第8話 古墳時代の文化とかですよ
「さて、今回は古墳時代の文化や、ブラック企業、ヤマト政権に反抗した地方豪族について語っていきますね」
「ヤマト政権に反抗した勢力もあったのか」
「そりゃあ、ありますよ。まぁ、語りたいのですが。先に文化について語りますね。古墳時代では、弥生系統の赤焼きの土師器(はじき)と大陸由来の灰色の須恵器(すえき)と呼ばれる土器が用いられていました」
「二つも使われてんのかよ」
「ええ、そしてこれら土器は、前々回に説明した陶作部(すえつくりべ)にて造られています」
「そういや、須恵器を造ってたとか言ってたな」
「また、古墳時代では農耕の祭祀が重視されていまして。春には豊作を祈る、祈年(としごい)の祭り。秋には収穫を感謝する、新嘗(にいなめ)の祭りが開かれていました」
「ごっちゃになりそうだな」
「まぁ、春は祈って。秋はその年に取れた穀物を食べて。感謝するって感じです。古来から今に伝わる天皇陛下の行事であり。今に伝わる伝統とも言えるでしょうね」
「珍しく真面目に語ってるな」
「お米のお話をしていたら。お腹が空いてきましたので。早く終わらせようかと」
「そんな理由かよ!」
「さて、古墳時代に於いては、占いも多用されてました。骨を焼いて割れ方で吉凶を占う。太古(ふとまに)の法と言い。古代中国の殷王朝でも行われた占い方法ですね」
「どうせ、細工とかして、都合の良い結果がが出るようにしてたんだろう」
「此の時代の人々は信心深くて、細工なんてしませんよ。ただ、戦いを決めるとかの際に。焼く前に、ちょっと割れ目を入れて。自分の都合の良い結果が出るようにしただけです」
「それを、細工っていうんだよ!」
「また、熱湯に手を突っ込んで、手が負傷するか否かで真偽を判断した。盟神探湯(くかたち)と呼ばれる。最新鋭の嘘発見器を造りました。正直者は火傷とかしないのでOKですよね」
「OKじゃないよ。有罪率100%の魔女裁判だよそれ!」
「まぁ、盟神探湯が行われたのは、大王から氏姓を貰ったと詐称する者が増えてきて。其れを抑制するため。見せしめのために行われました。この見せしめにより、勝手に名乗り始めた者達は息を潜め始めます」
「詐称する奴を咎めるため、熱湯に手を突っ込ませたのか」
「まぁ、こんな感じで、占いすらも合理的に行われていた古墳時代ですが。少々、厄介なことがありまして」
「厄介な事って何なんだよ」
「豪族や地方豪族の権力が強かったのですよね。豪族には私有地である田荘(たどころ)や私有民の部曲(かきべ)が認められていて。独自に力を持っていました」
「あくまでも大王を神輿にしているに過ぎないってことか」
「そう言うことです。また、地方にいくほど監視の目は緩くなり。地方で何しているのか全く掴めない状況に陥りました。そんな中、朝鮮半島の加耶の領土が削られ始め。ヤマト政権は、加耶の権益を取り戻そうと軍を派遣します」
「……ってことは、大規模な戦いが起こるって事だな」
「奈良から軍勢を送ろうとすると。九州にて磐井(いわい)と呼ばれる地方豪族が反旗を翻し。国内にて、大きな戦闘が起こります。俗に言う、磐井の乱ですね」
「造反か。にしてもどうして磐井って地方豪族は反乱したんだ」
「新羅から賄賂を貰ったと言われてますが。まぁ、よく分かってません。分かることは、磐井の乱は鎮圧され。戦いを終えた兵達はそのまま朝鮮半島に向かいますが。返り討ちに遭い。日本に帰ってくると言うことぐらいですね」
「出兵は失敗したってことか」
「出兵には失敗しましたが、得た物もありますよ。磐井の乱の鎮圧によって。大義名分を得た大王は、地方に監視のため、屯倉(みやけ)と呼ばれる大王の直轄地を置き。そこに田部(たぶ)と呼ばれる田を耕す農民を起きました。普段は農民ですが。反乱の動きが見える兵として組織し。直ぐに鎮圧できる仕組みを整えます。また、大王の近くには名代・子代(なしろ・こしろ)の部を置き。大王の直轄民として使役していました」
「大王が直轄民で。地方で働いたのは、田部で。都会の奈良で働いたのは名代・子代の部って感じか」
「奈良は都会ではないと思いますが、まぁそんな感じです。ああ、あと、磐井の乱以降、地方豪族には国造(くにのみやつこ)と言う役職を授け。地方の支配権を授ける代わりに、娘を出仕させ。大王や皇后の身の回りを世話する仕事をさせました。まぁ、現在語訳すると、刃向かったら、娘をぶちころがすからなってことです」
「現在語訳、人質でよくねぇか」
「あと、補足になりますけど。磐井の乱があった九州の古墳では。石の埴輪である。石人、石馬が立てられてました。九州では朝鮮半島の影響が強く。独自の文化圏を持っていたのでしょうね。ですので、奈良の田舎者のいうことなんか聞くか、ってな感じで反乱を起こしたのかも知れません」
「いやいや、奈良も都会だよ!」
「磐井の乱が鎮圧後に、石人、石馬は破壊されまくってるので。やっぱり埴輪は焼き物という強いこだわりが奈良人にはあったのでしょうね」
「奈良人じゃなくて、ヤマト政権ね」
「さて、最後に古墳について語りますか。後期の古墳になると、大規模な古墳造りは終わり。小型の古墳が集まった群集墳(ぐんしゅうふん)と呼ばれる古墳が造られます。大王が眠る墓ではなく。そこそこ権力があった人達が眠っているとされています。また、後期になると大王の古墳の規模も小さくなり。八角墳(はっかくふん)と呼ばれる。八角形の古墳とかが造られ始めます」
「古墳って、溜め池のために造ってたんだろう。八角形になんか意味あんのか?」
「後期古墳の時期になると古墳を造らずとも、合理的な溜め池が造れるようになったので。古墳造営は趣味の領域に変わりました。ですので、八角形格好いいからとか、そんな理由じゃないですか?」
「考察適当すぎない!」
「よく分からないのが古墳時代の面白さですよ。……と言うことで」
「いや、締まらないからね。締めたように言ってるけど、締まってないからね」
「古墳時代はこれで終わりです。次回からは飛鳥時代になりますよ。それでは、次は問題集でお会いしましょう。お疲れ様です。まったねぇ」
次の更新は、これより中学の歴史を語りますよ。が平安時代まで書き進めたら。
更新します。
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