第6話 朝鮮半島の動乱です

「おはこんにちは、ふーぎです。前回は、ヤマト政権の組織について語りましたよね。今回は、日本を取り巻く。周辺国について語っていきますよ」



 ふーぎはそう言うと。

 黒板に大陸の図を描く。



「中国では三国志が終わると、晋(しん)と呼ばれる国家が生まれます。この晋は、異民族を用いて一族通しで殺し合いまくった結果。直ぐに滅び。……異民族の怨嗟や南下する原因を造るだけ造って消え去ります」



「碌でもねぇ国家じゃねぇか!」



「そんなこんなで、中国の北部は異民族がヒァッハーして。王朝を乱立して造り。漢民族は南下して南に王朝を打ち立てます。所謂、南北朝時代の幕開けと言うことです。此の時代、結構面白いですよ。現在の価値観では理解できないことが山のように出てきます。残酷さに色欲が入り込み。言語化したら18禁では留まりません。分かりやすく要約すると、ヒァッハーな時代と言うことです」



「あれな時代と言うことがよく分かった」



「中国が混乱期に入ったため。朝鮮半島北部の、高句麗(こうくり)と呼ばれる国が楽浪郡という。中国と倭の外交拠点だった朝鮮半島の土地を回収しました」



「奪い返したわけだな」



「朝鮮半島南部では、馬韓(ばかん)、辰韓(しんかん)、弁韓(べんかん)、の小国連合が造られ。後に、馬韓は百済(くだら)に。辰韓は新羅(しらぎ)と言う一つの国家になりましたが、弁韓は小国の連合が続き、加耶(かや)諸国と呼ばれるようになります」



「国名多すぎて。全然、頭に入ってこねぇ」



「強引に語呂纏めするなら。……ばかんっ、くだらないこと言わないで。シンカン兄ぃが、しらぎっただなんて」



「いや、いきなり何言ってんの」



「語呂に纏めてあげたのですよ。文字で表すならこうですね。馬韓(ばかん)、百済(くだら)ないことを言わないで。辰韓(しんかん)兄ぃが、新羅(しらぎ)ったなんて。はい、復唱して下さい」



「馬韓、百済ないことを言わないで。辰韓兄ぃが、新羅ったなんて」



「いきなり何言ってるのですか。もしかして疲れてます?」



「あんたが復唱させたんだろうが!」



「あと残ったのは、弁韓ですね。弁韓は加耶です。まぁ、べんかや。ちいかわみたいなものですね」



「最後、投げやりすぎじゃね? べんかやと、ちいかわは結びつかないよ。4文字しか共通点ないよ!」



「また、ヤマト政権は朝鮮半島南方の、ちいかわの加耶諸国に拠点を置き。百済と同盟を結ぶことで。朝鮮半島の支配圏を広めようと動き始めます」



「百済と結んで勢力圏を広げようとしたんだな」



「朝鮮半島に野心が入り交じる中。朝鮮半島北方の高句麗にて、一人の英傑が生まれます。其れが、広開土王(こうかいどおう)です。北方の異民族国家を相手しながら、南方の百済を相手し。連戦連勝を重ね。百済の領土を奪っていきます。広開土王と言う名の通り、高句麗の領土をすっごく広げた王様です」



「軍事上の天才が現れたって事か」



「ヤマト政権は巨大化する高句麗に対抗するため。朝鮮半島南部の新羅に攻め込み。勢力圏を広げようと動き始めます」



「どうなったんだ?」



「広開土王の碑文によると、ヤマト政権は新羅の王都まで攻め込みましたが。新羅が高句麗に要請した大軍を目の当たりにすると。倭の兵士は一目散に逃げ。加耶諸国まで後退したと、刻まれています」



「広開土王、そんだけ凄かったんだな」



「まぁ、そんなこんなで。百済はヤマト政権を頼りにして。高句麗、新羅に対抗しようと再び動き始め。新羅は高句麗に助けられた恩から、高句麗の属国に近しい形に変わり。そして、高句麗は……」



「百済や加耶諸国を潰そうと準備を始めたんだろう」



「いえ。中国が崩壊した後に生まれた。北方の異民族国家でヤバい国家が生まれ。うかつに動けなくなりました。こうして、朝鮮半島では均衡状態が再び訪れます」



「本当に動乱の時代だな」



「ヤマト政権、まぁ、倭の王もこの均衡状態を脱出したいと考えており。中国の南朝、宋に対して朝貢し。高句麗討伐の助力を願いましたが。宋は北の異民族国家に手一杯であり。返礼と称号を渡す程度に終わっています。……そして、この内容は「宋書」倭国伝にて書かれており、倭の五王(讃、珍、済、興、武)が南朝に対して朝貢したと残されています」



「倭の五王ねぇ。誰が、どの天皇かって分かってんのか?」



「殆ど分かっていませんね。ただ、武は雄略天皇ではないかとは言われています」



「どうして、倭の五王の武だけ、分かってんだ」



「宋書倭国伝の送った内容が、これまでと違って好戦的で。こんな好戦的な天皇、雄略天皇しかいなくね? ってな感じです。……中学歴史で語ったと思いますが。雄略天皇は過激な方でして。百済から親密の証として、ものすっごい美人さんが送られましたが。雄略天皇の部下と駆け落ちしたのを聞くと。その二人の純愛に涙し。……捕らえ、縛り上げ、ファイアーしました。お涙頂戴話には弱いのです。私」



「どこに感動したの!」



「また、雄略天皇はワカタケル大王とも言われており。九州の熊本の江田船山古墳にワカタケル大王と刻まれた鉄刀が。埼玉の稲荷山古墳にもワカタケル大王と刻まれた鉄剣が見つかっており。……この鉄剣、鉄刀って九州から関東まで武力行使した跡だよね。武の化身じゃん。もう、中国の武も雄略天皇でよくね。みたいな感じで決まりました」



「そんな理由なの!」



「まぁ、半分冗談ですけど。此の時代の天皇でこれだけ好戦的なのは雄略天皇ぐらいですからね。まぁ、そんな感じでヤマト政権は朝鮮半島の支配圏をめぐって色々していたという話です。……ああ、あと、ヤマト政権は百済と共同した結果、返礼として五経博士や仏教が倭に伝わることになります」



「色んな文化が入ってきたんだな」



「では、キリも良いことですし。今回は終わりましょうか。さて、次回は、古墳って何のために出来たの。と言うお話です。それでは、またお会いしましょう。まったねぇ」

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