港町 7
ふー、腹パンパンだ。
満足満足。
ついつい食べ過ぎてしまった。
初めに頼んだのとは別に、追加で注文しちゃったし。
結局、7品ほど食べたんじゃないかな?
その分酒も飲んだし。
総重量で言えば、フードファイター並みに食ったんじゃなかろうか。
多少、大袈裟かもしれないけど。
事実はともかく気分的にはそんな感じって事で。
我ながら、羽目を外し過ぎてしまったかもしれない。
まぁ、せっかくの旅行だしね。
久々の魚料理、限界まで食べないと損だ。
このお店、適当に選んだにしては結構当たりだったな。
出てくる料理が全部美味しかったし。
お酒のセンスもいい。
刺身は勿論良かったけど、その後の塩焼きも絶品だった。
生貝とも再会出来たし。
どぶろくっぽいお酒とも出会えたし。
正に、良いこと尽くめ。
次この町に来た時もここに来ようかな。
生貝なら、多少珍しかったとして他の店でも取り扱ってるところはあるんだろうけど。
近所のお婆さんが作ってるとか言う、お酒。
あれは、正真正銘ここぐらいしか取り扱い無いだろうし。
仮に、他に扱ってるとこがあったとしてもだ。
この店ほどのクオリティーの料理が出てくる可能性は低いだろう。
せめて旅行に来たら一回は寄らないとだな。
あの酒以上に刺身に合う酒は無い。
それぐらい相性バッチリだったのだ。
魚を食べたい欲求とは別に、この店に来たい欲求が抑えられないまである。
前世で言う家系とか◯郎系とか?
流石にそこまでジャンキーじゃないけど。
欲求としては、似たような感じ。
ラーメンが食べたいんじゃなくてその店に行きたいみたいな。
もっと言えば、その店の特定の料理が食べたい的な。
ほぼ中毒症状である。
と、言うか。
店に来るために、またこの町に来るまであるな。
旅行のついでとかでは無く。
流石に馬車だとしょっちゅうって訳にいかないけど、旅行とは関係なしならそうでもない。
転移なら一瞬で来れるし。
中毒症状が出てるのに、呑気に旅の醍醐味だなんだと言ってられないしな。
これなら料理だけ食べに来る選択肢もありだ。
まぁ、それぐらい気に入ったって事だ。
大将のキャラも話しやすかったし。
常連さんも良い人っぽい。
飲んでいて実に居心地のいい空間だった。
しかし、こう刺身を食べるとオレンジ色が欲しくなるんだよね。
赤身と白身のコントラスト。
あの紅白の中に混ざったらさぞ映えると思うんだけど。
鮭、もしくはサーモン。
そしてイクラだ。
より宝石箱に近づく気がする。
残念なことに、この世界に来てからまだ見ていない。
実際には白身なんだったか。
餌で色がついてるとか。
まぁ、分類的なとこは関係ない。
俺は鮭が食べたいのであって、本当は白身だから白身魚でいいかとはならないし。
サーモンにしかない旨み。
子供っぽいと言われるかもしれないけど、あれが昔から好きだったのだ。
今でも恋しくなってしまう。
まぁ、流石にそれを求めて世界を回ろうって程ではないけど。
そこまで人生は掛けれない。
どっかにあるんだろうな、って予感はしてるんだけどね。
こうやって旅行してる内にどこかで偶然出会えたら良いなと。
そういうのも、旅の楽しみの一つではある。
さて、腹も満たせたし気持ちよく酔っ払えた。
馬車で寝てたおかげで目もぱっちり。
残る三大欲求は後一つ。
となれば、それも満たしてあげたくなるのが人間というもの。
娼館へといざ行かん!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます