第6話 壁の野望

「あの、この国でも『夕日』って見られますかね」壁は僕の頭を撫でて笑った。

「ああ。必ずこの壁を壊して、この国を明るくする。約束だ」

そう言い壁は小指を出した。

僕は彼の小指に触れることはなかった。


「それは違います、僕はこの手で壁を壊します。あなたにはそのお手伝いをしてもらいたい」僕ははっきりと言った。

「いいぜ、そん時はさかずきでも交わすか」


壁は新たな時代を担う少年に自分の夢を託した。

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