第15話
遥はまだ眠っている。
遥の黒光りする体を見ていると俺はうずうずしてきた。
“俺もラバースーツを着て、遥と触れ合いたい“
思い立ったらすぐ行動。
俺は自分のラバーグッズ一式をベッドに置くと、ドレッシングエイドを体に塗りラバースーツに足を通していく。
慣れたもので、すぐにラバースーツを着て見た目がマネキンのように見えるマイクロホールマスクを被った。
遥にも先ほど脱がせたマスクを再び被せる。
2人とも黒光りするマネキンとなったが、体が少し冷えてきた。
“あ、そうだ“
俺はラバーグッズの中からラバーの寝袋を出した。
これは足元の吸入口から掃除機で空気を抜く事ができ体を真空パックできるのだが、1人では空気を抜いてくれる人がいないので、出番がなかった。
これなら遥と密着できて温かくなるのでは、と考えた。
遥の足にドレッシングエイドを塗ってから、足元から寝袋へと入れていく。
そして俺も続いて入っていく。
2人で入ると窮屈ではあるが密着感が凄い、そして気持ちいい。
俺が少し動くだけで遥のラバーの肌と触れ合い、興奮し勃起しどんどん硬く大きくなっていく。
そして、このラバースーツにはペニスケースがあり、そこへ上手く入ると止まる事を知らずに大きく勃起するペニス。
ここまでは想定内であったが、大きくなった俺のペニスはお互い向かい合って抱き合っている遥の割れ目へと侵入し、そのまま奥へと入っていく。
「んぅん、うぅぅぅん」
遥は眠りながらも感じている様で喘ぎ声を上げる。
「わぁ!」
遥が突然声を上げた。
それはそうだろう、目覚めたら目の前にラバーマネキンがいる。
しかも、下半身に違和感ときたら、声を上げずにいられないだろう。
ビックリし、慌てた遥は狭い寝袋の中で体を動かして暴れる。
しかし、暴れた事で俺のペニスは遥の割れ目へともっと入っていった。
俺と遥はしっかりと合体してしまった。
という事は遥の着ているラバースーツにも、秘部になんらかの工夫が施されていると思った。
合体してもなお、取り乱している遥に声をかけた。
「遥、落ち着いて、俺だよ俺、圭佑だよ」
俺の声を聞いてようやく遥は落ち着いた。
こんな格好で合体して聞く事ではないが、後で聞くとはぐらかされそうなので遥に聞いてみた。
「どうして着ぐるみから出たくなかったの?」
遥はモジモジしてなかなか答えなかったが、意を決した様に俺の方を向いて話し始めた。
着ぐるみを脱ぎたくなかった理由は、全身ラバースーツを着ていたから。
俺に見られるとそんな趣味があるのかと疑念を抱かれると思ったらしい。
だから、着ぐるみを脱がせないためにもあのメッセージを送って回避しようと考えたらしい。
遥もラバーフェチである事が判明したのは、俺にとっては嬉しい誤算である。
遥は俺に対して自分の職業は会社で事務員をしていると言っていた。
それはあながち嘘ではない。
イベント会社のスーツアクトレス兼事務員だから。
その事を嘘をついたと責められると困るのでヒーローショーに出演するのを躊躇していた。
アマテラスのスーツアクトレスの代役がいないため、遥に出演してもらわなくては困る遥の父親である社長はある提案をした。
アマテラスのファスナーを完全に塞いで、出られなくする事で俺と顔を合わせなくて済むと。
ラバースーツは遥の趣味もあるが、長時間アマテラスを着るので汚さないようにという配慮から着ていたらしい。
さらに社長自ら着ぐるみを着た娘をカバンに詰めて、控えのテントまで運ぶ事で、俺と遥の接触を完全に断ち切った。
本来ショーが終われば、すんなり事務所か家に帰る予定だった。
しかし、社長は遥から俺の名前を聞いていた。
さらにショー当日が俺の誕生日という事も知っていた。
だから、あの時呼び止めて俺を探していたのだと分かった。
大事な娘の入ったカバンをこっそり渡してくれたのは、俺が遥の父親から認められたという事に他ならない。
俺は遥と抱き合い何度も何度も交わった。
結局、俺のバースデーケーキは次の日、遥と手を繋いで買いに行った。
これが、俺と遥の始まりの一日遅れのバースデーです。
完
一日遅れのバースデー ごむらば @nsd326
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます