始末 2

 メスガキが帰宅し。

 俺と、ノアと、女教師。

 3人になった。


 さっきも2人で何やら密談してた様子で。

 切実に身の危険を感じるが。

 しかし、だからってここから逃走すわけにもいかない。

 現状縛られたまま。

 今の俺が何をやっても悪化する未来しか見えないしね。

 大人しくするに限る。

 良い加減、牢屋で一件でそう学んだのだ。


 ノアが縄をリードの要領引っ張り。

 俺が無抵抗で連れられ。

 その様を女教師がニコニコ眺めるという。

 客観的に見ておかしな集団である。


 先ほどから、すでに視線を集めてはいたが。

 貴族街に入ってからさらに。

 まぁ、こんなの不審者でしかないもんな。

 いつ通報されてもおかしくない。

 勘弁してくれ。

 今、ノアを刺激されると。

 周り回って俺に帰ってくる予感。

 ……ごめん。

 他人の視線は気にならないとか抜かしていたけど。

 やっぱ、気になるかもしれない。


 いつまで続くのか。

 羞恥と、通報されないかの緊張感。

 半分絶望していたが。

 止まった。

 見覚えのある場所。

 ここが目的地だったらしい。

 どこに連れて行かれるのかと思えば。

 ノアの自宅である。


 良かった、のか?

 とりあえず詰所に戻されたりはしないらしい。

 一安心。

 いや、流石にそこまで疑っては無かったけどね。

 うん……


 しかし、室内でも解放はされず。

 リビングを通り抜け、そのまま寝室の方へ。

 な、何をするつもりだ!?


 ノアは相変わらず黙ったままだし。

 女教師も微笑んでるし。

 傍目には全く不機嫌には見えないのだけど。

 それが余計に怖い。

 黙々と。

 今度は井戸ではなくベットに。

 縛り付けられてしまった。


 ……


 えっと、どういうおつもりで?


 ベッドに寝かされた状態。

 2人から見下ろされる。

 心なしか、女教師の頬が赤くなっている様な。

 そして息も荒い。


 考えなくても分かる。

 この状況で。

 何やら、思い出していやっしゃいます?

 さっきの事。

 多分、聞こえちゃってたんだもんな。

 ここでやってたの。


 子供でもないのだ、想像ぐらいつく。

 なんなら、メスガキですら気まずそうにしてたし。

 ほぼ筒抜けだったのが想像に難くない。


 息子へ視線を感じる。

 もはや発情って感じだな、やはり痴女。

 でも、状況が状況だけに。

 危機を感じつつ。

 しかし、本能には逆らえないらしい。

 何故か元気に。

 美女に自分の息子を凝視されているのだ。

 そうそう抗えるものではない。

 仕方ない、よね?


「……変態」


 ノアがボソリと……

 やめろ!

 ジト目プラスその言葉は、俺に効く。


 ってか、こんな事してるお前らに言われたくはない。

 客観的に見て、だ。

 ベッドに縛り付けられてる男と、ベッドに男を縛り付けた人間。

 どちらが変態だろうか?

 ……

 どっちもですね。

 なんなら反応してる分、俺が形成不利まであるかもしれない。

 しゃーなし。

 今回は引き分けということにしておいてやる。


「今回は私から、いいんですよね?」

「まぁ、約束ですからね」


 何が?


 彼女の言葉にノアがそう答える。

 何が約束なのだろうか。

 そんな、疑問符が頭に浮かびつつ。

 へ?

 手をかけられ思考が中断された。


 どこに手をかけられたのかって?

 下半身。

 ってか、ズボンである。

 そのまま下ろそうとされて。

 おいおい。

 やめ!

 縛られてて抵抗できない。

 息子が引っかかるが、気にも止めず。

 まとめて下ろされてしまった。


 どうしてこうなった……

 いや、確かに元々そんな話はしていたけど。

 3人でどうとか。

 流れってものがあるじゃん。

 って言うか。

 お仕置きがどうとかって言ってなかったか?

 これがお仕置き?

 それなら歓迎ではあるが。


 あ、そっか。

 ノアはさっき帰ってきた時に色々解消出来たけど、女教師は隣の部屋で聞いてただけだもんな。

 ただでさえお預けされてたのに。

 余計に。

 しかも、同じ部屋にメスガキがいるから下手に自己発散も出来ないと。

 地獄かな?


 俺のあそこは特別大きい訳でもない。

 なのに目を輝かせる。

 ノアとは違い、経験豊富そうではあるのだけど。

 元クラスメイト。

 そこに思うところがあったのかもしれない。

 俺は覚えてないが。

 何も思わないと言えば嘘になる。

 やはり別種の、プレミア感の様な物はある。


 ……いや、単に飢えてる説もあるけど。


 ただでさえ綺麗な人。

 胸も大きいし。

 おっとり目な清楚系美女。

 見つめられて。

 それだけでぴくぴくと。


 ふーっと息だけ吹きかけられ。

 でも、それ以上はせず。

 一旦離れてしまった。

 優しげな笑みを浮かべている。

 同級生、なんなら前世を入れれば2倍俺の方が歳食ってると言うのに。

 年上のお姉様の様な。

 そんな、余裕すら感じる。


 見せつけるように……

 服を一枚一枚。

 まるでストリップのようだ。

 清楚な見た目とは正反対。

 サキュバスとか。

 その類の淫魔の様に思える。


 エロティックでありつつ、しかし娼館で働いてる人間とは違う。

 これはお仕事ではないのだ。

 行為自体が好きで、故に経験豊富で。

 その上で別にサービスでもない。

 こんな女の子とするのは初めてかもしれない。


 ノアも獣っ娘も、どちらも経験なかったし。

 プロは経験豊富だけど。

 違うのだ。

 近い相手では女将さんとか?

 でも、彼女は獣っ娘の補助って感じで。

 ここまで積極的では無かったし、発情もしていなかった。

 釘付けになる。

 彼女の身体から目を逸らせない。


 生まれたままの姿になった彼女。

 四つん這いになってベッドに。

 そのまま息子がパクリと、食べられてしまった。

 視線を上にずらすとノアと目が合う。

 相変わらずジト目のまま。

 何だろう、非常におかしな気分だ。


 ……ってか、ヤバくね?


 普段からノア相手は結構一杯一杯なのに。

 ほら、若いから。

 冒険者で体力もあるし。

 その上、お仕置きと称したのがやばいのはさっき学んだ。

 腹上死しかけたのだ。

 さらにビッチが1人。

 しかも、2人とも溜まってると来た。


 あ、これちゃんとお仕置きかも。

 わりぃ俺死んだ。

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