第4話 邪馬台国は貴方の心にありますよ
「それでは、弥生時代の続きについて語っていきますよ。弥生時代後期になると集落はクニへと発展していき。隣接するクニを統合したり、殺し尽くしたり、まぁ、日本中が真紅に染まる。お祭りの時代でした」
「祭りじゃなくて。血祭りだよね。それ」
「で、弥生時代後期になると、中国の歴史書にも記載され始め。ようやく、日本の実態が文字にて記され始めます。「漢書」地理志には、紀元前1世紀の倭について述べられており、倭人は104国に分かれて、楽浪郡(らくろうぐん)に定期的に使いを送っていたと書かれていますね」
「楽浪郡ってどこにあるんだ?」
「朝鮮半島の北西ですね。此の時代の中国は朝鮮半島まで勢力を伸ばしており。倭は本土の中国までは遠すぎるため、朝鮮半島の楽浪郡に使いを送ってました」
「わっかんねぇな。どうして、中国に使いを送ったんだ」
「中国の王に認められ。後ろ盾を得れば、周辺のクニを威圧できると考えたからでしょう。で、次の史書である。「後漢書」東夷伝には、57年に倭の奴国(なこく)の王が後漢の首都、洛陽まで訪れ。光武帝(こうぶてい)から印綬を授かっています」
「朝鮮半島ではなく。大陸まで赴いたのか」
「ええ。記録によると107年には倭国王、帥升(すいしょう)が生口(せいこう)、まぁ、奴隷と言われていますが、技術者ですね。建築などを行う技術者を、安帝に献じたと書かれていますね」
「まぁ、言葉も通じねぇ奴隷を大量に送られても、扱いように困るだろうからな。技術者の方がまだ納得する」
「そして、弥生時代が描かれた史書が、魏志倭人伝です。一般的に三国志の魏で有名ですよね。……魏志倭人伝には、2世紀の倭国は乱れに乱れており、邪馬台国の卑弥呼を女王にすることで周辺の小国を纏め。周辺国と渡り合ったと書かれています。また、卑弥呼は魏から、親魏倭王の称号や金印を授かったと書かれていますね」
「上手いこと、やってたんだな」
「みたいですね。ですが、卑弥呼が亡くなるとまた争いになって。卑弥呼の血統である壱与(いよ)と呼ばれる幼女? が王になって、治まったと書かれています。壱与が、幼女か、おばあさんかは分かりませんが、壱与って幼女っぽい名前だと思いません?」
「いや、偏見だろうそれ!」
「ああ、あと。邪馬台国では大人(たいじん)と下戸(げこ)と呼ばれる身分格差があったとされています。下戸は下級階層であって、道路で大人に出会ったら、後ずさりして道を空け。話すときは跪いて、話す必要があると魏志倭人伝に書かれています」
「本当に身分社会だな」
「そんな邪馬台国ですが、どこにあったのか分かってないのですよね。九州と近畿の説がありますが。……近畿なら、奈良を中心としたヤマト政権に繋がるため。卑弥呼は天皇の系譜を引くと考えられます。また、九州なら、ヤマト政権と敵対したクニと考えられ。まぁ、どちらにせよ。どうでもいい話ですよね。そんなことより、さっき干した洗濯物の方が気になります。雷雨が鳴り響いていますが、大丈夫ですかね」
「大丈夫じゃねぇだろう! 今日、台風直撃してっぞ」
「まぁ、貴方の衣服なのでオールOKです」
「よくないよ。全然、よくないよ!」
「さて、次はわけわかめの古墳時代です。此処さえ乗り越えれば、聖徳太子とか出てくる時代になるので。まぁ、一緒に乗り越えましょう。それでは、またっねぇ」
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