美鈴、エリュード達がそっちに向かうみたいだよ

 ここはエリュード達の居る船室。

 あれからヴァウロイは、ここに来ていた。


 そして現在ヴァウロイは、エリュード達と話をしている。そう話せることだけをエリュード達に伝えたのだ。


「なるほど、ミスズは竜人の里に向かったのか。それも既に着いている可能性が高い」


 そう言いながらエリュードは、ピクピクと顔を引きつらせている。


「……それだけじゃない。かつて魔王テルマの右腕と云われた四帝の一人、ドラバルトが生きていた。それも今は、ミスズと一緒にいる」

「そうだけど、心配いらないのニャ」

「その根拠はなんだ? 相手は凶悪な竜人だぞ!」


 それを聞きヴァウロイは首を横に振った。


「ドラバルト様は、見た目と発言とか怖いけどニャ。他の四帝よりは真面なのニャ」

「ほう……なるほど、だが会ってみないことには信用できねえな」

「そうね……でも、アタシが昔に聞いた話だけど。四帝の中でドラバルトは、最強だったにも拘らず……悪い噂を聞いてないのよね」


 そう言いながらライルは思い返している。


「確かに、ライルちゃんの言う通りだ。死んだと噂が流れたあとだが、それを悲しむ者たちもいたらしい」

「ゴルイド……それは魔族やソイツラに加担してた者たちだろ?」

「いいんや、違う……これは聞いた話だ。それ以外の者の中には、ドラバルトに助けられたと言ってるヤツもいたみてぇだな」


 それを聞きエリュードは、難しい顔をした。


「どうなってる? じゃあ、なんで魔王なんかに加担したんだ」

「簡単ニャ。ドラバルト様は、情に厚く情け深いのと単純だからなのニャ」

「単純……ってことは、馬鹿ってことか?」


 そう言いエリュードは、ヴァウロイに視線を向ける。


「馬鹿……って、まあ……それをいうなら戦闘馬鹿かもしれないニャ」

「なるほど……そのせいもあって魔王側についたってことだな」

「うん、そんなところなのニャ」


 ヴァウロイはそう言うも冷や汗をかいていた。そうドラバルトの耳に入ったら、ただじゃすまないからである。


「あ、それとミスズと一緒にいるのはドラバルト様だけじゃないニャ」

「他にもいるって……どういう事だ?」


 そう言いエリュードは首を傾げた。

 そう問われヴァウロイは、ファルスとミィレインのことを話す。


「それじゃあ、ミスズは守護精霊がついたのね。それなら少しは安心かもしれない」

「ああ、守護精霊は女神側だからな。ただもう一人の方だ。ファルス……いったい何者なんだ?」

「ボクも知らないのニャ。ただ聞いた話じゃ、神と何か関係する者かもって言ってたニャ」


 それを聞きエリュードは思考を巡らせる。


「……女神とか。もしそうなら、今のところミスズは大丈夫かもな」

「ええ、でも確証はないけどね」

「それでも……ミスズちゃんに危害を加える要素がすくねぇならいいんじゃねぇのか」


 そうゴルイドが言うとエリュードとライルとヴァウロイは頷いた。


「とりあえずは、ミスズがドドリギアに滞在している間に辿り着かないとな」


 そう言いエリュードは遠くをみつめる。

 そしてその後もエリュード達は話をしていたのだった。

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