前に、エルミタが止める


「私も、止めに入るのは反対です。これは、二人の決闘なのですから」


オンジュもエルミタに賛同する。エルミタは分からんが、オンジュは見た目が騎士なので、こう言った物に、水を差されるのは嫌そうだな



それから、モルスとローリエの決闘(?)が終わるまでの間、血切桜・亜々吸永苦・エルミタの三人が、どれくらいで二人が出てくるかで、賭け事を始める


三人はオンジュにも参加するか聞くのだが、オンジュはキッパリと断りを入れる。どうやら、あまり賭け事は好きでは無いようだ。まあ、あのLUKの低さでは、そうなるか


賭け事の勝者は、分かり切ってるとは思うが、13分37秒に賭けた亜々吸永苦だ。しかも、時間ピッタリ。血切桜とエルミタは、お互い30分と46分と分数までの指定だったが、亜々吸永苦は自信満々に


「13分37秒で出て来るんだな。間違い無いんだな、ぶひひっ」


Cuteなお腹をボヨンボヨン叩きながら言って、本当に当てるんだからスゲーな。流石、LUK七万超えだな



そして、修練所から傷一つ無いモルスが、ローブがボロボロになっているローリエを担ぎながら出て来る


「くっ!、、フンッ!今回は負けたけど、次は勝つ」


「あらぁ~、まだそんな元気があるのね。良いわよ、何時でも相手をしてあげるわ」


修練所に入る前の、ギスギスとした感じは無くなった様なので、一安心だな。その後も、モルスとローリエは口論をするのだか、何か近所の幼い子供が、お姉ちゃんに構って欲しくて我が儘を言ってる感じに見える


そんな、俺の考えを感じ取ったのかローリエが、俺をキッっと睨んでくる。おぉ、怖い怖い


一悶着があったが、お互いの紹介は終わったので、ログアウトをする。初日から、色々有りすぎたので、そのまま眠りに就く。で、朝を迎えたと



「朝食を食べるか」


朝食を食べる為に、部屋からリビングへ移動する。リビングへ着くと姉さんが、朝食の準備をしている


「おはよう、姉さん」


「おはよう、つー君。もうすぐ準備が終わるから、待っててね」


「分かったよ」


姉さんが準備し終わるまで、テレビでも見てるか。特に面白くもない番組を、ボーっとしながら見ている



「はい、つー君。お待たせ」


「ありがとう姉さん」


「それじゃあ、一緒に食べましょう♪」


姉さんと朝食を食べ始める。食べている最中に、姉さんも【Freedom of Good and Evil Online】を始めたのか聞いてみる



「そうだ!姉さんは【Freedom of Good and Evil Online】を始めたの?」


「まだだよ、つー君。はっ!もしかしてつー君、お姉ちゃんとゲームでも一緒に居たいの!それならそうと、早く言ってくれれば良いのに♪いや~ん♪つー君に告白されてお姉ちゃん困っちゃう♪」


どうして、この姉は俺の事になるとネジが外れるのか


「いや、告白なんてしてないし。それに俺達は実の姉弟だからね」


「はっ、まさか!つー君、付き合っている人が居るの」


「いや、居ないけど」


「ホッ!良かったぁ~。お姉ちゃん、つー君に見捨てられるかと思っちゃった」


このままだと、話が進まないので何とか戻さないと



「まあ、その話は置いといて。まだ始めていないんだね」


「そうだよ、つー君。この後、洗い物とお洗濯をしたら、始めて見ようかな」


「それなら、洗い物は俺がやっとくよ」


「ありがとう、つー君。それじゃあ、お願いしようかな」


その後は、姉さんから【Freedom of Good and Evil Online】についての質問があり



「つー君の、オススメの職業とかはあるの?」


流石に、俺の全呪統や呪死王に進化したのは言えないし、、、あっ!これなら



「オススメって訳じゃ無いけど、俺の場合は『ランダム』で職業を決めたからね」


「そんな機能があるの?」


「最初に職業を決める段階で、迷い過ぎてかなり時間を使っていたら、ナビゲーターからランダムで決める事も出来るって言われてね。どうせなら、運任せも良いかと思ってね」


「それじゃあ、お姉ちゃんもそうしようかな。そうすれば、つー君とお揃いだし♪」


「まあ、それは姉さんの好きにすれば良いと思うよ」



その後、朝食も食べ終え洗い物を済ませて、姉さんも洗濯し終えたので、お昼は出前を取る事にして、部屋に戻る。冒険に出るのは楽しみだか、果たして俺の出番はあるのだろうか?

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