第2話 彼女の名前は

 彼女の名は「ひなた」と言った。ひなたはその昔、太陽があった頃に地面に太陽が当たっている場所が由来になっていると言った。


「あなたの名前は?」

僕の名前はよる、という。時刻の他に時間帯を表す言葉があった頃の名前だ。

この国には夜しかない。

夜しか、僕たちは知らない。

『朝』や『昼』なんて言葉も僕らは知らなかったんだ。

彼女が朝日を求めるまでは、

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