第25話 古事記、日本書紀とその他ですよ
「たたたったたたーん(トラエモンのBGM)。奈良時代の雑学コーナー。……奈良時代では、地上に家を建てる掘立柱住居(現在の家みたいな感じ)が普通と思いきや。意外と、まだ竪穴住居での生活も行われていたみたいですよ。ふーぎです。で、ことらの方が」
「やっと自己紹介できる場ができたか。俺こそが、春秋六国時代を終わらせた……」
「興味ないので結構ですよ。さて、雑学次いでですが奈良時代では女性の方が立場が強く。男性が女性の元に訪れて結婚する。妻問婚(つまどいこん)が主流だったのです。知らなかったでしょう」
「……ほうほう。じゃねぇよ! いい加減に俺の名を語らせて」
「さて、奈良時代の最後の締めとして。国史と文学について語っていきましょうか」
「あれ、スルー? やっぱり俺の名はスルーなのね」
「奈良時代で有名なのは、古事記(こじき)ですね。古事記は、天武天皇が稗田阿礼(ひえだのあれ)と呼ばれる暗記が優れた部下を呼び出し。天皇家の歴史を(都合のいいように永遠と)語り。稗田阿礼は「マジっすか。パネェっすね(前回言ってる内容と違うんだけどなぁ)」ってな感じで相槌を打ち。書き残す前に天武天皇が崩御しちゃいます。色々と聞かされた稗田阿礼は……これ矛盾多すぎて、纏めるの無理じゃね? って思ってると。その後の天皇が「あくしろよ」って感じで完成を急がされたため。知識人である太安万侶(おおのやすまろ)を頼り。太安万侶が稗田阿礼が語った内容を上手く纏めることで古事記が完成します(諸説あり)」
「飲み会でひたすらに上司の過去の自慢話を聞かされてるみたいだな」
「この古事記は日本の国民に向けて、天皇が統治する正当性を語る為に造られました。そして、この頃に日本書紀の編纂も始まります。……日本書紀は唐や新羅と言った諸外国に対して、日本が独立した国家の正当性を伝えることを目的にした書物であり。漢文の編年体(へんねんたい)を以て書かれています」
「編年体ってなんだ?」
「年代順に出来事を記していく方式ですね。で、この日本書紀の編纂には、天武天皇の息子である舎人親王(とねりしんおう)が関わっています」
「何はともあれ、国内向けと国外向けの国史が完成したんだな」
「ええ。因みに、地方では、地方の特産物や伝承、ホラー話を集めた。風土記(ふうどき)も編纂され。奈良時代の文芸としては漢詩をまとめた最古の漢詩集。懐風藻(かいふうそう)が編まれています。懐風藻で有名なのは、壬申の乱で敗れた大友皇子や藤原四兄弟に殺された長屋王が有名ですね。……すっごい雑談になりますけど、漢詩がこの時代に於いては国際言語みたいになっていまして。長屋王は唐や新羅の使者が来た際に、漢詩によって別れを惜しむことを伝えたりしており。外交官としての素養も高かったみたいですよ」
「そんだけの逸材が、殺さたのか」
「無情なものですよね。さて、次に行きましょうか」
「なんか、今回、淡々としてない?」
「個人的な理由ですが、おそばを茹でていまして。伸びたら美味しくないので。さっさと終わらせようと」
「本当に個人的な理由じゃねぇか!」
「で、奈良時代には和歌が生まれており。万葉集(まんようしゅう)が作られています」
「そばが伸びるだろうが。一つ疑問があんだが、良いか?」
「どうぞ」
「漢詩と和歌の違いって何なんだ?」
「漢詩を造るには様々な規則や規範に則る必要があり。また、中国の過去の詩や古典。人物について知っていることが前提となる為。予備知識がものすごく必要です。それとは反対に、和歌は一定のリズムであればどんなのでもよいという感じなので。前提となる知識が少なく。結構、緩いのが特徴です。簡潔に説明するなら、漢詩が志を告げる詩であるのに対し。和歌は心を読み解く詩と思ってくれて結構ですよ」
「ほうほう、和歌が心に届く詩で、漢詩が心に圧し掛かる詩ってことだな」
「いいこと言いますね。どちらも一長一短ですよ。……さて、奈良時代では、官僚育成の為、中央では大学が造られ。貴族たちが学んでいました。また、地方に於いても最低限の文字が読めるように国学が造られ、郡司の子弟が儒教や法律を主にして文字を学んでいます」
「地方の官僚も文字を学んでいたと。まぁ、官僚が文字を読めなきゃ話にならねぇからな」
「さて、最後に奈良時代を代表するオタクについて語って終わりましょうか。石上宅嗣(いそのがみの やかつぐ)と呼ばれるオタクは書簡や書物を大量に集め。図書館を作り上げ。学びたい貴族たちに開放しました。この図書館を芸亭(うんてい)と呼びます」
「この時代に図書館があったのか」
「ってな感じで今回は終わりにしましょうか。次は平安時代に入っていきますよ。それでは、まったねぇ」
平安時代編纂中。
完成したら投稿していきまふよ。
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これより高校日本史を語りますよ 橘風儀 @huugi
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